由布院温泉(前編)部屋編 | 鉄道で行く旅

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日田駅から由布院駅に向かいました。キハ185系の特急ゆふに乗車しました。

特急ゆふの車両は、特急用ディーゼルカーへの新規投資には消極的なJR九州が、今なお使い続けているJR四国の「中古車両」を買い取ったキハ185系です。九州移籍後にステンレス車体の全体が真っ赤に塗られています。

 

列車は筑後川の支流である玖珠川(くすがわ)に沿って進んでいきます。

 

1994年に宿泊したことがある天ヶ瀬温泉の玄関駅の天ヶ瀬駅に着くところです。
そのときに泊まった「シャレ―水光園」は旅館名が「ホテル水光園」に変わっていました。写真を撮ることはできませんでしたがシャレ―風の建物は昔の印象のままでした。

1994年に、その「旧名のシャレ―水光園」の玖珠川沿いにある露天風呂に入ったときに、夕刻で暗くなりかけていた時間でしたが、若い女性がタオル1枚で入ってきたことから、目のやり場に困った思い出が強く残っています。

 

キハ185系の普通車の車内です。2年前に乗車した豊肥本線の「九州横断特急」と全く同じ仕様の車両でした。

車内はJR四国時代とは違い、グリーン車が消滅し、普通車が大幅にリニューアルされています。普通車の座席は、見た目は昔の在来線グリーン車に近いようなシートになっています。

 

由布院駅に着きました。

 

【思い出の画像】

1989年に由布院駅付近で撮影した懐かしのキハ52です。

 

由布院駅から旅館まではタクシーではなく徒歩で移動しました。標高1,583mの由布岳がくっきり見えていました。

この後、旅館の方から聞いた話では、「由布院(湯布町)は平野部でも標高400mの高原ですから日田よりも寒いはずです」ということでした。

 

一旦、宿泊旅館前を通り過ぎて何度も来ている金鱗湖を見に行きました。

 

男女混浴の共同浴場として由布院の名所の一つになっている金鱗湖(下ん池)畔の「下ん湯」です。「下ん」とは由布岳の下にあるという意味です。

 

昔と変わっていないようですが、もしかすると周囲が切り開かれて明るくなっているのかもしれません。

この後、旅館の温泉に入浴するため、ここには入浴しませんでした。

 

1989年に撮影した「下ん湯」です。現在と比較すると周囲だけではなく建物そのものも変化していました。昔よりも今のほうが浴槽の丸見え感が減っている感じです。

 

【由布院温泉の説明】・・・興味のない方は読み飛ばしてください。
由布院温泉も最近では超富裕層向けの宿泊施設もできていますが、平成時代の前半に「御三家」と言われるようになった高級旅館が「玉の湯」、「亀の井別荘」および「山荘 無量塔(むらた) 」の3軒です。

ごく簡単に説明しておきますと、その「御三家」の中で、温泉の浴室が広くて、敷地面積が広大で、和風旅館らしくて、万人向けなのが「亀の井別荘」です。続いて、「山荘無量塔(むらた) 」は古民家などを移築しながらも宿泊用の部屋がモダンであり、若いカップルやハイセンスな方に向いていると思います。

私が選んだ「玉の湯」は、そもそもの出発点が禅寺の保養所であることと、創業者の方針によるものなのか質朴な造りの旅館になっています。料理も地元の食材を活かした料理であり、たいへん美味しいのですが、高価な食材を使った豪華料理を期待する人には向いていません。

そういう点から、「玉の湯」は、良い意味で高踏(世俗を離れて気高さを保っている)的な旅館と言えるのではないでしょうか。

私の宿泊後の感想を先に書いておきますと、「玉の湯」は周囲の環境が素晴らしく、別天地のような居心地の良さを感じました。

 

それでは「玉の湯」に着いたところからです。

雑木林の中の小径を進んでいきます。この「玉の湯」には初めての宿泊だったため、どこにフロントがあるのかが分からず、少し迷いました。

 

フロントに宿泊客であることを申し出たところ「チェックインは談話室で行います」ということで、談話室に通されました。

菓子と煎茶をいただきながらチェックインの手続きをしました。

チェックインといっても現金の事前支払いやクレジットカードのデポジット処理などは行わず、代表者の住所や氏名の確認とか、夕食時間とメインディッシュの選択をした程度でした。これも旅館の方針なのか、リピーター客が多いためにそうしているのかは不明ですが、旅館側からの説明は控え目でした。

 

旅館のスタッフに案内されて渡り廊下で繋がっている離れ座敷の部屋まで歩いていきます。

全室が離れになっており、旅館全体の離れ座敷数が16室あるということでした。

 

清潔ですが、見た目の豪華さはなく、どちらかというと禅寺のような雰囲気です。

 

離れの玄関先にぶら下がっているトートバッグのようなものは新聞の配達袋です。

この旅館では、チェックイン後に部屋に入ったときに部屋の中に夕刊が置いてありました。

 

宿泊した部屋の中です。気に入った部屋が、たまたま玉の湯の中では安いタイプの部屋でした。

居間になっていて電気炬燵がある和室です。中央の奥がテラスの左端部分です。

 

テラスというのか縁側というのか、まあ、そういう場所です。左奥の窓の外に見えているのが隣の部屋(別棟の離れ)です。

今回の部屋の選択理由は、このテラスが気に入ったからでした。

 

和室の奥にあるベッドルームです。広いというほどではないものの、私にはこれで十分でした。「離れ」であるため、就寝中に隣の部屋の生活音が聞こえてくるというようなことはありませんでした。

もしかすると「以前に泊まったペンションのほうがもっと豪華だったよ! ・・・ 宿泊代も安かったし。」ということを言う人がいるかもしれません。

 

突き当たりにある洗面室です。左側が離れ部屋ごとにある客室内の浴室の入口です。

写真は撮っていませんが、洗面室の右側に独立したトイレがありました。

 

離れの部屋内にある由布院温泉の源泉から湯が引かれている浴室です。温泉の湯は、宿泊者がいる間は夜間を含めて湯が流しっ放しになっていました。この浴槽はヒノキで、普通の家庭の浴槽よりも、かなり大きなものでした。

部屋についている浴室の利用だけでも由布院温泉に入ったという満足感は十分得られると思います。

由布院の「御三家」の中で「玉の湯」と「亀の井別荘」の2つの旅館には大浴場もあります。

(大浴場と食事編につづく)