2003春 関西電車旅行記録⑧ | しもつけ自動車館

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昔はバス記事、最近は鉄道模型記事の二本立てです。

 過去のデータを整理していた所、今から17年ほど前に「乗り鉄」した時の記録が出てきましたので、何回かに分けてブログに投稿しようと思います。基本的に17年前の文章ですので、その点はご了承いただければと思います。一方、既に鬼籍に入った車両にも数多く乗車しており、その点では、懐かしさや、それを通り越した新鮮さがあるかなと思います。当時、電車の写真は撮影していなかったので、テキストのみの記事投稿になりますので、ちょっと退屈な記事かもです(^^

<2003年3月23日> 特急三昧
 今日は関西滞在の最終日。通勤電車には沢山乗車できたので、最後は、特急電車で締めくくりたい。

●乗車100
【区間】難波~名古屋 近鉄
【車両】近鉄サ12130 特急
 乙特に乗るべく時間調整してきたのだが、特急券売場がよく分からず、チケットを購入して車内に入るとすぐに発車となった。本当に発車間際まで特急券を発券してくれるのはありがたい。SUN SUN SUNフリー切符を所持しているため、名古屋までの移動は特急券のみでOKという、青春18使用の場合よりも更にリーズナブル&快適に早く移動できるのが嬉しい。
 さて、車両の方は12200系の4連。近鉄特急車の中ではACEと並んで多数派の車両だ。車内は綺麗にリニューアルされていたが、全体的な雰囲気としては、長年特急として君臨してきた貫禄が漂う。乗車車両がたまたまT車に当たったので、モータ音等は響いて来ないが、その分、静かな車内で、ゆったりとくつろぐことができる。
 いつの間にか外も暗くなり、景色もほとんど判らないままに、気づいたら、とっくに青山を越えて既に名古屋線内。大阪市内を抜ける時はほぼ埋まっていた乗客は殆ど下車し、車内はガラガラ。せっかくなので、隣のM車のデッキに移動して、走行音と乗り心地の体験をする事に。180kWの大出力モータに高速ギヤ比、WN駆動ということもあり、同じような駆動系を用いている0系新幹線にも通ずる加速音を出すのが面白い所。乗り心地の方は、シュリーレン独特の、ややフワっとした感じであり、不快な振動もなく、至って良好である。
 終始安定した走りで、終点の名古屋には定時到着。隣のホームには新アーバンライナー、21020系が停車していた。
 
●乗車101
【区間】新名古屋~新一宮 名鉄
【車両】名鉄モ1531 特急
 名古屋まで戻って来た、名鉄に乗れるフリー切符がある、となればやはり最後にも一度名鉄に乗りたくなるというもの。近鉄ホームから連絡改札口を潜れば、そこは名鉄の岐阜方面行きホーム。全くのフラットフロアで乗り換えが可能なのは、荷物を持っている身にとってはかなり有り難い。
 さて、現在の時刻は午後9時。今日の東京行臨時大垣夜行にて帰京予定なので、まだ暫く時間がある。せっかくなので、この時間を有効利用とばかりに、再度名鉄乗車モードへ突入。絶え間無くやって来る赤い電車を暫く眺めた後、新岐阜行特急に乗車。目の前に停車したのは1800系の増結編成だったが、その後ろに1230系がくっついていたので、そちらに移動。わざわざ移動したのは、1230系が7500系の機器流用車だから。つまり足回りには旧パノラマがまだ生きているというわけで、趣味的にはかなり面白い存在。哀愁たっぷりの起動加速音を地下ホームに響かせながら新岐阜を後にする。座席が埋まっていたので、運転席の脇に立ち、計器類を何気なく見ていると、主回路の状態が変わるにしたがって、運転席のパネルにある表示灯も一緒に変化し、かなり興味が湧いた。枇杷島分岐点を過ぎるあたりまでは、中速域で加減速を繰り返すので、この表示等がチカチカと頻繁に切り変わる。やがて線形が良くなると、ご自慢の120km/h走行を披露。モータも威勢の良い回転音を響かせていた。
 
●乗車102
【区間】新一宮~新岐阜 名鉄
【車両】名鉄モ19** 特急
 新一宮で下車し、ここで、隣接するJR線の尾張一宮駅のみどりの窓口へ。可能性は極めて低いが、本日分の上りムーンライトながらの指定券の空席状況を確認してもらう。すると、幸運にも1席だけ空席があるとのこと。これで、臨時便のために並ぶ必要もなくなった。したがって、さらに時間に余裕が生まれたため、名鉄で豊橋まで行くことにする。ちなみに、指定券は豊橋から東京まで発券してもらった。
 無事に指定券を入手した後で遅い夕食をとり、再び名鉄線へ。ちょうどやって来た特急に乗り込む。今度は、1800系+1200/1000系の編成だった。1800系自体は20日にもお世話になっているが、この編成、完全新造車の割にはやたらと高速域でのモータの回転音が大きい。内扇タイプのモータを使用している筈だが、この音の大きさは謎である。
 
●乗車103
【区間】新岐阜~豊橋 名鉄
【車両】名鉄モ1265/ク1015 特急
 わざわざ新岐阜まで来たのは、名鉄の本線系を特急で一気通貫で乗車して締めたいと思ったから。先程新一宮駅にで、ムーンライトながらの指定券を取るついでに、名鉄のμチケットなる特急の座席指定券(JRでいう特急券)も購入しておいた。
 新岐阜駅ホームでは、何と古豪5500系が伊奈行の急行として待機していた。これは是非とも乗車したい所であるが、、あいにく発車は、これから乗車予定の豊橋行の最終特急が出た後。したがって、時間的に乗車は不可能。せっかく見つけただけに、かなり悔しい。せめて走行体験はできずとも車内の雰囲気だけは味わうべく、特急の発車間際まで5500系の車内に居させてもらう。さすがに製造初年から45年を経ているだけあって、貫禄は十分。昔ながらの座り心地の良い転換クロスは現在でも十分に通用するものだ。

 やがて特急の発車時間になったので、特急に乗車。座席指定券は新岐阜から買ってあるのだが、指定された席が付随車であるため、途中の新岐阜までは一般席(料金不用の自由席)に乗車し、しばし高速走行音を楽しむ。既に午後10時を回っているので、この時間に名古屋へいく乗客は殆どいなく、ガラガラの室内で、転換クロスシートを独り占めしながらのクルージングは何とも贅沢なものである。これで特別料金不用というのだから、JRの新快速と並んで中京地区の鉄道のサービスレベルは高い。
 名古屋からは帰宅客等で一般席が混雑すると思われるので、名古屋到着直前に1000系の座席指定の特別車(指定席車)へと移動した。
 ちなみに、名鉄の座席指定車に乗るのは今回が初めて。座席指定券が350円と安価なこともあり、せいぜい一般席の着席補償料程度に考えていたのだが、実際には良い意味で大誤算。デッキ付なのは勿論、大型の側面窓にリクライニングシートであり、JRの特急車と何ら遜色のない居住性を兼ね備えているのには恐れ入った。
 すっかり、この車両にハマってしまったが、何故かタイヤフラットが出来ており、ゴトゴトゴト…と、本来発生しないはずの騒音が出ていたのは少し残念である。せっかくの120km/h走行時だと、この音がさらに顕著になるから、非常に惜しい。

 そういえば、この1000系、愛称がパノラマスーパーという位だし、元祖パノラマカーのDNAを受け継いでいるだけあって、最前部にはパノラマ席が設置されている。名古屋から遠ざかるにつれて、車内もガラガラになってきたので、検札に来た車掌氏の許可を得て、最前部のパノラマ席に移動。正面は勿論、左右のガラスもとても大きく、何だか金魚鉢の中にいるような、そんな錯覚に陥る。照明も特急車らしく落ち着いたものになっているし、室内光反射も考慮にいれた先頭部の形状設計のため、夜間であっても前面展望は良好そのもの。クルマのヘッドライトや家の灯などが綺麗に映える。元来のスピード感(というか実際にスピード出しているが)も加わって、夜間の前面展望も決して捨てたものではないな、というのを実感できた。
 加えて、運転席がちょうど真下にあるので、ブレーキ排気音や運転手の換呼がよく聞こえてくるので、正に運転士気分になれるのも◎である。これで先頭車が電動車であり、モータまで聞こえる1030系だったらもっと良かったのだが、そこまでの贅沢は言えないか。たった350円の追加で、リクライニングシートに身を傾けつつ、更に前面展望まで楽しめるという、至れり尽せりの名鉄特急の旅はあっと言う間に終わってしまった感じだ。終点豊橋には定時到着。
 
⑨へ続きます。