大井川鐵道の列車が北陸の「長距離鈍行」に 米原~長岡結ぶ普通列車の再現ツアー



大井川鐵道は4月25日、かつて国鉄の北陸本線・信越本線で運転されていた普通列車(第523列車)をイメージした「再現列車」のツアーを、大井川本線で実施する。

北陸本線で運転されていた1980年代初頭の普通列車。【撮影:草町義和】

第523列車は、北陸本線の米原駅(滋賀県米原市)から信越本線の長岡駅(新潟県長岡市)まで運転されていた普通列車。走行距離が約430kmの「長距離鈍行」で、所要時間は12時50分(1980年10月ダイヤ改正時点で米原10時33分発→福井13時42分発→金沢16時29分発→富山18時06分発→長岡23時23分着)に及んだが、1982年11月のダイヤ改正で廃止された。

大井川鐵道が運転する第523列車の「再現列車」は、大井川本線の新金谷(静岡県島田市)~千頭(同川根本町)間を3往復するもの。走行距離はのべ223.2kmで米原~長岡間の半分程度だが、途中駅で停車時間を長く取って時間を稼ぎ、全体の所要時間は11時間29分になる。

まず新金谷駅を米原駅に見立てて9時15分に発車。千頭駅(福井駅のイメージ)で折り返して新金谷駅(金沢駅のイメージ)には12時36分に到着する。その22分後に2往復目がスタート。3往復目の新金谷発(糸魚川駅のイメージ)は17時18分で、終点の長岡駅に見立てた新金谷駅には20時44分の到着になる。

車両も第523列車にあわせ、国鉄の旧型客車3両編成(スハフ42 186+オハ35 149+オハフ33 469)を使用。けん引する電気機関車は西武鉄道から譲り受けたE31形電気機関車のE34を使用する。

旅行代金は大人1万2000円・子供7000円。フリー切符やおやつ(東海軒のサンドイッチ)が付く。3往復乗り続けるのも、途中の駅で乗車、下車するのも自由だが、「再現列車」はツアー参加者のみ乗ることができる。

募集人数は60人(最少催行35人)。ボックスシート一つを一人で利用できる。申し込みは3月27日9時から3月29日23時59分まで、大井川鐵道のウェブサイトで受け付ける。

大井川鐵道は2016年4月、長距離鈍行列車ツアーを実施。同年10月以降の第2回以降は、かつて国鉄で運転されていた長距離鈍行の具体的なイメージで運転するようになり、今回で5回目になる。

1980年代初頭の北陸本線の普通列車は電気機関車けん引の客車列車が多かった。【撮影:草町義和】
E34がけん引する「再現列車」のイメージ。【画像:大井川鐵道】
「再現列車」で使われる旧型客車。【画像:大井川鐵道】
東海軒のサンドイッチ。【画像:大井川鐵道】