本日1月22日は、関西圏の新快速のライバルとサービスの格差を打開する切り札として導入された「117系」と福岡市営地下鉄に乗り入れる車両のイメージを一新した「303系」がデビューした日です。

今回は前述の車両についてご紹介させていただきます。

【国鉄117系】
1980年1月22日に117系が営業運転を開始しました。
117系は私鉄との競争が激しい関西圏において、国鉄が新快速のグレードアップのために登場させた車両です。
競合する京阪「テレビカー」初代3000系(上写真 / 富山地方鉄道10030形)と阪急6300系に、2扉転換クロスシートを備えていたのに対し、国鉄153系は背もたれが垂直に固定されたボックスシートでサービス面で劣っていました。
阪急6300系
デビュー当時からの塗装は、国鉄時代の近郊型車両の塗装に関するルールを打ち破り、戦後間もない頃に使用されたクモハ52系に準じたクリームに茶色の帯という専用色となり、その後に105系などで地域固有色が採用される先駆けとなりました(左下の人物は旅行に同行した中学時代の悪友)
クモハ52系(吹田工場)
スプリングが効いた弾力ある転換クロスシートは好評を博した
1982年には名古屋・浜松地域にも投入され、主に快速列車で使用されました。
新快速の最高速度を115km/hに引き上げた、1990年3月10日のダイヤ改正から新たに福知山線(JR宝塚線)での運用を開始することになり、48両(6両編成8本)が福知山色(クリーム10号に緑14号の帯)に塗装変更された
その後221系(上写真)や223系などの後継車両が誕生し、新快速の運用から外れ編成を短縮した上で奈良線、福知山線に車両が転属しましたが、さらに追い出されて湖西線・山陽本線(岡山地区・下関地区)・紀勢本線・和歌山線と、主に地方路線へと運用範囲を移しています。
湖西線で活躍中の117系
紀勢本線などに使用された117系(引退)
山陽本線 岡山地区で活躍中の117系
下関地区の117系は2016年1月までに岡山地区などへ転出
2019年3月16日改正では、和歌山線や紀勢本線で活躍していた車両が引退
JR東海の117系は一般車が2013年3月16日のダイヤ改正で定期運用から引退、一方、リニア・鉄道館ではクハ117-30、モハ117-59、クハ116-209 が保存されましたが解体されました。
今後はJR西日本が117系6両1編成を「新たな長距離列車」に対応した、大幅な改造を施した「WEST EXPRESS 銀河」を2020年春の運用開始予定です(画像はJRおでかけネットから抜粋)

【JR九州303系】
2000年1月22日に、JR九州303系が営業運転を開始しました。
営業運転初日に行われたダイヤ改正による増発で導入された303系は、乗り入れ先の福岡市営地下鉄空港線でも車掌が乗務している103系1500番台(上写真)に対し、303系はATO(自動列車運転装置)を搭載したことで、地下鉄線内でのワンマン運転が可能となりました。
103系1500番台は2004年以降303系に準じた塗装となり、現在は3両編成が筑前前原と西唐津の間でワンマン運転されています。
デザインは水戸岡鋭治が手掛けており、機器類など基本的な構造面では同時期に製造された815系(上写真)に準ずる部分が多く、弾性床の採用により床下からの騒音防止を図っています。

投入本数は、筑肥線の下山門~筑前前原間の複線化に伴う増発用2編成と、2002年9月20日ダイヤ改正に併せ追加投入された1編成の、合計3編成のみにとどまりました。

今日は関西圏と福岡近郊に新しい風を吹き込んだ車両がデビューした日でした。

今回も最後までご覧下さり、ありがとうございました。

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