【まだ使う?】仙石線205系M17編成が改造を受け出場・配給輸送

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2020年2月15日、郡山総合車両センターで改造を施した205系M17編成が出場しました。

何年もの間、置き換えの噂が絶えない仙石線ですが、今回のM17編成は定期検査時期外ながら改造が施されました。

牽引機であるED75形とともに、仙石線の今後の車両展開を考えます。

仙石線と電化

東北地区では交流電化が主流となっているなか、仙石線だけは直流電化という異端路線として知られています。

仙石線は戦時買収により国有化された路線で、貨物列車による物資輸送・近隣の工場への作業員通勤輸送という、南武線などと同様の歴史背景を持っています。

この買収元となった会社は「宮城電気鉄道」。

社名の通り、開業当初から電化路線として開業していますが、これはそもそもの開発経緯に亜鉛鉱山の減産による余剰電力の活用があったようです。

複線化・連続立体交差事業・東日本大震災による深刻なダメージ・速達化のために“仙石東北ライン”運行などの大きな変化が近年続いていますが、2020年現在も開業時からの直流電化方式を維持し続けています。

引退の噂が出始めた205系

JR東日本では、205系山手線の世代交代にあわせ、旧来の103系・105系を205系に代替しています。

この時点で、一部の編成は2WAYシート(近鉄や私鉄のライナー列車で多く見られるクロスシート・ロングシート可変座席)を採用したほか、全編成がトイレ・半自動ドアスイッチを設置しています。

また、205系のうち中間付随車・MG非搭載の動力ユニットのみを種車としているため、先頭化改造車・SIV設置となりました。

高架化工事の予備車確保・その後の運用数確保のために103系RT-235編成がJR東日本で最後の103系として残存していたことでも知られていましたが、E233系の京浜東北線投入・南武線への209系転用と押し出される形で引退しています。

この増車分を含めて19編成体制となりましたが、東日本大震災による津波で脱線して流されたM9編成・水没したM7編成が除籍されていますので、現在の在籍は17編成です。

M7編成について、当初は修理とともにVVVFインバータ制御への機器更新を前倒しで施工することが噂されていましたが、総合車両製作所への搬入後に除籍・解体されています。

仙石東北ライン運行開始による運用数減少が直接の原因ではありましたが、その他編成にも施工計画があったとされる機器更新が取りやめとなったことから、205系の置き換えが噂されるようになりました。

置き換えの心配をよそに追加工事

置き換えの噂も絶えない205系3100番台ですが、震災前には新型保安装置ATACS対応のために運転台改造が施されています。

現在は埼京線でも使用されているこの保安装置ですが、独立した運転体系を買われてか、仙石線が導入第一号路線となっています。

そして、今回出場したM17編成ですが、石巻寄り先頭車(クハ204-3117)に線路モニタリング装置を設置しています。

今回は定期検査と別に施工されたため、外観の識別が容易ですね。

仙石線では、既にM1編成 (クハ204-3101) がモニタリング装置を搭載しているものの、2編成目の登場となっています。

同じ205系4両編成の国府津・小山車両センター配置でも、軌道変位・軌道材料と異なるモニタリングを複数編成に分散搭載としていますので、同様の経緯とみて差し支えなさそうです。

この改造や、組合資料で登場するE231系への代替にはもうしばらく時間がかかるため、向こう数年は安泰なのかもしれません。

ED75形の代替はEF81形で可能だが……

今回を含め、仙石線の205系については、交流電化となる東北本線・郡山総合車両センター~小牛田駅間はED75形・非電化区間となる石巻線小牛田駅~石巻駅間はDE10形による配給列車として定期検査の入出場を実施してきました。

現在JR東日本では、機関車牽引列車の廃止に向けた準備が進められています。

工事用臨時列車(レール輸送)の気動車化のみが既に判明しているものの、今回のような配給輸送については今のところ置き換え車両の情報はありません。

この工臨列車の気動車化は東北地区から先行して行われることを踏まえると、JR東日本の電気機関車で真っ先に置き換えがされるのはこのED75形とみて間違いない状勢です。

手っ取り早い代替車両としては、既に205系配給輸送の実施例は多数あることから、双頭連結器装備のEF81形への代替をすることが考えられます。

ただし、現在は石巻線経由で回送しているため、非電化区間を経由する必要があります。

小牛田~石巻の短区間のためにDE10形を使用していますが、これを双頭連結器装備に改造するのか、この区間だけアダプター設置とするのか。

はたまた、無電区間が設置出来なかったと言われている仙石東北ラインを何らかの方法でEF81形のスルー運転対応をするのか。

最終的に機関車自体を全廃するならば、HB-E210系やキヤE195系による牽引も選択肢でしょうか。

仙石線の交流電化への変更・代替車を定期検査のためだけに交直両用とするは現実的ではありませんので、どういった対処をするのかは東北地区の機関車代替の最大の課題なのではないでしょうか。

E231系近郊型の転用が噂される205系と、機関車牽引列車の廃止で先行きが不安なED75形。

もう1,2年程度は安泰かと思いますが、この配給輸送はどちらが先に置き換えられるか、今後の動向が気になるところですね。

YouTubeにて配給輸送の動画を公開中!

YouTube=鉄道ファンの待合室資料館に動画を公開しています。

ED75区間・DE10区間で合計4発&後追いを記録しています。

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