(その5からの続き)
-南大沢(15:35発)-多摩境(16:23着・16:35発)-橋本(17:21着)
南大沢駅に着きました。
このあたりの行政地名も南大沢ですが、
近くに北大沢という地名は見当たりません。
南があれば、北もあるはずですが…。
明治初頭、このあたりは「大沢村」と呼ばれていました。
しかし、南多摩郡(多摩地域南部)の中に「大沢村」がもうひとつありました。
そのため、南の大沢村は「南大沢村」と名乗ることになりました。
片割れともいえる「北大沢村」は八王子市北部の加住地区にあったのですが、
現在、行政地名としては消滅してしまったようです。
ホームは2面2線の相対式です。
乗降客数は1日6万人を越えており、優等列車も停車します。
残すは2駅。
日が暮れるまでに歩き切っちゃいますよ。
さて、次の駅へ向かいます。
駅前の歩道を北へ進むと、
まもなく三井アウトレットパークにさしかかりました。
土日は大勢の人で賑わっているのですが…コロナの影響で人通りは少なめでした。
歩道はそのまま東京都立大学の構内に続いていました。
歩いた当時は「首都大学東京」でしたが、大学の名前が元に戻りましたね。
大学の前を左折し、まっすぐ進むと団地に入りました。
「ベルコリーヌ南大沢」と呼ばれる、1990年以降に建てられた団地です。
1棟1棟が個性的ですよね。
噴水の先にあるのは、
もう「角餅」とはほど遠い団地です。
ちなみにこの場所、「ぽんぽこ」のラストにも登場します。
多摩丘陵は人間にとっては住みやすいニュータウンに変わった、
でも自然と共生を図るようになった…
というようなナレーションが入るあたりで出てくるんですよね。
長年通った多摩ニュータウンが舞台というのもありますが、
「ぽんぽこ」はジブリ作品のマイベスト3に入ります。
あのほんわかしたノリも好きなんですよ。
(話の中で人間も何人か殺されてますけどね…)
バス通りに合流して、さらに西へ進みました。
道なりに進むと、こんな場所に出ました。
「多摩ニュータウン」としての開発は2006年をもって終了しました。
2010年の人口は22万人弱と、計画の30万人には届きませんでした。
団地が建つはずだった場所は、今も空き地として残されています。
これでもかなり開発が進んだと思います。
大学生だった頃は、このあたりは道路しか無かったですから。
信号付きの交差点を左折して、町田市に入りました。
多摩境通りに合流したら、
今度は東へ進んで多摩境駅へ向かいました。
ここは多摩丘陵の西端。
ここから先は相模川に向かって河岸段丘が広がっています。
実際眺めると、もっとスッキリした見晴らしですよ。
次の角を右折します。
多摩境駅まであと少しです。
多摩境駅に着きました。
近くを流れる境川が駅名の由来ですが、
境川が東京都と神奈川県の県境となっているので、
駅名通りの立地環境です。
ホームは2面2線。
大部分は切り通しの下に設けられていて、
ホームだけ見れば南大沢駅と似た雰囲気です。
次は終点の橋本駅です。
多摩境駅の大部分は切り通しですが、
ホームの橋本寄りはいきなり高架になっています。
多摩丘陵の境界がここを走っているわけです。
まずは高架に沿って歩きました。
町田街道に合流して、西へ進みました。
いつの間にか周囲が薄暗くなりかけていました。
歩道の幅が狭くなりました。
とはいえ、道行く人はそれほど多くないので
歩きにくいわけではありません。
町田街道を歩くこと15分あまり。
次の角を左折します。
境川を渡りました。
この小さい川が東京都と神奈川県の県境です。
これなら関所破りも簡単だ。
って、それは違う話か。
ここから先は相模原市。
突き当たりがゴールです。
あと少しでゴールの橋本駅です。
十年後にはリニアの駅ができる街のわりには
中心部はコンパクトです。
ゴール駅・橋本駅に到着しました。
今回は敢えて南口まで移動して、相模原線側の入口を撮ってみました。
ホームは1面2線の島式です。
考えてみれば、京王八王子も高尾山口も1面2線。
京王電鉄の終着駅って、どこも意外とコンパクトなんですよね。
相模原線はここからさらに西へ進み、
津久井湖畔の相模中野まで延伸する計画でした。
ところが多摩ニュータウンの開発が遅れたため、
相模原線の延伸も予定より大幅に遅れてしまいました。
1990年にようやく橋本まで延伸した頃には
相模中野への延伸は事実上不可能な情勢となっていました。
橋本駅の構造は相模中野への延伸を意識したものだったようですが、
行き止まりの先にマンションが建っていることが、
延伸計画が消えたことを物語っています。
今回も無事全駅間歩き達成です。
アップダウンの連続で足に負荷がかかりましたが、
気づけば橋本駅に着いていました。
階段の下りはちょっと痛みましたけどね。
大学生の頃から大きく変わっていたもの、
ほとんど変わってないもの、いろいろありました。
6年間電車で通い続けた路線ですが、新しい発見もありました。
どんなに通い詰めた所でも、歩くから見えるものもありますね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
(おわり)
2月8日(土) 歩行区間:調布-橋本 天気:晴れ 日出時刻/6:35 日没時刻/17:18
鉄道距離:22.6km 歩行距離:36.1km 総歩数:61,102歩 所要時間:10時間46分
西葛西(5:16発)=521S=東陽町(5:21着・5:28発)=535S=九段下(5:44着・5:46発)=503T=
=新宿(5:52着・6:00発)=4703=調布(6:22着・6:35発)-1.6km-京王多摩川(6:55着・7:05発)-
-3.3km-京王稲田堤(7:48着・8:00発)-2.4km-京王よみうりランド(8:45着・8:50発)-2.0km-
-稲城(9:16着・9:25発)-4.1km-若葉台(10:16着・10:30発)-4.0km-京王永山(11:19着・11:35発)-
-4.8km-京王多摩センター(13:22着・13:30発)-3.7km-京王堀之内(14:17着・14:30発)-3.6km-
-南大沢(15:21着・15:35発)-3.6km-多摩境(16:23着・16:35発)-2.9km-橋本(17:21着・17:44発)=
=2864=九段下(18:58着・19:06発)=1845S=西葛西(19:25着)
南大沢駅から橋本駅までのGPSログ(1/40,000)です。
多摩境駅の手前で相模原線はトンネルをくぐっていますが、
その上部には小山内裏公園があります。
この公園の南側には展望広場があり、
そこから見える相模原線もなかなか絵になるんですよ。
全区間のGPSログ(1/200,000)です。
行ってみたい場所がたくさんあったため、
いつもより寄り道が多くなり、ルートも複雑になりました。
全区間の標高データです。
南大沢までは多摩川の流域であり、
丘陵への行き来を重ねながら標高も上げています。
橋本は相模川の流域であり、
今回の最高所が多摩川と相模川との分水嶺にもなっています。