先日…2月3日…のことになりますが、ちょいと和歌山市内へ出かける用事がありました

目的地が和歌山市駅に程近い場所だったので、往復共に新今宮駅から南海電車を利用したのですが、時間に縛られない復路は途中の泉佐野から「ラピート」を利用しました

 

実は、昨年の10月もこの列車に乗車しており、その時の乗車記もこちらのブログで公開しているのですが、今回は初めて「ラピート」の改座更新車に乗ることができたので、改めて簡単な感想と写真を紹介しておこうと思います

 

以前執筆した「ラピート」のスーパーシート乗車記(未更新車)はこちらをご覧下さい

南海50000系「ラピート」号スーパーシート乗車記

 

なお、レギュラーシートの方も更新されているのですが、今回は実際に乗車したスーパーシートのみの紹介となります

あしからずご了承ください

 

 

 

 

横3列配置でヒョウ柄の回転式リクライニングシートが並ぶ様子は、一見すると改座前とさほど変わらないように見えますが、座席はコイト製の新品に換装されています

室内の様子はほとんど変化していないようにも見えますが、座席をよく見ていくと以前の強烈なまでの個性は随分鳴りを潜めています

 

一応、円形のモチーフなどは残されていますが、プラスチックで象られた構造になっており、貧相な印象は拭えません

シートピッチは相変わらず1200mmが確保されていますが、改座に際してフットレストやレッグレストの類は新設されておらず、脚が広大な空間を持て余す感覚も以前と変わりありません

 

こうした感想だけを書くと、座席をわざわざ新品に換装したメリットがあまり感じられませんが、大型の背面テーブルとドリンクホルダーが設置されたことだけは大きな進歩かと思われます

以前は、小型のインアームテーブルしか設置されていなかったので、座席周りのユーティリティはかなり向上しています

 

ただ、せっかく大型の背面テーブルが設置されたのに、残念ながらコンセントの設置は見送られています

テーブルにしても、N700系のように前後にスライドする機能は備わっておらず、せっかく新品の座席を奢った割には、そこはかとなく手抜きが感じられるのが残念です

 

難波~関空間の所要時間は40分ほどなので、この辺は割り切ったと考えることもできますし、コスト削減と捉えることもできそうです

とはいえ、昨今のリニューアル車両にありがちな改悪というわけでもなく、相変わらずこのスーパーシートは単なる移動を優雅な気分に変えてくれる魅力を備えた車両だと思います

 

座席の柔らかさについては、改座前と比べて僅かに劣っていますが、しっかりと体に迫ってくる座面やバックレストは快適そのもの

30分ほどの乗車が物足りないと感じてしまうのも以前と変わりありません

 

この座席に追加料金210円で座れてしまうのですから、某緑のJRに走っている横4列グリーン車の存在意義は何だろうかと首をかしげたくもなります

しかも、南海鉄道倶楽部のチケットレスキャンペーンを利用すれば、追加料金不要…つまりレギュラーシートと同額…でスーパーシートを利用することができます

 

座席自体の完成度にも左右されますが、やはりアッパークラスらしい”ゆとり”を体感できるのは横3列シートならではの魅力といえます

 

 

ヘッドレスト部分にピローが設置されていますが、この見た目に反してピクリとも上下に動きません

鉄道車両の場合、アッパークラスを中心としてヘッドレスト部分にピローを装備している車両は数多くありますが、そうした座席の多くはこれが上下に可動するようになっています

 

ところが、この座席に設置されているヘッドレストピローは固定式になっているため、体型に合わせて自分の好きな場所に動かすことはできません

程よい柔らかさなので頭が落ち着くことは確かなのですが、体型の合わない人が着座すると評価は厳しいものになるかと思います

 

 

2人がけ席の方ですが、センターアームレストにはE2系の後期車やE5系のグリーン車でお馴染みのパーツが流用されています

JR四国の8600系や今春のダイヤ改正から運転が始まるE261系でも同じパーツを見ることができますが、関西ではこの車両が唯一の採用例ですね

 

座席全体のフォルムを見ると、どことなくE5系などのグリーン車と似ているようにも見えますが、どうやらバックレストはこの系列独自の設計になっているようです

とはいえ、私自身はE5系や8600系のグリーン車に乗ったことがないので、残念ながら現時点では比較のしようがありません

 

この系列の座席換装工事は18年の9月頃から始まったらしいのですが、いまでも改座されていない車両は存在するのでしょうか?

昨年の10月に乗車した時は、旧来の座席が残っていましたが、こちらについては近々消えゆく運命にあるのは間違いなさそうです