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                   PHOTO:名古屋本線を快走する特急[ひのとり]

 本年3月14日のダイヤ改正で誕生した近畿日本鉄道の新型特急[ひのとり]ですが、私はデビューに先立つ1か月前に有料試乗会に当選して名古屋→大阪上本町間で既に乗車済みなのですが、その時はレギュラー車両への乗車、満席状態の窓側の座席ということで車内移動もままならず、また、途中駅での停車もなかったことから車両の撮影やプレミアム車両の見学もできませんでした。
 そこで今回は、ラッキーなことに1人掛けのプレミアムシートの指定席が確保できましたので、大阪から名古屋までの2時間、じっくりとプレミアム車両の乗り心地を味わうことにしました。



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★大阪難波(1000)→近鉄名古屋(1206) 特急[ひのとり10列車]
 松阪から「伊勢志摩おさかな図鑑」列車と普通列車を乗り継いで大阪難波駅まで来ました。ここからは特急[ひのとり]に乗車して名古屋駅を目指します。
 今回、私が乗車するのは名古屋方の先頭車・1号車の6A席ということで、残念ながら最前列の7A席は手にすることができませんでしたが、前から2列目の席という好位置の座席に座って名古屋まで乗車します。

 特急[ひのとり10列車]は大阪難波駅の2番線ホームに9時45分頃に入線をしてきますので、時間的には余裕があるのですが、列車の停車位置がホームの先端ギリギリというか、まあ、何とか写真が撮れる位置に停車する…といった感じに加え大阪難波駅のホームが暗い地下にあるということで、あまり撮影条件がよくないですが、まあ、なんとか記録だけして車内へと入ります。

 プレミアム車両はレギュラー車両と異なり「ハイデッカー」となっていますので、車内に入るには階段を上って入る形となりります。
 また、プレミアム車両の車内は、レギュラー車両の一般的な2列-2列の横4列ではなく、2人掛けと1人掛けの横3列の配置となっており、ゆったりとした車内となっています。また、シートとシートの座席間隔は130cmということで、日本の鉄道車両の中では最大級の広さとなっているとのことです。

 このシートは本革製で電動リクライニングシート(一般車と同様にバックシェルが装着されています。)、シートヒーター、コンセント、読書灯が備えられています。前述のとおり、車内全体がハイデッカー構造となっている上に大型ガラスを採用したことで眺望が非常にいいのも美点です(新幹線のグランクラスは眺めがね…)。

 大型でバックシェルが備わったシートに座るとなんとなく新幹線のグランクラスに乗っているような感覚を覚えますが[ひのとり]のプレミアム車両はグランクラスのように高いわけではありませんので、私のようなサラリーマンでも気軽に利用できるのが良いですね…。
 電動シートを自分の体にフィットさせ、パソコンの充電などの準備をしているうちの特急[ひのとり]は大阪難波駅をすべるように発車していきます。


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       PHOTO:プレミアム車両がハイデッカーであることがよくわかります。





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       PHOTO:大阪難波駅では引退間近な15200系と並ぶシーンも…





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     PHOTO:プレミアム車両の出入口にはひのとりの大きなエンブレムがあります。





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              PHOTO:プレミアム車両の出入口





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            PHOTO:階段を上がって車内へと入ります。





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              PHOTO:プレミアム車両の車内





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           PHOTO:グランクラスにも負けないシートです。





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             PHOTO:ブラインドの上下も電動です。





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        PHOTO:プレミアム車両の中から見る前方景色はこんな感じです。


 特急[ひのとり10列車]は定刻どおり大阪難波駅を発車したのですが、名古屋線で人身事故があり名古屋駅と冨吉駅間で運転を取りやめているとのこと。今後の状況によっては行先が変更になる…とのアナウンスがあり、ちょっと先行きが不安ですが、まあ、今日はお休みをいただいていますので、そんなに慌てる必要もなく、なりゆきまかせで進むことにします。

 大阪上本町駅と鶴橋駅で若干の乗客を乗せた特急[ひのとり10列車]は、すべるような走りで次々と駅を通過していきます。 

 少し落ち着いたところで、コーヒータイムとします。特急[ひのとり]のプレミアム車両・デッキ部にはコーヒーサーバーが備え付けられていますので、いつでも好きな時に薫り高いコーヒーを味わうことができます(もちろん一般車両の人も利用できます。)。JRの車内で飲むと300円以上するコーヒーも特急[ひのとり]では専用カップに入ったコーヒーが200円で飲むことができます。









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         PHOTO:車端部にあるコーヒーサーバーとお菓子の自販機





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           PHOTO:ずっと専用カップであってほしいですね。



 大和八木駅では、私の乗っている1号車プレミアム車両のほとんどが下車して、新たな乗客が乗ってきます。先頭部の7A~Cの席の方も全員入れ替わりましたので、興味本位でプレミアム車両に乗っている方が多いようです(まあ、わたしもそうですが…)。ちょうど子供たちが春休みということもあり、家族連れ(乳幼児連れ)が多いこともあり車内は相当賑やかいですし、レギュラー車両の乗客もどんどん先頭部の見学に来てしまいますのでその点は改善して欲しいところです(レギュラー車両の乗客は入れちゃぁダメだよ…)。

 大和八木駅を発車すると次の停車駅は津駅です。ここからは列車本数の少ない山間部の走行となりますので、特急[ひのとり]はぐんぐんと速度を上げて走っていきます。ただ、レール幅の同じ新幹線とは絶対的な速度が違いますので車内の静粛性と振動の少なさは遥かに新幹線を凌駕していると思えます。
 
 特急[ひのとり10列車]は山間部を軽い足取りで走り抜け、伊勢中川駅を経由せず短絡線を渡って津駅を目指します。この時点で名古屋線の運転休止は解除となっていましたが、ここから先は速度を落としながらの運転となるようなので名古屋駅への到着は相当遅れるようです。



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                 PHOTO:名張駅を通過




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        PHOTO:伊勢中川駅には向かわず短絡線を通過していきます。


 ここまで快調に走ってきた特急[ひのとり10列車]ですが、津駅の手前からは一段と速度を落としながら走り、結局、津駅には5分ほど遅れての到着となりました。その後も、速度を落としながらの運転ですが、私にとっては長い時間プレミアム車両に乗っていられるわけですから、まあ、至福の時間が増えているだけ…ということです。

 四日市駅の手前で緊急停止したときは、ちょっとドキッ!としましたが、結局、特急[ひのとり10列車]は約6分という最低限の遅れで名古屋駅に到着しました。



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       PHOTO:名古屋駅到着間近になると車内等がブルーに変わります。




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           PHOTO:名古屋駅に到着した特急[ひのとり]


 しかし、本当にすばらしい特急車両ですね。レギュラー車両に乗ってもそう思ったのですが、プレミアム車両はそれ以上の出来栄えであることが今回の乗車でわかりました。これなら新幹線の普通車に座って大阪に行くよりも、ちょっと時間がかかっても、特急[ひのとり]のプレミアム車両を選びたいですね。

 ただ、ちょっと苦言を呈するとすれば、左側のひじ掛けの先端部に電動シートの調節ボタンが、右側のひじ掛けの先端部にはスライド式のカップホルダーがあるのですが、身体を起こそうと思って左側の手のひらに力を入れれるとシートが動いてしまい、右側の手のひらに力を入れるとカップホルダーがスライドしてしまう…というのところは改善して欲しいところです。

 あと、何より改善して欲しいのは車内販売が無い!ということですね…。アーバンライナーや[しまかぜ]には車内販売があるので、てっきり特急[ひのとり]にも車内販売はあると思っていたのですが、コーヒーサーバーの横にお菓子類の自販機があるだけでした。まあ、2時間少々という短い時間ですので「無くても良いでしょう?」と言われてしまうとそれまでなのですが、せっかく、プレミアムな車両に乗っているんですから、美味いお弁当屋アイスクリームを楽しみたかったのは私だけでしょうか?


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       PHOTO:何回、電動シートのスイッチに触ってしまったことやら…





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          PHOTO:綺麗にカップホルダーが隠れているのですが…





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        PHOTO:右手に力を入れると木製の部分が動いてしまうのです。

【乗車日:令和 2年 3月27日(金)】鉄道コム

〇過去の特急[ひのとり]の乗車記はこちらから!
 近畿日本鉄道・新型特急[ひのとり]乗車記(R2.2.8)