所有事業者:十和田観光電鉄 (青森)
仕様・用途:都市間夜行高速路線仕様
(高速 「シリウス」 号に充当)
登録番号:八戸200 か ・709
配置:三本木営業所
初年度登録:2003年
シャシー製造:日産ディーゼル工業
搭載エンジン:日産ディーゼルRH8F型
車体架装:西日本車体工業
車体型式:西工02MC SD-Ⅱ型
車両型式:KL-RA552RBN
車名:日産ディーゼルスペースウィング
撮影日:2013年9月3日 (火曜日)
撮影場所:東京駅八重洲口
画像は再掲になろうかと思います。
「国際興業カラー+日産ディーゼル+西工ボディ」 という “キワモノの極み” 的な、異質の塊のようなバスですが、親会社の国際興業そのものは “不変の美” で、来る日も来る日も (・・この場合は 「来る年も来る年も・・」 と形容すべきか) いすゞを導入し続けていますが、グループ会社は財政難なのか何なのかは分かりません (解りません) けど、特に 「いすゞオンリー」 というわけではないようです。国際興業系会社は東北地方に多く見られますが、以前は親会社に 「右に倣え」 的にいすゞを導入していました。今も組織率で言えばいすゞの単独与党になりますけど、それに混じっていすゞ以外のバスが少数野党の如く、鎮座しています。No.841でお伝えした秋田の秋北バスには、富士重ボディの日野車や標準ボディ (三菱自工名古屋) を架装する三菱ふそうエアロバス・クィーンバージョンがいました。岩手県の岩手県交通には寄せ集めの極みみたいな車両構成で、前述の標準ボディ (ここではMFBC) を架装したMS8エアロクィーンや富士重ボディを架装した日デ車もいました。
青森の十和田観光電鉄は、社名が示すように、2012年までは鉄道事業も行っていました。今は殆どバス事業専業ですが、晩年は東急のお下がりを譲り受けて走らせていました。現在の法人としての十和田観光電鉄は2007年に設立されましたが、当然、歴史的には100年以上になります (国際興業の傘下になったのは1969年) 。しかし、経営難で新旧分離方式で事業を新会社に移行させています。それ故でしょうか、新車を導入出来ず、他社から中古を譲り受けて何とか食いつないでいるのが現状です。
そんな十和田観光電鉄にあって、稼ぎ頭とでも言うべきなのが夜行高速路線バスの 「シリウス」 号。運行開始から30年以上、首都圏と青森県を結んできました。当初は現在の運行事業者にJRバス関東と南部バスが参入していましたが、JRバス関東は2009年に撤退し、南部バスはウィラーに寝返って、高速ツアーバスに鞍替えしました。
画像の車は、元西武バスで、大宮営業所に配置されていた1301号車だそうです。2010年に十和田観光電鉄に移籍したとのこと。まぁ、さすがに2020年現在は在籍しているとは思いませんが、この他にも元淡路交通のガーラや元名鉄バスのエアロクィーン、元京阪バスのセレガなど、十鉄も他の国際興業グループに負けないキワモノ好きだったようです。
【参考文献・引用】
BUSRAMA SPECIAL No.10 「西工の軌跡」
BUSRAMA SPECIAL No.11 「UDマークのバス達」
(いずれもぽると出版社 刊)
バスマガジンスペシャル 「ユーザー系バスボディ完全ガイド」 (講談社ビーシー社 刊)
ウィキペディア (十和田観光電鉄、同三本木営業所、シリウス号)