こんにちは、ななせです♪
今回は「営団0x系」についての話題をお送りします。
―とはいっても先日長野へ旅立った03系ではなく、03系と同世代の車両についてです。
今回紹介するのは、マイクロエース製「営団05系 4次車 東西線」です。
たまに見かける模型店の在庫リストで、無かったハズのものが急に現れたことにビックリして
思いがけず注文してしまいました。
箱の中身です。
入線したのがちょうど前回の運転会前日だったため、タムタムウレタンに纏めてしまいました。
1両多くない?
製品は05系初期車のうち1991年製の4次車である第10編成。
JR車に合わせ4号車に弱冷房車ステッカーを貼っていることから、
1994年以降の姿がプロトタイプ。
車番は下記の通りです。
*「◆」は増結セット
*東葉高速鉄道への乗り入れは1996年から
←西船橋・津田沼(/東葉勝田台)
(CT1) 05-110
(M1) 05-210
(M2) 05-310
(Tc) 05-410 ◆ 弱冷房車
(Mc1') 05-510
(T') 05-610
(T) 05-710 ◆
(M1) 05-810 ◆
(M2) 05-910 ◆
(CT2) 05-010
→中野・三鷹
営団05系は1988年に登場した東西線用の新型車両です。
WS-ATCが懐かしいですね
製造数は39編成390両であり、営団最多の5000系
(426両+事故代替車2両)に次ぐ一大勢力となります。
*2004.03.31現在
当初は輸送力の増強と冷房装置を始めとした車内設備の向上、
老朽化した5000系の置き換えを目的に製造しました。
しかし、当時は銀座・丸ノ内・日比谷線などの他路線においても世代交代が始まっており、
05系の増備はそれらと並行する形となったため、思うように製造が進みません。
そのような事情で長きにわたって製造した事から、編成バリエーションは多彩を極め
車体デザインや制御装置などの走行機器類に様々な変化が見られます。
その中で今回紹介する4次車は、1991年から製造が始まった第10~14編成。
05系初期車としての外観を保つ一方、4次車から側面扉の窓を複層ガラスに変更し
ドア窓のRが従来車より少し大きく、丸みを帯びています。
また、第14編成は4次車唯一の扉幅を500ミリ拡げた「ワイドドア車」。
さらに、第14編成は南北線9000系と同じ三菱製のVVVF制御を採用しており
東西線唯一のGTOサイリスタ素子を用いたVVVF車という事もあって異彩を放っています。
それでは前面から見ていきましょう。
Sマークが付いている事で、キリっと顔立ちが引き締まっているように感じます。
帯色は「海辺からの風を受け颯爽と走る姿」をコンセプトに、東西線のラインカラーである
スカイブルーに加え、ダークブルーとホワイトをアクセントカラーに加えています。
同世代の03系や後述する南北線9000系と比べるとデザイン性は一歩引いた感じになりますが、
四角いライトケースの配置が他の0シリーズと同様に優しく穏やかな印象を受けます。

前面のスラント(傾斜)部分です。
東西線は営団内で唯一の優等列車(快速)と100km/h運転をしていることから
「スピード感」を推し出しています。
そのため、5000系が三面折妻なのに対して05系は緩い曲線を描きながら
流線形を意識したデザインになっています。
奥に並べたのは、05系4次車と同時期に登場した南北線9000系1次車。
*模型的にも同時期の発売ですね
パノラミックウィンドウを用いて丸みを強調した9000系ですが、側面からスラント部分を見ると
どことなく05系に通ずるものがあるようにも思えます。
9000系との側面比較です。
顔ばかりに気を取られると見落としがちですが、9000系は05系4次車をベースにしているため
側面を見るとそっくりな外見をしています。
それでも車外スピーカーの有無など(後述)を見ると、金型を使い回していないことがわかります。
側面設置の車外スピーカー。
(01・02系・)03系の初期~中期車に見られる通風器と間違えそうな外観をしています。
スピーカーがクーラーキセ併設になったのは9000系からであり、
05系は92年製の6次車(第19編成~)以降が該当します。
台車です。
住友製SUミンデン式SS112/012を履いています。
9000系と同時期の発売という事もあるほか、4次車の中でも第14編成は9000系と同じ
ESミンデンのSS122/022を履いていたため台車を流用しているのではと不安でした。
しかしそのようなことはなく、写真の通りしっかり差分化を図っています。
また、これらの台車は軸距が異なります。
*SS112/012→2200ミリ・SS122/022→2100ミリ
100ミリの差を単純に150で割ると0.6ミリくらいですが、
車輪を重ね合わせるとわずかに異なるのが判ります。
妻面写真です。
これもまた、同時期の0シリーズ初期車と同様に貫通扉幅は800ミリ。
05系では6次車以降から幅を900ミリに拡大しています。
また、当時の新型車両である06系を意識して妻面窓を省略しました。
妻面窓については、99年に登場した05N系である8次車(第25編成~)で復活(1か所)し、
2002年に登場した11次車(第34編成~)から再び窓は2か所になりました。
ちなみに写真左の車両は部活の後輩くんが所有するGM製13次車。
モーターから異音(=車軸押さえのオイル切れ)がするとのことで当区に入場中です。
冷房装置です。
東芝製のRPU1102を使用しています。
先述の通り車外スピーカーを併設していないため、角ばった外観が特徴です。
ただ、「0シリーズのchop車=角ばったクーラー」という認識だと今後の製品展開で
流用エラーが起こりそうなので、製品化する時は該当編成のキセをよく観察して欲しいですね…。
*VVVF仕様ですが、実際に03系のクーラーはエラー(06系の流用?)ですし
ちなみにこのクーラーは、05系(chop車の一部)・7000系(一部;RPU1102派生型)・8000系(一部)に使われています。
屋根上の列車無線アンテナです。
05系は全て国鉄民営化後に登場した車両ですから、屋根には信号炎管のほかに
JR用の列車無線アンテナを設けています。
台座が丸いのは新製時からJRアンテナを設けている車両の特徴であり、
05系以外には千代田線の06系と88年製の6000系6次車(第33編成~)が該当します。
*つまり、後期更新車仕様の6000系(第32編成)には当てはまらないという訳です
製品説明にもある側面扉を見ていきましょう。
4次車からはドア窓を単板ガラスから複層ガラスに仕様変更しており、
窓のR形状が従来車より大きくなっています。
残念ながら現状では比較対象になるモノが無いので実感が湧かないかと思いますが、
従来車の方は製造当初の国鉄90系(のちの101系)みたいな感じでしょうか?
判りづらいわ
ドア幅が05系より広いものの、03系でも同様の形態差があるため比較してみます。
上が第04編成(2次車)で、下が第29編成(6次車)です。
03系に関しても91年製の4次車(第10編成~)から複層ガラス化を行っており、
これは05系と時期・編成・製造グループが一致するという偶然…
ちなみに03系の5ドア車は3次車のうち第09編成から製造を行ってますから、
第09編成は5ドア編成で唯一の単板ガラス車になるという訳です。
次は中間車を見ていきましょう。
まずはパンタグラフを2基設けたM1車から。
側面をパッと見た感じでの印象ですが、何だか車番サイズが少し大きいような気がして
05系というよりは05N系(11次車以降)っぽくも見えてしまいます…
0シリーズ(初期車)の特徴といえば、何と言っても「高周波分巻チョッパ(四象限チョッパ)制御」。
*三菱THB-1L-16
*4象限→4Quadrant:4Q
私も日比谷線沿線民ですから03系のチョッパ音は馴染み深いですし、
鉄道に全く興味のない弟ですらたまに「ヘンな音がするよね」と口ずさむ程でした。
4Q-chop制御は初期営団0シリーズのシンボルといっても過言ではありませんが、
どういう訳か模型界ではVVVF仕様の中期~後期編成ばかりであり、この仕様で出すのは珍しいです。
反対側(第1エンド)に回ると、4Qチョッパの心臓部にあたる
界磁チョッパとゲート制御部があります。
当区では界磁チョッパを抵抗制御の仲間として分類していますが、
「なんで電機子チョッパの中に界磁チョッパが?」と思う方もいるかもしれません。
4Qチョッパは、モーターの電機子を制御するチョッパ装置に加えて、
モーターの分巻磁界を制御する界磁チョッパがブリッジ回路に4つ取り付けられています。
これにより、「前進力行/制動」・「後進力行/制動」の運転モードを
4つのチョッパ装置を用いて連続・円滑に行うことができます。
こちらはM2車である05-310号車。
M2車では、空気圧縮機(CP)と電源装置であるDC-DCコンバータなどを搭載しています。
*電源装置のSIV化は6次車から
営団用の誘導無線アンテナを設置している05-410号車(Tc)。
編成の真ん中にあるため、可搬式の簡易運転台があります。
4号車は94年製の7次車(第22編成~)からJRに合わせて弱冷房車になっており、
そのことから従来の編成も同様に4号車を弱冷房車としました。
パンタ1基の05-510号車(Mc1')。
こちらも05-410号車と同様に簡易運転台があります。
0シリーズは先述の通り4象限チョッパの導入により、高粘着化を実現したことで従来のchop車
(千代田線6000系)が6M4Tだったのに対して5M5Tで同様の加速度を出せるようになりました。
以上のことから、Mc1'車は1C4M1群制御の車両であり
単相チョッパ装置(三菱THB-2L-19)に加え、CPも搭載しています。
そしてこちらは05-610号車(T')です。
基本的な床下機器類は先述のT車とTc車がベースになっており、
T'車である05-610号車はBT(蓄電池)を搭載しています。
点灯チェックです。
こちらも9000系と同時期に発売したものですから、ヘッドライトについては覚悟してましたが…
案の定プリズムがどぎつく着色された末期色です。
これほどプリズムが着色されていると、いつものように単純にLED交換しただけでは
どうにもならないのが難点ですね…
こちらは付属のステッカー。
パッと見では無難な組み合わせ―ですが、注目すべきは写真では見づらいルビの部分。
実はコレ、前面は駅名に対して英字ルビがあるだけでなく、
「地下鉄直通」の標記がある東葉高速乗り入れ前の仕様になっています。
快速幕とかを見ても快速の下は「地下鉄直通」になっており
側面幕に関しても英字ルビではありません。
これはどれにしようか悩む価値があると思います。
ちなみに列番に関しては数字フォントが車番と同じくニューヨーク地下鉄風になっていますが、
列番にこのフォントを使っていたのは03系までですから、少し違和感があります。
さて、ここから先は簡単な整備を行っていくので
レビューだけで十分な人はここでお別れです。
まずはアンテナ類の交換です。
アンテナは台座部分をそのままにアンテナ本体とビスのモールドを削り、
KATOのJR無線アンテナ(例えば#Z04-3224など)の台座を極限まで薄くして組み合わせました。
本当なら千代田線16000系(前回品)のアンテナがあればよかったのですが、
入手困難になっているため代用品でそれっぽくしました。
写真の通り、本来は台座から直接生えているため、
ビス周りが盛り上がっていることに違和感が残ります。
ただ、16000系アンテナもどことなくほっそりしてますから
何が最適解なのかイマイチよくわかりません。
*「何も手を加えない」ことが究極の最適解だと思うよ
また、無線アンテナの台座は少し浮かせて取り付けるとより実感的になります。
目安としては、台座を信号炎管のビスモールドあたりに合わせるといいかもしれません。
信号炎管は0.8ミリに取り付け穴を拡げ、これまた16000系用パーツである#Z04-6122を取り付けました。
これは103系などにも使えますから汎用性の高いパーツだと思います。
ただ、TOMIXのHG製品のようにお察しクオリティなパーツに見慣れていると
最初は大きすぎて逆に違和感を覚えるかもしれません。
次に末期色ライトをどうにかしていきましょう。
他のブログ記事で9000系のライト交換を行っていた方がいたので
そのやり方を参考にしながらライト改善を試みました。
使用したのはΦ0.75ミリの光ファイバー。
それを曲げてライトケースにGクリヤーで接着しました。
その際、端面を#1000~#1200のペーパーで整え、「神ヤス」の#4000~#10000番で
透明感が出るまで磨いていきます。
車体を戻して点灯チェックを行うと、イマドキの車両みたいな
真っ白ライトになりました。
導光プリズムが透明になったら、あとは恐れるものは何もありません。
ヘッドライト用のLED(基盤にL2と書かれている方)を2×3×4の電球色角型LEDに交換します。
*品番#LP-234NW4SCYY
ライト交換後は元のLEDに倣って、黒い絶縁テープを巻いて遮光しました。
ビフォーアフターです。
方向幕の白飛びを防ぐため出力は40%くらいですが、ライトの色だけでなく
光量も一定の強さを確保することができました。
ちなみに散々迷った行先については、行徳ゆきを選択しました。
「地下鉄直通」標記も魅力的ではありますが、やはり妙典駅開業前の
下妙典信号所で折り返す運用が決め手となりました。
*少し前なら地下鉄博物館の5000系シミュレーターで見ることが出来たのですが…
ちなみに列番については先述の通り文字フォントが変だったので、クロスポイントの
5000系用ステッカーにちょうど41S運用が入っていた事も相まって、そのまま使いました。
ということで、以上がマイクロ製営団東西線05系4次車のレビューでした。
まだまだ抵抗制御車の方が圧倒的多数ですから、爆音まき散らす車両たちの中に
時たま現れる新型車両というポジションになっていくと思います。
ちなみに103系の方は、行先パーツを黄色帯仕様のものに交換してエラー修正しています。
それでは今回はこの辺で。
ご観覧ありがとうございました♪