221系と811系は共にJR化後にそれまでの国鉄のイメージを払拭させるためにJR化西日本とJR九州が登場させた新世代の近郊型電車です。共にまだVVVFは採用せずに抵抗制御の延長線にある界磁添加励磁制御とサイリスタ位相制御を採用しています。しかしながらJR九州が九州では713系や783系で架線に送り返す電気が汚いなどの問題があったため発電ブレーキになっています。

 共にJR初期の車両であるためすでにアコモが近年の車両と比べると見劣りし、輸送実情にも合わなくなってきたためリニューアルが行われています。一方同時期のJR東海の311系は新型の315系に置き換えるようですね。

 

 221系は鋼製車体、811系はステンレス車体と車体の素材が違い811系は耐候性が高いためまだまだそのままでも保つため窓の色の変更と帯色の変更位のみしか車体には手を付けられていません。一方221系は鋼製車体のため大幅に手が加えられ新車同様にまで補修が加えられました。

 逆に足回りは回生ブレーキ装備しているためか221系は界磁添加励磁制御のままでパンタグラフも下枠交差パンタグラフのままですが811系はハイブリッドSiC-VVVFインバーターに交換されています。

 

 元々方向幕は221系はLEDと幕のハイブリッド、811系は幕式でしたが共にフルカラーLEDに交換されています。221系は種別幕と行先が別れており種別幕の方は元のままです。811系は両者が一体化しているため両方フルカラーLEDになっています。

 

 車内は221系が出入口付近を広く取るため列数を減らした程度に抑えているのに対して811系はクロスシートからロングシートへと座席の形態を変えてしまっています。

 内装色もJR西日本の共通仕様で221系は暖色系なのに対して811系は寒色系の内装になっています。手すりやつり革も221系はすべてオレンジになっているのに対して811系は優先席付近のみとなっていますね。

 

 この他にも共にトイレが洋式になり向かい側に車椅子スペースを設けていますが221系は大型の車いす対応トイレなのに対して811系は従来のトイレをそのまま洋式にするなどバリアフリー化に差があります。

 

 乗務員室の仕切はこの頃の車両の特徴で助手側が大きい窓が配され前面展望が良くなっているのが特徴ですね。共に前面非常貫通式のため乗務員室内にも余分な仕切はなく司会は良くなっていますが全体的に窓の大きさは221系のほうが大きいですね。

 

 入口付近のつり革を見てみると221系は車両前後方向のもののみですが811系では横方向のものが設置されているというのも違いですね。また、扉上のLEDも221系は大型のものが外付けタイプで設置されていますが811系は813系などと同じサイズのものがカバーに内蔵されています。

 

 乗務員室内の運転席部分です。共にコンソールなどは原型のものを流用してコスト削減を図っています。しかし、時代に合わせて液晶式のモニター装置が設置されましたが221系ではL字配置で割と余裕があった右側のスペースに設置しましたが811系では原型では後付で設置されていた停車駅接近予告装置を撤去して新たにコンソールを作り直して設置しています。

 運転席の構造は同じ非常貫通式でもドアがスイング扉か開き戸かの違いもあって構造が全く違うのが興味深いですね。

 

 車掌スイッチも両車ブザーなどがドアスイッチなどと別れたタイプでしたが現在の新車と同じタイプに変更されました。221系には811系にはある車外放送や選択ドアのスイッチはありませんが811系には半自動の機能はありません。