大阪阿倍野橋を発車して行く、初代「ラビットカー」6800系の初期車。
通過中の踏切は、1987(昭和62)年まであった、庚申街道の踏切です。
1957(昭和32)年に登場した6800系は、日本初の高加減速車で
南大阪線初の高性能車であり、後年まで脈々と受け継がれる
近鉄通勤型車両の基本デザインを確立した車両でもありました。
初期車の外観で、一番の特徴と言えるのが中央に寄ったヘッドライトで
当初は大型1灯で計画していたのを、途中からシールドビームに変更したものの
まだ、鉄道車両用のシールドビームが製造されておらず
大型トラック用の物を改造して取り付けた為に、この位置になったのだそう。
また、車内では車掌台側が金属パイプで仕切っただけの
オープンな構造となっていたりと、過渡期の車両らしい所が各所に見られました。