民鉄の覇者 東京急行電鉄 33、五島の経営③ (合理化、予算即決算主義) | 犬と楽器と鉄道模型

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五島の経営だが、最初はとても経営には専念出来なかった。
それは、創世記の話でも述べたが、資金繰りに苦労をしたからである。
 
この地獄の資金繰りを解放したのが、協定に依る電車賃、言わば定期券であった。
 
定期券は割引であるが、前売り制。
巨大なキャシュが資金繰りから解放され、経営に専念出来る様になったのである。
 
そして、色々な会社を乗っ取って行くのであるが、勿論、大きな野心もあっただろう。
けれど、乗っ取り、合併に際し、五島一流の算盤が働いた比率が大きいのである。
 
それは、合併した以上は、其々の会社毎に社長・副社長・取締役は要らないのである。
人事も経理等の部門も其々の会社毎に複数ある必要は無く、一つに纏めてしまえば良い。
 
たったこれだけの事で膨大な経費が削減出来るのである。
さぞかし、目黒蒲田・東京横浜電鉄の取締役は大変だったであろう。
 
これらの事を単にリストラと考えてしまいがちだが、これも違う。
合併だけでなく、新たな事業を起こすので、常に人は足りなくなる。
職場は社員希望で、本当の意味での適材適所が生まれ、効率も良くなるのである。
 
又、巨大化は、動きが鈍いとの指摘もあるが、重要事項は幹部会等で承認制になるのは致し方ない。
しかし、事業本部長なりのポストに権限・裁量、それに相応しい給与を与えれば、小回りも効き、上手く廻るのである。
 
又、巨大化の利点は数多くある。
単純に巨大化するのだから分母が大きくなるのである。
これは、事業で万が一失敗した時でも分母が大きい分、ダメージが少ない。
 
そして、一つの物に集中的に投資も出来る為、効果も回収も早いのである。
 
良い例がJR東日本であろう。
そして、五島の功績の一つとして挙げられるのが「予算即決算主義」の採用である。
これは、年度始めに各部課に収支の見通しを提出させ、役員会で査定する。
それを基に予算案を編成したのだった。
 
現在では多くの企業で行われている経営手法であるが、当時は全く新しい取り組みだった。
 
特に五島はこの事だけは、自慢げに、こう書いている。
「そのときに私は『予算即決算主義』というものを確立して、これをキップ切りにまで徹底させた。
私は今でもこれを事業経営の哲学としているが、東横電鉄などもこの間を苦心惨胆して持ちこたえて来たればこそ、今日の盛大をみる事が出来たのである」
と・・・
 
 
(次回は五島の経営④ (乗っ取りです)
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この記事は2014-07-22
yahooブログにて掲載していました。