NO.2291 この日を境に廃止・移管された路線あります、昭和バス佐賀地区再編区間最終日リポート | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 これまでも当ブログでもご紹介しておりますように、昭和自動車(昭和バス)の佐賀地区再編路線に関します話題でありますが、前回番外では佐賀~北部バイパス~小城間で運行されておりました「北部バイパス線」の最後の乗車の模様をご紹介しました。

 

 「北部バイパス線」は、佐賀県庁前・県立病院好生館などを経由します「佐賀幹線」、大和町の尼寺・中極などを経由します「中極線」としますと最も最速で佐賀~小城間を行く事ができる系統でありまして、その名の通り、国道34号線「北部バイパス」を経由する系統でありまして、バイパス上には5箇所のバス停も設けられておりました。

 

 しかし、利用者はピーク時から大きく減少に転じておりまして、その結果小城発朝、佐賀発夕の1往復しか運行されておらず、それだけ利用者が減っている事が伺わせておりました。

 

 私自身も、学生以来20数年ぶりに乗車しておりました(上の画像1・2、佐賀200か・184、日野KK-RJ1JJHK)。学生時代には多くの乗客の姿を見せていたこの路線も、3月30日乗車時には私を入れてもわずか2名と言う事で、本当に寂しくなっていたんだなと言う事を実感しておりました。残念ながら、これからご紹介しますように翌31日をもちまして廃止となりましたが、自走でもよく利用する北部バイパスを路線バスが1往復のみの運行になっていたと言うのも残念な姿かなと思ってならない所ではあります。

 

 

 さて、今回ご紹介しますのは、翌3月31日に撮影を行っておりました、再編区間最終日の各バス停における運行終了前後の模様を収めてきておりましたので、皆様にご紹介してまいります。

 

 (3月30日撮影、北山中原行最終便、佐賀200か・945、いすゞSKG-LR290J2)

 

 

 私はこの日仕事でしたので、仕事が終わりましてから再編区間にやってきておりました。したがって、夜と言う事もありまして運行を終了した路線もありまして、そう言った事から変化が見られ始めていた時でもありました。

 

 

 まずご紹介しますのは、北山中原バス停であります。このバス停と言いますと、画像のように車庫も併設しておりまして、普段夜間はその下の画像のように最高3台駐車しておりましたが、残念ながら訪問時にはその車庫内にもうバスの姿はなく、普段駐車する車は後述の佐賀営業所へと回送されておりましたので、車庫内は閑散としておりました。

 

 (3月別の日撮影)~この時は2台でしたが、普段は3台駐車します

 

 このバス停では、既に動きも見られておりまして、これまでの「昭和バス」から、「富士町コミュニテイバス」にその姿を変えておりました。この富士町コミュニテイバスは、これまでも富士町単位で運行されておりましたが、今回昭和バスの区間が廃止される事で拡大に至っておりまして、佐賀市のタクシー会社であります佐賀タクシー・中央タクシーや、大和町の観光バス会社でありますロイヤル観光も運行にかかわる事になりました。

 

 (古湯方面バス停)

 

 (麻那古方面バス停)

 

 富士町コミュニテイバスの時刻表(古湯方面行き)です。平日は古湯方面10本、土曜日は7本が設定されております。尚、日曜祝日は運休となっておりますし、平日朝を除きまして要予約のデマンドタクシーによる運行へと至っております。

 

 一方、こちらは麻那古方面の時刻ですが、こちらは平日・土曜5便による運行となっております。また、運行区間にはこれまで路線バスが運行されておりました山端方面の区間などへ運行区間が拡大されておりまして、拡大区間に使用されます車両がバンに変わった事やそれに伴い寄り道ルートも設定された事で、狭い区間も含めましてよりくまなく運行する事が可能になっております。

 

 

 さて、私がやってまいりましてしばらくしまして、昭和バスの社員の方がバス停にやってまいりまして、バス停にあります時刻表を撮っていく姿が見られておりました。私も声を掛けましたが、社員の方も「バス停全ての時刻表を取って行かないといけませんからね、夜遅くまでかかりそうです」とおっしゃっておりまして、そう言った事から昭和バスとしての運行が終了する事を実感させておりました。

 

 

 そして、北山中原バス停への最終便(佐賀200か10-18、いすゞ2KG-LR290J3)がやってまいりました。最終日の乗客は終点まで乗車されます方は誰もおらず、寂しい姿が伺わせておりました。

 

 車は、本来は先述のようにこの車庫内に駐車する事にもなる訳ですが、既にやって来ておりました他の2台と同様、佐賀営業所へ向けて回送されます。そのため、中型車両と言う事もありましてバックする時も奥までバックする事はなく、少しバックする事でその下の画像のように向きを変えるだけでありました。

 

 この後、車は佐賀営業所へ向けて回送されますので、「すみません回送中です」の表示に変わりましたが、車内点検を行う事と車内の荷物を朝ここまでやって来ておりました運転士さんの車に積め変えるためしばらく停車します。その間には地元の方や「同業者」の方など数名ほどが撮影のため見られておりまして、まさに最後の昭和バスを見送ろうとする姿が見られておりました。

 

 

 すると、運転士の方から「行先出していいですよ」とおっしゃっておりまして、バス停近くにお住まいと言う地元の女性の方が「また北山行き出していいですか?」とおっしゃっておりましたので、以下画像のように「古湯・北山」の行先を出しておりました。この路線も、古湯温泉に外国人観光客もこれまで見られていた事もありましてアルファベットの表示も出しておりまして、そう言った事からこういった行先に数年前に変わっておりました。

 

 (アップ)

 

 (側面)

 

 

 さらに、「あなたもいいですよ」とおっしゃっておりましたので、私はやはりもう出す事がありません麻那古行きの行先を出していただきました。こちらもアルファベットの行先表示となっておりまして、上無津呂・麻那古の行先は小さくしか表示されておりませんでしたが、それももう過去の姿となってしまう事に関しましては正直残念かな?と思ってなりませんでした(ちなみに昭和バスは途中で表示が変わる事はありませんので最後までこのままの表示です)。

 

 (アップ)

 

 (側面)~上無津呂の表示が出ております

 

 尚、「麻那古」の行先でも、後方は「古湯・北山」の行先でした。正直、後方も「麻那古」の行先もあってくれれば良かったように思いますが、それだけ強調していたのが伺わせる所ではなかったかと思う所ではありました。

 

 

 こうして、再び「すみません回送中です」の行先に戻りまして、佐賀営業所へ向けて回送していきました。中には手を振る方も見られておりました。ちなみに、この地区にありますスーパーには「ありがとう昭和バス」と書かれた地元の子供達が作った横断幕もあったそうでありまして、それほど地元の方と昭和バスとがいい関係であった事も伺わせておりました。

 

 

 北山中原バス停で収めました後は、今回の再編に関係する場所を回って行きました。まずは上合瀬バス停でありますが、ここも画像のように「富士町コミュニティバス」の表示に変わっておりました。この区間ではこの4月からは松原タクシーによりまして古湯温泉・北山中原発着で平日計6往復運行されておりまして、さらに先の上の平と言う所まで延長させましてこちらも予約制として運行されております。

 

 (昭和バス時)~3月撮影

 

 

 さらに、上合瀬バス停より車で数分ほどの所には、画像の三瀬宿バス停がありました。しかし、ご紹介しておりますように三瀬車庫前~三瀬宿間が廃止されましたので、廃止を意味する事からバス停には黒い袋がかぶせられておりました。

 

 (3月廃止前撮影)

 

 かつては、このバス停より先の福岡方面への路線バスも運行されておりましたので、このバス停が末端ではありませんでしたが、福岡方面の路線が廃止されましてからは末端としての姿が見られておりました。しかし、そんなこのバス停も残念ながら移管される事もなく完全廃止へと至ってしまいました。そのため、画像のように「令和2年3月31日をもちまして廃止となりました」と言う表示が見られておりまして、そう言った表示が廃止となった事を実感させておりました。

 

 

 さらに進みまして、私は三瀬車庫前バス停にやってまいりました。この三瀬車庫前バス停も、今回廃止される事になりましたバス停の一つでありまして、それによりましてこの付近の乗下車場所も後述の場所に移動する事になりました。このバス停では、廃止に関しました事は記載されておりませんでしたが、時刻表がない所を見ますとこのバス停での乗下車は行わない事も伺わせておりました。

 

 (3月廃止前撮影)

 

 三瀬車庫前バス停と言う事で、そばにありますのが三瀬車庫でありますが、私がやってきました際には、既に夜間駐車していた3台は全て佐賀営業所に回送しておりまして、バスの姿はありませんでした。先述の北山中原バス停でもそうでしたが、普段バスが夜間駐車する所にバスがいなくなると言うのも正直残念な姿かなと思ってならない所ではあります。

 

 (3月別の日撮影)~撮影時は2台でしたが、夜は3台駐車します

 

 

 三瀬車庫前バス停は廃止されましたが、その代わり停車するようになりましたのが画像の三瀬支所前バス停であります。既に、先に昭和バスとして廃止になっておりました井手野方面などの路線や大和町(富士大和温泉病院)方面への路線がこの三瀬支所前バス停発着で運行されておりましたが、今回の昭和バスからの移管に伴いまして、全ての路線が三瀬支所前バス停発着に改まっております。

 

 この運行では、既に大和方面などへ運行されておりました富士町の松原タクシーに加えまして、神埼方面はジョイックス交通と呼ばれます神埼市のタクシー会社によります運行に改まっておりまして、平日・土曜日とともに日曜・祝日も運行される事で、昭和バスから移管されました路線の中では唯一毎日運行の路線が存在するに至っております。

 

  (神埼方面時刻)

 

 (三瀬地区コミュニティバス時刻)

 

 

 三瀬車庫を発ちまして、佐賀営業所へやってまいりました。佐賀営業所では、ご紹介しました富士町の北山中原(3台)、三瀬村の三瀬車庫(3台)、さらに神埼市の広滝(2台)、そして武雄市(1台)に普段夜間駐車している車計9台も集結しまして、いつもより賑やかな夜間駐車の姿が見られておりました。しかし、これは廃止・移管された事に伴うものでありますので、そう思うと複雑な印象さえも感じさせられる所でもあります。

 

 【掲載画像は全て敷地外より撮影】

 

 これら集結されました車の中には、転属・運用離脱が予定されている車も存在します。このうち運用離脱車に関しましては、恐らくはU-規制車までは離脱→廃車になるでしょうし、転属する事になる車両も、唐津営業所や伊都営業所にもU-規制車が存在しておりますので、そう言った古参車両を置き換える事になるのではないかとも思われるようであります。

 

 (画像の三菱エアロミディも転属予定?)

 

 

 そして、最後に前回ご紹介しました、冒頭でも述べました北部バイパス線の部分を再び自走しまして家路につきましたが、このように袋にかぶせられましたバス停のを見ましても時が止まったような印象さえも感じさせられます。それでも、乗車する方もさほどいらっしゃらなかった事を思いますと正直残念かなとも思う姿でもありました。

 

 

 今回、昭和バスとして最終日の姿を皆様にご紹介しましたが、本当に移管されました路線あれば廃止となりました路線もある訳ですので、それぞれ明暗な所が見られました事は各路線の需要を考えますと仕方がない所ではないかとも思う所でもあります。コミュニティバスに移管されました路線も、利用者はさほど多くはない所は仕方がありませんが、それでもくまなく運行される所も存在している事を思えばわからなくもない所でもあるようです。とにかく、完全廃止された所は残念ではありますが、引き続き継続する路線は、今以上の利用者を今後望みたい所でもあります。