NO.2292 祝・「DENCHA」化一周年!香椎線の姿(前編、概要及び香椎駅での分割シーン編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 宇美~香椎~西戸崎間を結びますJR香椎線は、平成31年3月のダイヤ改正までは上の画像の直方車両センター(竹下車両派出)に所属しますキハ40系気動車(キハ40形・キハ47形)が運行されておりまして、基本的に2両編成によりますワンマン列車で運行されておりました。

 

 この路線の特徴と言いますと、約25キロの路線全てが非電化区間でもありまして、そう言った事から福岡都市圏最後の気動車が運行する区間として存在しておりました。この平成31年3月改正までの間には、香椎~西戸崎間が「海の中道線」と言う別称でも言われるようになっておりまして、その背景には「海の中道海浜公園」と言った観光施設の整備もありました。

 

 使用車両に関しましても、かつては客車列車やキハ58系・キハ55系各気動車も運行されておりましたし、通勤用のキハ30系気動車も国鉄時代には運行されておりましたし、JR化後にはキハ31形気動車やキハ200系気動車もこの路線に投入されておりましたが、その後はやはり国鉄時代からも運行されておりましたキハ40系気動車も運行されるに至っておりました。

 

 そんなキハ47形気動車には、画像の「AQUA LINER」と称します車体の車両も存在しておりまして、車両のフロント部分が真っ青となった車両でありました。これは、かつて運行されておりましたキハ58系気動車「AQUA EXPRESS(アクアエクスプレス)」の後継車とも呼ばれておりましたが、車内はリニューアルされずに運行されていたのが特徴でもありました(逆に座席を減らした車両もありました)。

 

 (側面デザイン)

 

 (フロントの真っ青部分)

 

 この香椎線専用車には、LED行先表示器も設けられておりまして、行先表示器が目立たない所にあった事から、後に「行先」と書かれたステッカーも貼りつけられていたのが特徴でもありました。と言いますのも、車体の各右側にしか行先表示器が設けられておりませんでしたので、2両編成でも1箇所しか設けられていなかった分、目立たなかったのもわからなくもなかった所でもありました。

 

 

 そして、31年3月のダイヤ改正によりまして、キハ40系気動車によります香椎線の運行は終了しまして、キハ40系気動車の姿を消すに至っております。香椎線に使用されておりました車両は、高馬力改造されました車両は各地へ転属しましたが、高馬力改造されていない車両は廃車へと至っておりまして、既に解体された車両も見られております。

 

 

 それに代わりましてこのダイヤ改正から運行されるようになりましたのが、画像の「DENCHA」こと819系蓄電池電車(BEC819系電車とも言いますが、当ブログではこれまでも819系蓄電池電車としてご紹介しております)でありまして、途中の香椎駅で停車中に充電をする事で、西戸崎駅・宇美駅の互いが各10キロ台しか距離がありませんので、非電化区間でありましても充電する事で走行が可能となっております。今回は香椎線の運行開始から1年を迎えました「DENCHA」こと819系蓄電池電車の姿を3月に香椎駅で収めておりましたので、皆様にご紹介してまいります。

 

 

 「DENCHA」こと819系蓄電池電車と言いますと、平成28年秋より筑豊線の通称「若松線」及び、篠栗線を含みます「福北ゆたか線」でも運行されておりますが(「福北ゆたか線」は平成29年春より)、先述のように平成31年3月の改正より香椎線でも運行開始に至っております。画像は「DENCHA」のロゴでありますが、このロゴが香椎線でも見られるようになっております。

 

 (「若松線」&「福北ゆたか線」の819系蓄電池電車)

 

 

 819系蓄電池電車は、直方車両センター所属車が0番台なのに対しまして、直方車両センター竹下車両派出が300番台となっておりまして、「若松線」&「福北ゆたか線」用の車両と差別化が図られております。それでも、直方運用の車両が竹下車両派出に貸し出されると言った姿も見られておりまして、同じ819系蓄電池電車としての姿も見られております。

 

 

 さて、ここからは香椎駅で収めました姿をご紹介してまいります。まずは香椎駅の駅板でありますが、この駅板は4・5番ホームと香椎線専用のホームでもありますので、次駅にはそれぞれ香椎線の駅しか記されていない事がおわかりいただけます。

 

 こちらは香椎線ホームへ行く通路で見られました案内でありますが、ここには「西戸崎行き」と記されております。ここには呼び名が書かれた紙が貼られておりましたが、「にしとざき」ではなく「さいとざき」と呼ぶ事が2枚も記載されているのがお分かりいただけます。

 

 

 さて、ここからはの819系蓄電池電車の詳細をこれまでも収めております画像も使いましてご紹介してまいります。この列車の撮影時間帯はラッシュの時間帯を終えようとしている時間帯でもありましたが、この列車はちょうどこの香椎駅で4両から2両切り離しまして、香椎→西戸崎間は2両で運行される事になっておりました。

 

 香椎駅に到着しますと、数分ほど停車しますので、画像のようにパンタグラフを上げる事になります。

 

 (パンタグラフを上げます)

 

 パンタグラフが上がりますと、充電を行っておりますので、充電中は画像のように架線から電気を取り込んで充電を行っている事を記す表示がなされております。この香椎駅も途中駅では唯一架線がある駅でもありますので、停車時に行う姿は非電化区間へ向かう事を思えば必需な事には間違いないのではないでしょうか。

 

 

 画像が、クハBEC819形にあります蓄電池の姿でありますが、青い部分がその蓄電池スペースであります。この蓄電池があるからこそ、非電化区間の香椎線を走行できる訳ですから、この存在も大きいと言えるのかもしれません。ちなみに走行時の姿がその下の画像のモニターですが、その時にはこれら蓄電池が役に立つ事にもなります。

 

 (走行時のモニター)

 

 

 この819系蓄電池電車では300番台でありますこの車より見られるようになった所もあります。それが画像のカメラでありまして、乗り降りシーンを運転席の所にありますモニターで見る事ができております。これまでは、駅ホームの所にありますミラーが頼りとなっておりましたが、このカメラが設けられた事でミラーが頼りとなる時もなくなるのではないかと思います。

 

 (アップ)

 

 819系蓄電池電車の車内です。シートは、画像のようにロングシートとなっておりまして、この電車の床やシート柄は、デザインされました水戸岡鋭治氏のデザインでありますが、見ましてもユニークな姿が見られます。

 

 (シート部分)

 

 

 こちらの画像は扉部分であります。こちらには305系電車より採用されておりましたドア際の「KURO」こと「あそ くろえもん」の姿も見られるようになっております。現在この福岡都市圏で日常的に「KURO」の姿が見られるのが305系電車とこの819系蓄電池電車でありますので、「KURO」の定期列車が見られます「あそぼーい!」の別府・大分~阿蘇間で見る機会がない方にとりましてはこのかわいい姿が見られるいいチャンスではないかと思います。 

 

 このドア際の所には、半自動のドアスイッチも設けられております。このスイッチも、305系電車より採用されていたものでありましたが、さかのぼりますとこの香椎線でも使用されておりましたキハ31形気動車にもこのスイッチは採用されておりましたので、もしもキハ31形気動車で採用されていたならば九州初でもあったでしょうし、初採用線区であったのではなかったかとも思います。尚、現在この半自動スイッチは「新型コロナウイルス」によりまして使用が禁止されておりまして、ドアは乗務員が開ける形となっております。

 

 

 こちらの画像は行先表示器であります。香椎線内では、「西戸崎」・「宇 美」・「香 椎」・「雁ノ巣」の4つの行先が使用されておりまして、他の電化区間と同様の行先が見られるようになっております。ちなみに次回ご紹介しますが、3月の改正では新たに「博 多」の行先も使用されておりまして、久しぶりに香椎線~鹿児島線乗り入れが復活しております。

 

 (ワンマン、宇美行き)

 

 (ワンマン、西戸崎行き)

 

 

 さて、戻りますと西戸崎行き列車が切り離し作業を行っておりまして、まずは自動幌が外されました。この後は解結へと進みますが、この間は数分ほどとてきぱきとした動きが見られておりました。

 

 (自動幌が外されました)

 

 自動幌が外されますと、後部のユニットがバックしまして解結が完了します。この瞬間、編成は4両編成から2両編成に変わりまして、身軽な状態で西戸崎駅への発車を待つ事にもなります。

 

 (わかりませんが解結後の姿です)

 

 

 この電車の案内表示器は、ちょうどこの状態であったようであります。この案内表示器でありますが、画像のように表示を出すようになっております。ここでは日本語以外にも英語や韓国語・中国語も見られますので、外国人観光客にはありがたい所でもあります。

 

 

 こうして、西戸崎行きは2両編成で発車しました。この姿からも4両編成から2両編成に変わった事で、身軽になったんだなと言う事を伺わせておりましたし、普段の香椎線としての姿にも戻った事もわかる姿でもあったように思う所ではあります。

 

 

 今回は、香椎線「DENCHA」化一周年として、前編としまして819系蓄電池電車の概要や分割シーンをご紹介しましたが、改めまして本当に様変わりしたんだなと言う事が実感されます。やはり、走行区間は架線下ではない訳ではありますが、充電して走ると言うのは区間距離が短いからこそできる事ではないかとも思う所でしょうか。そんなこの香椎線では、2月から3月にかけまして、自動運転の試験も行われていたなど、合理化によります自動運転の動きが将来的にこの路線などで見られる時が来る事になるようであります。次回後編では3月の改正で廃止となりました鹿児島線での日中回送シーンに関しましてご紹介しますので、次回もご覧いただきたいと思います。