例年ならば、惜しまれつつ引退する車両のお別れイベントや、華々しくデビューした車両のお披露目イベントなどが大々的に実施されますし、さらに今年は「9年ぶりの常磐線全線開通」や、山手線49年ぶりの新駅「高輪ゲートウェイ」開業などイベントごとには事欠きませんでしたが、コロナウイルスによる自粛が相次ぎ、ちょっと寂しい改正となりましたね・・・。
ですが、ダイヤ改正自体は実施されたので、今回は毎年恒例となったダイヤ改正における川崎鶴見界隈の貨物列車の動きについての特集をお届けいたします。
今回も参考文献は「貨物時刻表」でございます。
細かい体裁の話になりますが、昨年版までは「平成○○年3月ダイヤ改正」という和暦表記でしたが、今年から西暦表記に変更となりました。
昨年の改元を機に、多くの企業が和暦表記から西暦表記に変えた「元号離れ」が話題になりましたが、貨物時刻表もその時流に乗っかったようですね。
当ブログは「川崎鶴見界隈の貨物列車の撮り鉄記録」がメインコンテンツですので、今回取り上げる特集の前提条件は
①鶴見駅を起点とし「横浜羽沢」「東高島」「川崎貨物」「新鶴見信号場」までの範囲
②上記範囲において、定時基準で撮り鉄可能な時間帯を走行する列車
とさせていただきますが、変化のあった列車をすべて取り上げるとキリが無いので、個人的に気になった内容をピックアップしてお届けします。
また昨日改正が行われたばかりですので、実運用は確認できておりません。
時刻表と実運用で異なる点があった場合、当然ながら実態と異なりますのでご了承ください。
今回の記事では列車運用に関する動きを見てみます。
日本最後の「石炭列車」が廃止
川崎鶴見界隈の貨物列車において、ダイヤ改正での一番の出来事といえば、当ブログでも何度取り上げ済みですが、鶴見線扇町駅~秩父鉄道三ヶ尻駅で運行されていた「石炭列車」が廃止されたことでしょう。
正確にはダイヤ改正を待たず2月25日をもって運行終了となりましたが、スジは臨時列車として残存(8783レ、8794レ)し、時刻もほぼ同じ設定となっています。
残した意図は不明ですが、しばらくは時刻表上のみではありますが「石炭列車」の名残を感じられそうです。
川崎貨物~熊谷タの配給列車が石油専用列車化
熊谷タへの列車では、もう一つ大きな動きが。
東京タ~熊谷タで運行されている配6794レと配6795レが臨時専用列車化されました。
下りは配6795レ⇒8795レに、上りは配6794レ⇒8794レに列番が変更されています。
上りは現在と同じ時刻ですが、下りは30分ほど時刻が繰り下がりました。
8794レ 川崎貨物10:48 ⇒ 新鶴見信号場11:20(30分ほど繰り下げ)
8795レ 新鶴見信号場14:38 ⇒ 川崎貨物14:56(現在と同じ)
さらに改正後の目撃情報によると、川崎貨物駅からの日本オイルターミナルの石油タキが連結され、そこに配給用途の貨車が連結される形態のようです。
このように「定期列車に配給貨車を連結する」列車として、川崎貨物~千葉貨物で運転されている5971レが知られています。
5971レでは、回送のコキやタキが日替わりで連結される。
日常的に石油タキが連結されるようであれば、川崎貨物~熊谷タの間では実質石油列車が1往復増発されたということになりますね。
上下とも撮影しやすい時間帯に走るので、今年は重点的に記録したいところです。
1089レが時刻変更により、通年撮影可能に
夜中に運転されていた1089レの東京タ発時刻が朝に変更され、通年撮影可能となりました。
1089レ 運転時刻
改正前 川崎貨物21:33 ⇒ 横浜羽沢21:50
改正後 川崎貨物7:07 ⇒ 横浜羽沢7:24
1089レの運転時刻変更に伴い、昼間から夜間に時刻が移った列車もなさそうなので、川崎鶴見界隈においては下り撮影可能列車が1本純増したということに。
所定牽引機はEF66となっていますが、今まで1089レを撮影したことが無いので、朝練時は狙ってみたいですね。
64レが2064レに変更、時刻も若干繰り下げ
百済タ~東京タを結ぶ64レが2064に列番を変え、時刻も若干繰り下がりました。
64レは朝の東海道貨物名物「スーパーレールカーゴ」の直前に運転されていた列車なので、無意識に練習電として撮影したことがある方も多い列車と思いますが、川崎界隈では改正後「スーパーレールカーゴ」と後続の52レ「福山レールエクスプレス」の後ろを走ることになります。
64レ~2064レ 運転時刻
改正前 百済タ22:08 ⇒ 横浜羽沢4:49 ⇒ 川崎貨物5:05
改正後 百済タ22:08 ⇒ 横浜羽沢5:18 ⇒ 川崎貨物5:35
百済タおよび吹田タ発時刻は変更ありませんが、2ケタ列車から4ケタ列車への格下げに伴い最高速度が110km/hから100km/hに落ちる影響か、静岡県吉原駅で運転停車をして50レと52レに追い越されるようになります。
「スーパーレールカーゴ」撮影の際は、直前の列車が変わりますのでご注意を。
また改正前の2064レという列番は、相模貨物~札幌タで運転されていた列車のうち、相模貨物~新鶴見信号場までの列番(新鶴見以遠は3065レ)として使用されていましたが、列番を譲るため改正後は相模貨物~札幌タを3065レ1本通しになります。
改正前 相模貨物~(2064レ)~新鶴見信号場~(3065レ)~ 札幌タ
改正後 相模貨物~(3065レ)~ 札幌タ
列番の交換はありましたが、もともと両列車の関りは薄いと思われるので、影響はほぼないと言っていいでしょう。
新日鉄レール輸送列車に「那須塩原行き」が登場?
福岡県の新日本製鉄八幡製鉄所から、JR東日本向けレールを運ぶ「新日鉄レール輸送列車」のうち、JR東日本各地の出荷先への分岐点となる相模貨物駅から那須塩原行きが新規設定され、列番は9077レとなっています。
9077レ 運転時刻
相模貨物9:13 ⇒ 横浜羽沢9:44 ⇒ 新鶴見信号場10:05
「なんで那須塩原にレールを運ぶ必要が?」と思ったら、那須塩原駅北方にある東北新幹線の電留線の拡張計画があるみたいですね。
現在JR東日本の新幹線用レールは、東北本線東鷲宮駅に隣接する保守基地に輸送されていますが、那須塩原電留線の拡張に伴い保守基地も移転するのであれば、それを見越して那須塩原行きが設定されるのも辻褄が合います。
私の推測が当たっていたとしたら、拡張工事完成は2022年予定だそうなので、しばらくはスジだけあって実際の運転は無い状態が続くでしょう。
以上が今回のダイヤ改正における、川崎鶴見界隈での列車運用の動きです。
「石炭列車の廃止」という大きなトピックスはありましたが、それ以外は小粒な変更かなと思いました。
石油列車と統合された配給列車は、意識的に記録してみたいところですね。
次回は機関車運用編をお届けします。