大井川鐡道スイテ82形 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

C10形、国内に現存する唯一の車両がこの8号機で、動態保存されているのがもはや奇跡とも言うべきの貴重な存在です。

 

タンクを始め各部がリベッド打ちされており、かなりいかつい印象ですね。

 

C10形の単独牽引可能客車両数は現在3両となっており、4両以上となる場合は電気機関車が補機として後部に連結されます。

 

E31形で、かつて西武鉄道にて甲種輸送等で活躍した機関車です。これらの役目を101系「電車」に取られて失職するのもどうかと思いますが、幸いここ大井川鐵道にてセカンドライフを歩み出しています。

 

で、私の注目はやはり客車でして、年に数度しか運転されないこちらの車両が今回のターゲット。

 

大きな「かわね路」のヘッドマークに展望デッキ、その姿は国鉄時代花形の特急列車に連結された展望車のそれですね。

 

その車番は「スイテ82」、国鉄制定のルールに則れば、40t前後の和式展望一等車…となりますが、お座敷車のナロ80はともかく、どうやらそうでも無い模様…。

 

…この車両、見た目こそ国鉄型車両のような素振りをしていますがそれは世を忍ぶ仮の姿、元はナロ80と同様「電車」でして、西武の通勤電車、501系のサハ1515を大改造した成れの果てでございます。なお、形式の"82"は「1982年登場」だからだそう…。

 

お座敷車と同様、SL急行で急行料金の他別料金が必要なお展望車として運用されておりますが、運転日数が結構限られており、スケジュールが発表されると割と早めに満席になってしまいます。

 

まずはドアからです。かつては自動扉だったはずですが、他の旧型客車に合わせるように手動式の開き戸になっています。また位置も車端部へ移動しています。

 

車端部です。西武時代の二段式妻窓が残されています。数少ない電車時代の痕跡とも言えますね。仕切り扉はこちらも開き戸、新たに増設したものなんでしょうね。

 

靴箱と思われる棚です。かつては土足禁止だったのでしょう。

 

車内へと進んで行きましょう。手前には後述する個室席が有り、大きな額縁に入れられた写真が飾られています。この上からドーンと展望車両の案内…。

 

車内です。元電車らしく全体的に狭さを感じますが、雰囲気はかつて一等車として登場した展望車に近いと思います。…中央には絨毯が敷かれているものの化粧板がぶっきらぼうな辺り、地方私鉄が精一杯背伸びしたんだなぁと思うと泣けてきます。

 

出入り口方向です。こちら側にも額縁が付けられています。放送装置は後付けのスピーカー式です。

 

天井です。この車両が車軸発電機を積んでいるのかは不明ですが、始発駅での停車中は照明が付きません。

 

というわけで走行時の点灯の図。蛍光灯にはカバーがかけられ一部は飾り照明となっていますが、全体的に光のトーンは低めです。冷房や扇風機は無く、走行中はともかく真夏の停車中はかなり暑くなります。

 

窓です。二段式で、夏真っ盛りのこの時は全開となっていました。

 

座席です。入り口側は2人掛けのソファがロングシート配置で並んでおり、中央にテーブルを置いて4人組席としています。座席間にも窓側から固定テーブルが伸びていますね。

 

肘掛けにもリネンがかけられており、格上列車にふさわしい見た目になっています。ヘッドレストリネンは残念ながら形がバラバラですが…。座席が置かれている部分の床面はタイルになっていますが、今時では見掛けない昭和感全開の模様となっています。

 

展望スペース側は1人掛け席が並びます。

 

こちらは2人掛けと比べるとかなり華奢なスタイルですね。背ズリも少し小振りで、座る人を選ぶ座席と言えます。

 

で、隠し機能的に回転機構が備わります。ただ経年か動かしにくい座席もチラホラ…。荷棚は無いため、床置き式のバケットが備えられています。

 

デッキ側1室は個室風となっています。

 

室内は4人掛けで、中央にテーブルが置かれています。指名買いもやろうと思えば出来るんでしょうね。

 

座席自体は解放席の2人掛けと似たものですが、肘掛けにリネンはかかっていません。

 

さて、この車両の魅力と言えばやはり展望デッキですね。開放式のこのスタイルを持つ車両は、JR西日本にいるだけですので貴重ですね。

 

とは言え、この日は補機としてE34がどーんと…。大井川鐵道の運転上こうなってますが、個人的にせっかくの展望車連結にしてプッシュプルにすることも無かろうと…。

 

展望デッキの定員は10名。色々気を付けましょう(笑)

 

まぁせっかく補機として連結されているので、スタフを覗いてみました。補機用のスタフなんですね…。

 

途中駅では…はみ出してますね…(笑)