【埼玉高速】8両化準備?相鉄直通改造?2000系が新木場CRへ入場へ

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2022年度の開業を目標に工事が進められている、東急新横浜線・相鉄新横浜線。

JR東日本・埼京線との直通運転フィーバーもひと段落したばかりですが、次のビックプロジェクトの準備が各社で順次実施されています。

増結や乗り入れなどに一番難色を示していた埼玉高速鉄道ですが、2020年1月15日に自社所有の2000系2104編成が東京メトロ・新木場CRに入場して注目を集めています。

同世代のメトロ車より早い新木場CRへの入場

今回入場した新木場CRは、車両のリニューアル工事などで多くの実績を持つ車両基地兼工場です。

同じ関東圏だと、JR東日本の総合車両センターのような技術力を有している一方で、定期検査は千代田線の綾瀬工場で行うという分業がされている点が東京メトロ特有でしょうか。

最近は南北線9000系のリニューアル(B修繕)を順次施工しているほか、かつては東急各線を長距離回送して半蔵門線の8000系を、更にはJR貨物に甲種輸送(貨物列車として輸送)を依頼して東西線に転出した07系を呼び戻して05系同様の修繕を施しています。

埼玉高速鉄道の開業は2001年と比較的新しく、東京メトロ南北線のほとんどの車両に比べて車齢が若い車両たちです。

東京メトロでも9000系のリニューアルが進められていますが、区間開業で最初に投入した初期車グループの更新途上となっています。

現在のところは車両更新などを手掛ける新木場CRに入場したこと以上は明らかになっていませんので、どのようなメニューかは不明なものの、わざわざ新木場へ回送している以上は何らかの改造を施すと考えられます

入場時期の早さが気になるところですが、埼玉高速鉄道の予算都合などが考えられます。

編成保有数が東京メトロに比べて少ない同社では、一気に改造を施すだけの余力はないでしょう。

それどころか、開業以来の赤字体質となっていますので、予算に余裕があるとも考えにくいです。

一方の東京メトロですが、車両調達計画の車両数から9000系の4次車(D編成)以降に増結をする計画があると考えられます。

増結対象編成のリニューアルは2022年上半期のホーム等の対応完了後~増結時に一気にやる算段だとすれば、初期車から施している現状も妥当でしょう。

2022年度までの直通各社局の車両計画

相鉄:20000系10両編成・8両編成を製造(在来車代替を兼ねる)

東急目黒線:3020系8両編成増備・既存車両も何らかの方法で増結(詳細未発表)

東急東横線:詳細は一切公表していないものの、4111Fが登場

東京都交通局:新型車両を8両編成で製造・1,2次車を代替?3次車は従来区間で使用

東京メトロ:車両調達計画から4次車(D編成)以降が増結対象か

他社局車両の動向については関連記事で詳しく記しています。

マニアックな目線では、今回の入場回送の列車番号が面白い事態となっています。

定期検査を委託している東京メトロ綾瀬工場へ入場するときは、東京メトロの列車番号・運用記号“S”を付けて有楽町線市ヶ谷駅~桜田門駅・千代田線霞が関駅~北綾瀬駅のルートを走行してます。

その一方で、有楽町線市ヶ谷駅~新木場駅間を今回走行していますが、埼玉高速鉄道の“M”の列車番号・運用として設定されています。

この“M”という記号、有楽町線・副都心線系統では西武鉄道車両が使用しています。

そのため、本来なら重複しないために同一記号が付与されていたはずが重複してしまった……という珍しい事態となりました。

東京メトロ側の取り扱いとしてもややこしいはずですが、実際に走行している以上は大きな問題ではないのでしょうか。

また、この取り扱いの違いは車両の貸し借りで支払う金額が異なるのかなど、なぜわざわざ従来と違う取り扱いとされたのかには疑問が残りますね。

入場経緯の何らかのヒントとなるかもしれません。

直通に使用?増結はする?

今回の埼玉高速鉄道2000系入場のポイントとしては、やはりどのような改造が施されるのかでしょう。

考えられる改造メニューを列挙すると、主制御器などの床下機器更新・内装リニューアル・8両化準備工事・相鉄直通機器設置など、思いつく候補がいくつもあり、現時点での推測は難しいところです。

最大の注目どころは8両化の準備工事・相鉄直通機器の設置の有無です。

東急・相鉄の目黒線~新横浜線系統車両はすべて8両編成で準備されており、東京都交通局も目黒以南に乗り入れる列車は8両編成の新型車両(6500形?)と追従しています。

発表が遅れた東京メトロ・埼玉高速鉄道についても、同様の動きとなるとみて間違いなさそうです。

少なくとも既に開業している羽沢横浜国大駅のホームドアが8両・10両にのみ対応しているので、6両のまま乗り入れることはないとみて間違いないでしょう。

ホーム等の8両化・他社の8両編成が乗り入れてきても、理論上は埼玉高速鉄道は保有車両の8両化をしなくとも問題はありません。

相鉄から車両を借りている分はその分2000系をメトロ・東急に多く貸し出す→両社が相鉄に多く貸し出す……という玉突きで、埼玉高速鉄道は乗り入れ車両の走行距離清算を行うこと自体は可能です。

車両数の少ない埼玉高速鉄道としては、車両運用の都合を考えると、6両か8両のどちらかで統一したいところです。

利用者数・経営状態を考えると、6両のままで2000系の相鉄乗り入れをしないで済ます可能性は決して低くないでしょう。

これらのメニューを除外すると、機器更新工事が目的となるでしょう。

内装については、既に試験運用のデジタルサイネージ設置を自社施工していますので、その周囲は触らない可能性が高そうです。

今後の車両計画は政治状勢次第!?

既にデジタルサイネージでの広告配信試験が行われているなど、まだまだ今後の活躍が期待される埼玉高速鉄道2000系。

経営が芳しくないことを考えると、当面は使い続ける以外の選択肢は出てこないでしょう。

現在、埼玉県・さいたま市を中心に埼玉高速鉄道の浦和美園駅以北の延伸の動きが活発化しています。

これが具体化し、着工~運転開始となれば、埼玉高速鉄道の輸送体系が劇的に変化します。

そのころには21世紀生まれの2000系も30年程度経過する形になりますので、延伸区間用の新形式投入とともに既存車の代替とすることが可能です。

自己資本で新路線を作ることとは異なり、政治的な動きに左右されるところですので、埼玉高速鉄道側としてはこの方向が決まるまでは2000系を使い続ける狙いがありそうですね

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画像元ツイート紹介

今回の画像は、フォロワーの保線鉄のいっくん様(@ikkun_train)から入場回送のお写真を許可を得て掲載させていただいております。

背景が新木場駅特有の風景で、埼玉高速線などの普段の営業区間とは異なる雰囲気ですね。

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