4月8日は先日お送りした「583系」ラストランと相鉄いずみ野線開業、姫路から新見を結ぶ「姫新線」の全線開通した日です。
今回も今日に纏わる鉄道出来事について触れさせていただきます。

【583系】
2017年4月8日に、国鉄時代から長きに渡り親しまれた「寝台電車583系」のラストランが、秋田駅~弘前駅間で行われました。
1967年から「月光」「みどり」として、山陽本線と九州で、交直流両用60Hz対応の581系が登場、1968年10月の東北本線全線電化に伴い、交直流両用50Hz/60Hz両対応の583系が登場しました。
583系は世界初となる寝台電車で、昼間は4人掛けボックスシートとして使用、夜は座席の背もたれを組み換えたり、天井に収納されたベッド(上写真網棚上の扉内)を出し3段式寝台車に変身させる、これまでの常識を塗り替えた国鉄史上画期的な車両なんですよ。
昼間は座席
夜は寝台に早変わり、昼間に寝台へ変える乗客がいたらしくロック機能が追加された
3段ベッドの状態(写真の人物は17歳当時の私)
3段ベッドの上段は頭をぶつけるぐらい本当に狭かった(しかもモーター車だったのでうるさかった)
東北方面の特急「はつかり」「ひばり」「ゆうづる」「はくつる」、北陸方面の特急「雷鳥」「しらさぎ」、山陽では特急「つばめ」「はと」「金星」「なは」「きりしま」など、北海道・四国を除く全国各地を駆け抜けました。
(写真はスキー列車「シュプール蔵王号」)
東北本線での運用は、厳寒地域を最高120km/hで運転、1日あたり1,500km近い距離を走る過酷な条件下にあり、車両へのダメージが大きかったそうです。
藍色の帯を纏った583系は夜空がよく似合う
山陽新幹線・東北新幹線の開業や寝台列車の需要の低下に伴い、活躍の場が狭められた583系は、国鉄末期には北陸地区の419系(上写真)、東北地区・九州地区の715系近郊型電車に改造されました。
東北地区の715系
九州地区の715系
2012年3月ダイヤ改正をもって、最後の定期運用だった急行「きたぐに」が多客臨となったことで、JR西日本所属車両は引退しました。
最後まで生き残ったJR東日本 秋田車両センター所属の6両編成1本(N1+N2編成)は、青森駅から舞浜駅を結ぶTDR臨「わくわくドリーム号」や青森駅から奈良県の天理駅を結ぶ「天理臨」などの団体臨時列車で活躍を続け、関西や東海の鉄道ファンにも馴染み深い存在でした。
お堅い雰囲気の583系とポップなトレインマークの組み合わせは見事にマッチしていた
2000年3月頃から、年に数回運行されていた東京ディズニーリゾートへのアクセス列車「わくわくドリーム号」は、2016年12月11日青森駅到着の便で運行終了
2017年1月27日から28日の運行が最後となった「天理臨」、晩年まで激しい老朽化にも耐えながらロングラン運用をこなしていた
ラストランは秋田駅~弘前駅を2往復するラストランツアー列車として運行された
N1+N2編成は約49年間で約750万キロ走行、地球を187.5周した計算になります
(地球1周が約4万キロ)
一般的な寿命が15年前後と言われる東海道山陽新幹線の車両が、廃車になるのは約600万kmを走行し終えた距離に相当(「新幹線に乗るのがおもしろくなる本」レイルウェイ研究会刊から)する事から、583系が駆け抜けた距離と活躍した年数はかなりのものと言えます。
引退後は中間車両2両が「台北機廠」に譲渡され、台湾の鉄道博物館の展示資料として余生を送る予定で、残りの中間車2両は解体されました。今も秋田総合車両センターで保存目的?(噂程度でしか知りませんが)で留置されている残りの両先頭車の今後の動向が注目されています。
九州鉄道資料館や京都鉄道博物館で583系が保存展示されています(写真は前述の715系から583系仕様に改造された九州の保存車)

【相模鉄道いずみ野線】
1976年4月8日に、相鉄いずみ野線 二俣川駅~いずみ野駅間が開業しました。
いずみ野線は、神奈川県横浜市旭区の二俣川駅と神奈川県藤沢市の湘南台駅を結ぶ8駅11.3Kmの路線です。
2019年11月30日の相鉄・JR直通線開業によって、代走でJR埼京線E233系が湘南台に入線することも
開業当初から使用していた7000系は2019年10月に引退
1999年3月10日に、いずみ中央駅~湘南台駅間が開業、JR相模線 倉見駅に東海道新幹線の新駅(相模新駅)を建設する計画があり、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスを通るルートで、湘南台~慶應SFC~倉見へ延伸させる構想が浮上しています。(藤沢市ホームページから抜粋)
慶応SFCに駅が出来れば、湘南台駅~慶応大学で運行されている連接バスの混雑も緩和されるでしょう

【姫新線】
1936年4月8日に、佐用駅~美作江見駅間 が延伸開業した事で姫新線が全線開通しました。
JR姫新線(きしんせん)は、兵庫県姫路市の姫路駅から岡山県新見市の新見駅までの36駅158.1 kmの路線で、JR西日本が運行しています。
古き良き国鉄時代の佇まいの新見駅
姫路駅から新見駅まで、のどかな田園風景や里山が織りなす日本の原風景が広がる姫新線は、津山から旧出雲街道に沿って中国山地の山懐を行くローカル線です。
旧出雲街道(写真は津山市の城東町並み保存地区)
姫路駅~上月駅間の高速化事業のためキハ40・47形に代わって投入された新型車両キハ122・127系は、姫新線の路線カラーリングである「赤とんぼ」をイメージした朱色の帯が施されています。
佐用駅~新見駅間は、エンジンの大出力化やトイレの増設などの改修を行った、岡山支社のキハ120形が運用に充当されている。
津山駅~新見駅間の一部列車にキハ40・キハ47が充当されています。

今日はこんな出来事がありました。
私にとって思い入れがある583系について、語り切れなかったのが正直な気持ちですが、ブログ的にはちょうど良い程度でご紹介できたかなと思います。
ラストランまでの1年は、583系N1+N2編成が関東入りすると、撮影するため毎回と言っていいぐらい出撃した思い出があります。
時代の流れは仕方ありませんが、国鉄時代からの名車が年々消えてゆくのは悲しいですね。
今回も最後までご覧下さり、ありがとうございました。

鉄道コム