西鉄バスの福岡～佐世保線「させぼ号」系統（福岡～ハウステンボス線も含みます）の専用車と言いますと、これまでは旧西鉄高速バス時代からさかのぼりまして西日本車体（西工）Ｓ型架装車、その後は西工Ｅ－３架装車が入るようになりましたが、現在は今回ご紹介しますようにＥ－３架装車が１台存在しておりますが、それ以外は日野セレガ（画像１、７９４５・ＱＴＧ－ＲＵ１ＡＳＣＡ）・いすゞガーラ（画像２、１１６９・ＱＴＧ－ＲＵ１ＡＳＣＪ）のいわゆる「セレガーラ」が入るようになっておりますし、後述のように三菱エアロエースも入る事もあるなど、そう言った事から純正化の波が進んでおります。

 

　実際に、つい数年前の時点では西工Ｓ型架装車の日野セレガなどが見られていたこの路線ではありましたが、正直あっという間に純正車両ばかりとなりましたので、それほど置き換えも進んでいると言ってもいいかとも思います。

 

　さらに、そのあとに導入されました西工Ｅ－３架装車に関しましても、平成１９年式の「させぼ号」専用車でありました車が全車グループ会社の日田バスもしくは亀の井バスに移籍しておりますので、そう言った車もいなくなってしまっている事も実感する所ではあります。

 

　また、昨年暮れには西鉄高速バスの最新塗装でもあります「ハーモニー塗装」の三菱エアロエース（３３４８・２ＴＧ－ＭＳ０６ＧＰ）も「させぼ号」系統に入るようになっております。しかも、新顔の車でもありますので、ついに「させぼ号」系統にも入るようになった事を伺わせるような姿となっていると言ってもいいかとも思います。

 

　尚、平成３０年春に運用の一部が本体の博多営業所に移管されておりまして、それだけ運行面に関しましても変化が見られているのが現状でもあります。したがって、平成３１年４月に旧西鉄高速バス福岡支社から変わりました福岡高速営業所と、西鉄本体の博多営業所によりまして西鉄バス便は運行されている事が伺わせております。

 

 

　さて、今回ご紹介しますのは、「させぼ号」系統でみられる車のうち、幕式車両のみを皆様にご紹介してまいります。この幕式車両はこれからご紹介しますように現在はわずか２台が運行するだけとなっておりますので、正直数年前の頃からしますと車両に関しましての変化が見られている事も伺える所ではあります。尚、後半では、１台が現在「ひのくに号」に転用されておりますが、この車に関しましては約７年間「させぼ号」に使用されておりましたので、過去の画像より併せてご紹介してまいります。

 

 

　まずご紹介しますのは、純正の日野セレガでありまして、１台のみ「させぼ号」（８５２８・ＬＫＧ－ＲＵ１ＥＳＢＡ）専用車が存在しております。

 

　冒頭からご紹介しておりますように、「させぼ号」系統専用車は「セレガーラ」の純正車両が多くなっておりますが、それでも１台のみ幕式の車両が存在しておりまして、それが８５２８であります。この車は、福岡～熊本線「ひのくに号」専用車として導入されておりましたが、多客期には夜行高速路線バスの続行用としても使用されておりまして、実際に「はかた号」・「どんたく号」の続行便として東京・名古屋までも運行されていた経歴もありまして、そう言った事から仮眠室も装備されております。

 

　（「どんたく号」続行時）～行先は使用されておりません

 

　そう言った事があったためかどうかはわかりませんが、平成３０年にこの車は博多営業所移管に伴いましてこれまでの福岡高速営業所から博多営業所に転属されております。それに伴いまして「させぼ号」系統にも入るようになりましたが、転属後は続行台数も減っている事もありまして本州へ向かう機会は逆になくなっているようでもあります。

 

　この車の行先です。この時は佐世保（松浦町）行きの表示を出しておりましたが、表示の仕方がＥ－３架装車と比べますと細かくなっておりますので、「松浦町」に関しましては縦字で表示されておりました。他にも、表示の仕方もこれまでとは異なっておりまして、こう言った所が幕式行先ならではな所を出しているのではないかとも思います。

 

　（前面）

 

　（側面）

 

 

　そしてもう１台は、西工Ｅ－３架装車（日産ディーゼルスペースアロー、ＰＫＧ－ＲＡ２７４ＲＢＮ）であります９９３２であります。９９３２は、当初は「ひのくに号」として運行されておりましたが、現在は「させぼ号」系統に入っております。この車の特徴は、平成２０年式という事もありまして、リアランプが平成１８・１９年式の車とは異なっているのが特徴でもあります。尚、この車こそ「させぼ号」系統唯一のＥ－３架装車でもありまして、以前Ｅ－３架装車が「させぼ号」系統に多く存在していた頃からしますと、大きく減らした事をも伺わせております。

 

 

　それから、今回は特別にご紹介しますが、現在は福岡～熊本線「ひのくに号」の運用に入っております９４９５であります。９４９５は、西鉄グループで導入されましたＥ－３架装車では最初に導入された車でもありまして、平成３１年２月まで博多営業所に所属していた頃まで「させぼ号」運用にも入っておりました。

 

　この９４９５は、旧西鉄高速バス時代の平成２４年より「ひのくに号」から「させぼ号」系統にＥ－３架装車の中では最初に転用されていた車でもありまして、以来約７年間「させぼ号」系統で運行されておりました。この間には、僚車も相次いで転用されておりましたが、ご紹介しておりますように平成１９年式の車が日田バス・亀の井バスに移籍しておりますので、西鉄バス本体でリアランプがシビリアンテールの車はこの車が所有するのみとなっております。

 

　（旧西鉄高速バス時代）～平成２４年撮影

 

　以降、西鉄バスに再び所有が変わりながらも運行されておりまして、私自身も何度かこの車を利用させていただいておりましたが、相変わらずのギアチェンもないＡＴ車でもありますので、動きが軽やかである反面、変速時は少々ショックがあるところもこの車らしいなとも思う所でもあります。

 

　（平成３１年正月利用時）

 

　そんなこの車は、ご紹介しておりますように「ひのくに号」に転用されておりますが、相次いで三菱エアロエースの新車が導入されておりますので、去就が注目されている域に達しつつあります。やはり、画像にもありますようにバンパー部分や車体下には少々痛みがあるのが気になる所でもありますが、今回のタイトルにもありますように数少ない幕式行先の車でもある訳ですし、西鉄グループのＥ－３架装車１号車でもありますので、まだ長くいていただきたいとは思う所ではあります。

 

　【平成３１年正月利用時】

 

　（バンパー部分）～痛みも見られます・・・

 

　【現在】～令和元年撮影

 

 

　本当に、考えてみましても「させぼ号」系統では共同運行会社の西肥自動車（西肥バス）では既に幕式行先の車がいなくなっておりますし、西鉄バスでも今回ご紹介しました２台のみになりましたので、幕式行先の車も数少なくなっている事が実感されます。しかも、西工Ｅ－３架装車に至っては去就が注目される時まで来ている訳でもありますので、それほど見られなくなるのかなと思う所でもあります。とにかく、「させぼ号」系統でも複数の色別で表示されております幕式行先の車が見られなくなっている事は残念ではありますが、正直いつまでも見せていただければと思っております。