2001年に3251Fが竣功し、その後大量に増備された小田急3000形。
良くも悪くもそれまでの車両とは違う部分が多く、賛否両論がある形式です。

長く続いた小田急らしいデザインから転換し、外見的な変更点が目立つ3000形ですが、その中に雨樋の位置が下がったという点があります。
小田急の車両は長い間張り上げ屋根を採用してきたことから、この変更はかなりインパクトがあるものでした。

小田急で張り上げ屋根ではなかった形式が製造されたのはいつだったのかというと、1951年に導入された1700形まで戻ることになります。
50年という長さだったのです。
1954年に登場した2100形で張り上げ屋根を採用し、それ以降の車両は同様のスタイルを保ってきました。

その後、1800形が形式消滅したことで、小田急から営業用の張り上げ屋根ではない車両は消滅し、全車両が張り上げ屋根となっていたのです。

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長く続いたスマートなスタイルを捨てた3000形。
実用本位なデザインとなりましたが、大量の車両を置き換える使命を担い、それを無事に果たした車両だったのではないでしょうか。

既に登場から20年近くが経ち、新しい5000形では拡幅車体の復活に関連して張り上げ屋根に戻りました。
デザインの細部には、その時々の事情が反映されてくるのかもしれませんね。