4
近畿日本鉄道は1月6日、公式プレスリリースを発表し「河内長野駅」に設置されている近鉄最後の『字幕式発車標』が引退すると発表した。
95DD5AD9-47FA-4907-8617-1CA66B839FCE
(近畿日本鉄道公式プレスリリースより)

現在、近鉄河内長野駅のホームに設置されている発車標は列車の種別と行き先・接続案内を1コマに収めた字幕式の個体が使用されている。このタイプは両面の表示を1枚の幕に組み込んでいるため、動作中に反対側で使用する表示が上下逆さまに表示されるのが特徴。
このタイプは阪神電車「尼崎駅」にあったものも知られているが、そちらは2008年9月に阪神なんば線開業に向けた改良工事に伴い撤去されている。


近鉄では、1月30日を以って字幕式発車標の使用を終了し新型(現在近鉄各地の主要駅で使用されているLCD式)への換装が行われる見通しで、1月23日から記念台紙付入場券(1枚160円:限定300枚)を河内長野駅改札口で発売する。また、河内長野駅には特設コーナーも設けられている。


近鉄公式プレスリリース:https://www.kintetsu.co.jp/kanko/kanko_info/news_info/kawachi-nagano_20200106.pdf

 
鉄道コム 

にほんブログ村 鉄道ブログへ




 
【解説:LED・LCD以外の方式の発車標】

駅の発車標といえば近年「LED式」「LCD式」の2種類がメインで使用されており、列車運行管理システムと連動して様々な情報を案内することができる。そんな中でしぶとく残り続けている旧世代の発車標が残っていたりする。

[字幕式]
95DD5AD9-47FA-4907-8617-1CA66B839FCE
(画像:近鉄長野線・河内長野駅 ※公式プレスリリースより)
字幕式は予め印刷された表示面を回転させて表示するもので、列車本数の少ない駅や常時同じダイヤが組まれている駅では「発車時刻・列車の種別行先・発車ホーム」の情報を1列車1コマで表示することがあるほか、端的にいえば発車時刻だけを表示する簡易的なものも存在する。列車本数が極端に多い駅では「発車時刻・列車の種別・列車の行先・発車ホーム」をそれぞれ分割することで臨時列車など様々な列車のパターンを作ることも可能である。

[行灯式] 
03B9D5EE-794A-4B04-840F-0FD86D639E90
(画像:阪急千里線・千里山駅)
行灯式は、列車の行先や種別などの情報をパネルに印字し、必要に応じて点灯させる事で列車の情報を掲示する比較的単純なシステムである。始発駅などにある「『先発』列車がどちらのホームから発車するか」を表示するだけのものから「『種別・行先・発車順序など』をそれぞれ別々に点灯させることができる」複雑な案内が可能な機種まで様々な形態が存在している。

[反転フラップ式]
4A7FAD3F-E3C8-4633-8F15-63759EEB6DEB
(画像:阪急宝塚線・川西能勢口駅 ※現存せず)
反転フラップ式発車標は、フラップを回転させることによって列車情報を表示するシステムであり、フラップ駆動部以外は長持ちし長期間の使用にも耐えられるほか・電照式(LED・LCD・行灯・幕)よりも消費電力が少なく省エネ性能に優れることが利点となっている。