『リゾートしらかみ』は1997年3月に秋田新幹線開業と同時に青森~秋田間で運行を開始しました。
ローカル線で廃線候補となっていた五能線を人気観光路線へと変貌させるきっかけとなったリゾート列車の先駆け的存在です。
沿線観光地をテーマにした専用車両が3編成あり、世界遺産である白神山地にある十二湖のうちの1つ「青池」をテーマにしており、この車両は2代目青池編成となります。
ちなみに初代はクルージングトレインとして東北地方を中心に臨時運行を行なっています。
車両はHB-E300系、リゾートあすなろと同様のハイブリッド車両となりますが、しらかみ用は4両編成となります。
(内容を大幅に追加したので再アップしました)
- 外観
ステンレス車体に青色と水色という寒色系のため、冬に見たせいもあってクールな印象を受けました。
車体には随所にハイブリッドをアピールするロゴが入っています。
展望スペースが設定されているため前面の窓は非常に大きく、各々の窓もかなり大きく取られています。
- 座席
車内は普通の座席車とボックスシートの2種類があります。
普通席は2+2配列で、シートピッチは1,200mmとなっています。
背面テーブルを展開させてもまだまだ遠いくらい広いです。
向かい合わせ使用時を考慮しているいため、肘掛け内蔵のテーブルもあります。
座った感じの第一印象は腰のあたりが硬い印象を受けましたが、一番最初に乗ったのは運行開始後1週間という出来たてほやほやの時だったので、数年が経って、良い意味で硬さはかなり取れたような気がします。
JR東日本の快速では不織布のヘッドカバーを使用していることが多いですが、そこはビニールの張りになっています。
片道5時間のため、乗客の入れ替わりも結構発生するので比較的清潔に保てる効果がありそうです。
残念ながらコンセントは設置されていません。
車端部に業務用コンセントが何箇所か見受けられましたが、常識の範囲内での使用が求められます。
海側のおすすめ座席は上下線ともA席、予約もそこから埋まっていきます。
- ボックスシート
2号車には『ボックスシート』があります。
4人グループで乗るならば断然オススメです。
ただし、ボックスごとの販売ではないので人数によっては相席になる可能性もあります。
固定式のテーブル、着脱式の肘掛けがあり、室内灯はオン・オフが可能ですが、常時付いてる車内全体の照明は最初から明るいです。
このシートは座面を前に動かすとフラットになる機構があり、靴を脱いで足を伸ばすことが出来ます。
一人でセッティングするのは少々大変だったので、手順通り複数人で行うと楽です。
- フリースペース
両先頭車とも運転席後ろはフリースペースになっており、景色や運転を眺めていると自然と時間が過ぎていくように感じました。
橅編成は座れる所が減ってしまったので、青池編成の方が座れるところが多くてオススメです。
2020年に乗車した際、コンセントが増設されているのに気付きました。
スマホの充電はもちろん、クリスマスツリーのような電飾を施すことも出来そうです。
乗車記念スタンプもここに設置されています。
- イベント
五能線内では津軽三味線の生演奏がモニターで生放送され、中々聞くことが出来ない郷土芸能を車内全体が聞き入っていました。
津軽弁による昔話の朗読も生放送され、長い道中を飽きさせない工夫が凝らされていました。
なお、朗読中とはいえ到着の案内放送が優先なので、途中で話をやめたり車掌が放送も手短にするなど配慮していました。
車窓もいくつか紹介。
- 岩木山
津軽富士とも呼ばれ青森県で最も高い山である岩木山。
あいにく雲が掛かっていましたが、りんごの木と似合います。
- 川部駅
五能線の起点・川部駅。
秋田行のリゾートしらかみ2号はこの駅を1度通過してから弘前に停車し、2度目は停車してから方向転換を行います。
ちなみに隣の奥羽線『撫牛子(ないじょうし)駅』は難読駅名として有名です。
- 千畳敷駅
ごつごつとした岩棚が広がり、太宰治の小説『津軽』にも登場する千畳敷海岸の目の前にある千畳敷駅、リゾートしらかみ2号は14分ほど観光停車を行うため、日本海の荒波を間近に見ることが出来ます。
発車3分前になると汽笛を鳴らし、車掌も乗り遅れが無いか確認していました。
- 荒々しい日本海
船からの景色と言ってもおかしくないくらい海の近くを走る五能線。
強風ですぐに運休してしまうのも仕方がありませんが、その景色は絶景です。
景色が良いところでは減速するので慌てずに写真を撮ることができます。
- 深浦駅
秋田行と青森行のリゾートしらかみが行き違いを行うため、一瞬だけ顔を合わせます。
運用はローテーションなので、その時によって色々な組み合わせを見れるのでちょっとしたお楽しみです。
- ハイブリッド気動車
普通の気動車に比べると駅でのアイドリング音(ガラガラ音)がしないので驚きます。
バッテリー残量が少なくなるとエンジンが始動しますが、それでも静かな部類だと感じました。
発進時はモーターのみで電車と同じですが、速度が上がってくるとエンジンで発電し、モーターで走行するので普通のディーゼル車と同じく音がするのですが、「キーン」といったターボが効いてる音があんまりしないので静粛性は高いです。
- 最後に
五能線は見どころ満載かつハイブリッドという新機軸も味わえて、追加料金がプラス530円、沿線には温泉や自然豊かな景色など観光スポットがたくさんあるのでオススメです。
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