もう移動の抑制を、鉄道業界への介入をしなければいけないのでなないか | 鉄道きさらんど

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いつも列車・バスなど公共交通の事ばっか考えてます。

コロナウイルスについて専門家ではないし難しい医学的な話には立ち入らないが…。イベントなどは「不要不急」だと自粛一辺倒でも毎日通勤電車で混んでる駅や車内で不特定多数の人と肩ひじ触れあう距離で揉まれて仕事場に行く人ばかりなのはいかにも日本社会という感じだ。満員電車は意外と感染の心配はないなどという言説も流通しているが、やはり世界的に見て奇異に映るだろう。

 

それでももともとIT技術が進歩しているのでネットを利用したテレワークやテレビ会議はあって、今回のコロナショックを機に普及している。しかしIT技術で代替できず従来のままの仕事ものこるのは仕方ない。しかし、生産労働や最低限のライフライン維持でないホワイトカラーの商談や契約などはどうだろうか。ネットで代替しようと思えばできるが、先方がどうしても直接会いたいと言っているから担当が出向く…とか実際にハンコを突いてもらいに行かないといけない…とかを高齢者ばかりの職場でITがわからないから従来のやりかたにしがみつく…というものももうITによりオンライン化するしかないと思う。コロナ対策が1か月とかその程度の期間で終わるなら変えるまでもないだろうけれど、どうやら対応が1年単位とかそれ以上とか凄く長期化しそうだしもう腹をくくるしかないのでは。

警察消防自衛隊や病院、生活必需品の輸送や生産販売はどんな時でも維持しなければいけない。しかしそうでないものはIT技術・遠隔技術で代替してもおかいくないし、こういう時は代替できるものは代替が望ましいのだから。今のような非常時でまで「直接会うことがビジネスに重要」だなんてこだわってられないだろう。

 

今非常事態宣言を首相が出すかどうかがマスコミや国民の関心ごとだ。これが発令されても鉄道事業者に強制力はなく、(せいぜい「要請」「お願い」どまりか)電車の運行に影響がないらしいが、もしそうなったら経済活動がどうこうとか言ってられないからイベント参加や観光などいかにも「不要不急」な移動を自粛させるだけではなく前述したビジネスでの移動もいい加減制約をかけないといけないだろうし、国や都道府県が鉄道運行にも介入するしかないだろうと思う。もちろんホワイトカラーのビジネスや商談にも非常時にでも必要な取引、直接会って書面を交わすことが必要という人や会社もあるだろうがそれさえも極力最小限にしなければいけないという公共的なメッセージを官が打ち出すためにも強制とは言えなくても減便・間引き運転を強く願い「要請」すべきだろう。日本の鉄道は民営がデフォルトだがそれとて国の許認可や規制や税制優遇で成り立っているのだし公が介入できる余地があるのは当然。もちろん、感染対策にひとの密集を減らさなければいけないので減らしすぎても混雑が起きるのでいけないが、平常時のように都内の通勤路線などで3分間隔で電車を走らせなければいけない理由もないのだし。(教育の世界では移動しないための対応はビジネスの世界よりもっと早く小中高の休校や部活の禁止もまだまだ続くし、大学も入学式中止、対面でのオリエンテーションなども中止し大学によっては秋まで教室での講義でなくオンライン授業やテキスト授業にすると決めたところもある。そういう意味でも電車を間引く余地が大きい。)

 

新幹線や特急なども減らさなければいけないだろう。これも、今利用している人はイベントや観光などの移動もなくなりTV会議などがあるご時世にも直接会うことが重要な案件の商談・契約などの出張で必要に迫られてだろうが、それもネットでの遠隔取引などに代える余地はもっとあるのでは。現役世代バリバリのビジネスパーソンたる出張者自身がウイルスを拾っても重症化まではしないにせよ、広域的に都市間移動をしてウイルスの運び屋になり、家族(子供や老人もいる)や地域、職場の人に写したらと思うと…。これまた減便し過ぎれば混雑緩和にはよくないが、例えば東海道新幹線の片道最大15本のダイヤとか平常時じゃない今に維持する必要があるのか。イベント列車以外の定期運行の電車をおいそれとまだ減らせないのは車両や乗務員の運用の都合もあろうがこういう時まで杓子定規になる必要はないと思う。必要な移動もあるがそれでも移動を極力コントロールするのに平常時の移動需要にあわせた輸送力の供給を意図的に絞る必要はあろう。減便しなくても感染対策として人と人の距離を保つために客が隣り合ってすわらないように座席の発売制限するとかいう形でダイヤはそのままでも移動手段の供給を絞るという手もある。(一部の映画館でもやっている手法だし、高速バスももともと隣り合った2席を独り占めできるプランがあり、鉄道でもJRはマルスシステムの制約があると言えこういう座席予約のコントロールは本当にできないものだろうか)

 

東海道以外の新幹線や在来線特急も似たようなもの。東海道新幹線より観光需要頼みなのがパンデミックでインバン客が減っていることもあって全国的にこういうJR都市間列車はがらがらだし列車を動かす電気や燃料(代金)ももったいないし上記のような形で供給を絞ってもいいのではないだろうか。たしかに日本は直接あって初めて仕事の話が進むとか、重要な商談や契約は合わないとダメとかいう形で移動需要が形成されJRなど交通事業者はそれにこたえてきた。しかし、いかにも不要不急ぽいイベント遠征や観光移動も抑制している次はそういう必要そうな移動も必要性を精査して極力最低限にすべきでは。国(霞が関、永田町)に陳情するからおらが県から東京に行くとか、おらが村から県庁に挨拶しに行くとかいうのはこういう時も今までのやり方にこだわらなければならないのだろうか。そういう意味ではそろそろ(航空会社が予約の少ない便を運休しているよりも鉄道は減便のハードルが高いと言え)鉄道も輸送サービスの供給をコントロールしなければいけない段階に来そう。