快速廃止と減便も三木延長設定へ 神戸電鉄ダイヤ改正(2020年3月14日)

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神戸電鉄は2020年1月21日、プレスリリースにて3月14日にダイヤ改正を行うと公表した( ダイヤ改正の実施について )。今回はこれについて2月25日の公表した新時刻表から見ていく。

2020年3月14日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 有馬線で速達化と急行停車駅の増加へ

今回の2020年3月14日神戸電鉄ダイヤ改正では、2017年3月25日神戸電鉄ダイヤ改正以来約2年11か月半ぶりにダイヤ改正を行う。

前回のダイヤ改正は主に粟生線でダイヤ改正を行ったが、今回の2020年3月14日ダイヤ改正では有馬線・三田線でも大きくダイヤ改正を行う。

有馬線・三田線では平日朝の種別格上げを行う。道場南口7時00分発準急新開地行きを急行新開地行きに格上げし新開地7時52分着から7時47分着に5分繰り上げるほか、三田7時02分発急行新開地行きを特快速新開地行きに格上げし新開地到着を8時00分から7時58分に2分繰り上げる。このほかプレスリリースに記載はないが、三田6時01分発普通新開地行きを準急新開地行きに格上げし新開地7時03分着から7時00分着に3分繰り上げたほか(ただし鈴蘭台で連絡していた粟生線からの快速廃止に伴う救済措置)、有馬温泉7時08分発普通新開地行きを準急新開地行きに格上げし新開地7時58分着から7時52分着に6分繰り上げる。

この乗車チャンス減少を防ぐため、花山に急行が増停車することとなった。これにより花山では平日朝7時台の新開地行きが7本から8本に、平日朝8時台の新開地行きが5本から7本に増加することとなる。

また有馬線・三田線では平日夕ラッシュ時にも増発を図る。増発するのは鈴蘭台18時04分発普通岡場行きで、新開地17時49分発普通西鈴蘭台行きから接続する。これまで平日夕ラッシュ時には鈴蘭台始発の列車の設定はなかったが(と言ってもオフピークの新開地21時台発にはあるのだが)、今回のダイヤ改正で新設することとなった。

新開地・湊川から乗る場合には鈴蘭台での連絡列車の記載があるし、三宮からであれば神戸市営地下鉄西神・山手線で谷上まで行けば鈴蘭台始発であろうと利便性は変わらないので影響は小さいと判断したのだろう。

ただ気になる点が2つ。1つは西鈴蘭台行きから岡場行きに接続しているが、粟生線の小野行きからの連絡なら需要がわりと割れるのでアリだとは思うが、鈴蘭台から残り2駅で終点の西鈴蘭台への利用なんてたかが知れており谷上や岡場に行く利用と比べたら明らかに小さい。もう1つが、鈴蘭台以南の方が鈴蘭台以北より利用が多いにもかかわらず、西鈴蘭台行き3両編成から岡場行き4両編成に接続することである。しかもこれを平日夕ラッシュ時にやっていることを踏まえれば、いや絶対逆だろう。粟生線の前後の運転間隔からして、西鈴蘭台行きを岡場行きに変更して鈴蘭台~西鈴蘭台間で減便を図った方が確実に合理的である。次回のダイヤ改正で見直しが図られるのではないだろうか。

このほか、新開地19時52分発普通有馬温泉行きを岡場行きに、鈴蘭台21時20分発普通有馬温泉行きを岡場行きにそれぞれ変更した。救済措置として有馬口20時36分発有馬温泉行き及び有馬口21時49分発有馬温泉行きを設定しており、有馬温泉への運転本数に変わりはなく有馬口~岡場間で純増発となった。




2. 最大の利用を誇る新開地発着で減便へ

今回の2020年3月14日神戸電鉄ダイヤ改正では、昼間の新開地発着列車の減便を行う。

昼間の西鈴蘭台発着毎時2本の新開地乗り入れを廃止し、鈴蘭台~西鈴蘭台間でピストン輸送を行うこととなった。これにより新開地~鈴蘭台間では昼間毎時8本から毎時6本に準急毎時2本分減便し、輸送力が25.0%落ちることとなった。これにより昼間の運用数を1運用減らせそうだ。

ダイヤ改正前は昼間は下り(鈴蘭台・三田・粟生方面)は三田行き毎時4本が準急、上り(新開地方面)は粟生線からの列車毎時4本が準急だったが、今回のダイヤ改正より三田行き毎時4本中毎時2本と粟生線からの新開地行き毎時2本を準急として運転することとなった。

なおプレスリリースには4~15分間隔での運転になると記載しており、おそらく有馬線の15分間隔運転に粟生線直通の30分間隔を無理やり入れるのであろうが、そもそも新開地~鈴蘭台間は輸送密度が63,617人/日・往復で昼間毎時15両あれば運べるので、有馬線の4両編成毎時4本があれば足りてしまうのである。

ただ、西鈴蘭台は粟生線で最も利用者数は多いものの、鈴蘭台西口と合わせても昼間毎時3両あれば両駅の利用者は運べてしまう。また鈴蘭台~西鈴蘭台間は輸送密度は27,850人/日・往復で昼間毎時7両あれば十分なので、粟生線の昼間の全列車を4両編成にしてしまえば毎時2本で運べてしまう。志染や三木や小野に向かう列車を混ませたくないという意図もあるかもしれないが、わざわざ西鈴蘭台の人が鈴蘭台行きの列車に乗って乗り継いで新開地に行きたいかと言われると違うだろう。しかも西鈴蘭台発着のシャトル列車が鈴蘭台で接続するのは普通であることを考えると、次のダイヤ改正で昼間の西鈴蘭台発着が大幅減便すると思うのは私だけだろうか。

ちなみに有馬線鈴蘭台以北で輸送密度が最大となるのは谷上~花山間の36,976人/日・往復で、昼間毎時10両あれば足りるのことから地域輸送性を考慮しなければ4両編成毎時3本で足りてしまう。有馬線・三田線もやや黄色信号な気がするのは気のせいだろうか。

このほか平日朝オフピーク時には鈴蘭台8時58分発普通新開地行きを廃止することとなった。




3. 粟生線で大幅減便と快速廃止へ

今回の2020年3月14日神戸電鉄ダイヤ改正では、粟生線で再び減便を行う。

今回のダイヤ改正で粟生線から快速がなくなり、最速列車が平日朝の新開地行きのみ運転の急行となった。

小野6時02分発快速新開地行きが小野6時00分発普通新開地行きに格下げするほか、押部谷6時34分発普通新開地行きを西鈴蘭台6時50分発普通新開地行きに短縮し鈴蘭台6時37分発普通新開地行きを廃止する。快速から普通への格下げに伴い鈴蘭台で三田線からの準急新開地行きに連絡することでこれまでの新開地6時59分着とほぼ変わらない新開地7時00分到着で設定し利便性低下を抑えてはいるが、運転区間を縮小し合理化を図っているのは間違いない。

また小野6時37分発快速新開地行きを急行新開地行きに格下げしたにも関わらず新開地到着を7時36分から7時35分に1分繰り上げたほか、志染6時48分発普通新開地行きを押部谷6時55分発普通新開地行きに短縮する。

さらに粟生6時49分発快速新開地行きを急行新開地行きに格下げするが、所要時間は変わらず新開地には同じ7時55分に到着する。おれにより栄と木幡の乗車チャンスが確保できることから押部谷7時09分発準急新開地行きを廃止することとなった。これにより一番車両運用を使う平日朝ラッシュ時で1運用減らすことに成功した

このほか小野5時22分発準急新開地行きを志染5時42分発準急新開地行きに短縮する。この送り込みとなる志染5時25分発普通小野行き初電が廃止となり、志染→三木間で初電が15分繰り下がった。

また小野7時11分発準急新開地行きを普通新開地行きに格下げし、鈴蘭台で三田始発の急行新開地行きに接続することで湊川・新開地への速達輸送を引き続き担う。

これらの平日朝の変化を見る限り、種別格下げにより停車駅は増えたものの、所要時間を延ばしていないため実質利便性を維持しているようだ。

さらに平日夕ラッシュ時は快速粟生行きを新開地18時30分発、新開地19時00分発、新開地19時31分発の3本を運転しているが、この3本を全て普通に格下げし直前を走る新開地始発普通押部谷行き3本を減便することとなった。

これにより新開地から出発する列車の最速達種別が急行になったほか、粟生線直通列車では新開地始発の列車は最速達でも準急になり平日夕ラッシュ時は新開地19時57分発準急粟生行きまでの列車が全て普通列車となるほか、有馬線では鈴蘭台で分かれていた快速がなくなったのに特快速が残ってしまった。もはやJR北海道石北本線特別快速きたみ以上に快速の意味が分からなくなってしまっている。このほか押部谷始発は残るが、押部谷行きが消滅するようだ。

なお粟生ではJR加古川線や北条鉄道に接続しない列車は全廃するとしている。小野~粟生間はどんなに高く見積もっても輸送密度は2,000人/日・往復に満たないので、昼間2時間に1両の列車があれば足りてしまう。粟生までくると特に神戸三宮発着のバスとも競合しているわけではなく純粋に沿線住民が少なく人口減少が続いていることが利用が少ない大きな原因のため、小野~粟生間は廃止してバス転換してもおかしくはなさそうだ。

これにより後述の増発と合わせても平日は押部谷~志染間は64往復から60往復に減便、志染~三木間は51往復のまま据え置き、三木~小野間は50往復から46往復に減便、小野~粟生間は29往復から26往復に減便することとなり、粟生線では実質ほぼ全線で減便を図るようだ。




4. 粟生線で昼間に一部区間で増便へ

ただ今回の2020年3月14日神戸電鉄ダイヤ改正では、減便続きの粟生線で一部ながらも運転区間延長を行うことで増発している。

今回のダイヤ改正では昼間の志染発着の普通列車を三木発着に運転区間を延ばす。これにより前回の2017年3月25日ダイヤ改正以降昼間は志染~三木~小野~粟生間は毎時1本のみの運転となってしまったが、このうち志染~三木間は4往復増発し昼間毎時2本に倍増することとなった。

これは三木鉄道を廃止した三木市が公金を使って神戸電鉄に運転区間の延長を申し出たためであるが、三木の利用者数は同じ三木市内の志染より少ないため増発のメリットは低い。ある意味三木行きを増やすことで広告としている面もあるのだろう。

このほか新開地9時22分発普通志染行きを普通小野行きに、志染11時05分発準急新開地行きを小野10時45分発準急新開地行きに延長することで、志染~小野間でも1往復増発する。


5. 結び

今回の2020年3月14日神戸電鉄ダイヤ改正では、運営合理化に伴い速達化や減便を図り、1運用削減することとなった。

今後神戸電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

コメント

  1. エイキチ より:

    この記事内容の西鈴蘭台発着減便には反対である。
    西鈴蘭台発着が現行ダイヤであるからこそ利便性を感じてるわけで、それならしあわせの村を経由しない神戸行きバスを増便してほしい。

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