3450形と銘打っていますが、現在は前身の目黒蒲田電鉄モハ510の製作中です。

前回の続きになります。

すでに新年のごあいさつのTOPを飾っているように、試作品そのものは出来上がっております。
そして、1/8にもDMMの出品審査が通り次第発売できる見込みです。

その前に試作品の様子をご紹介しましょう。

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まず、試作品のセット内容から。
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すでにサフを吹いてしまっていますが、納品状態では未塗装です。
セットは、ボディ、屋根板、床下機器、床板、排障器&ジャンパ栓の5種で、台車はGMのD-16台車を使用します。

弊社では以前発売したデハ3450や3452用に日車BW台車を製作していますが、コロ軸受け改造後のものをプロトタイプとしており、軸受け形状を考えるとGMのD-16台車の方が適任なのです。

まあ、平軸受け版BW台車を設計してもよいのですが……ねぇ……?
転がりはGM既製品の方がやっぱりいいです。


前面です。
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ダミーの自連はボディ側にモールド済みです。
並自連の形状をしっかりと再現しています。

他社製カプラー等をご使用の方はカットしてください。
まあ、この形式ではあまりカットする必要はないかもしれませんが……

最大の特徴は何と言っても運転台側の巨大な庇です。
戦時中に金属供出で取っ払われてしまいましたが、ごついリベットやテールライトと共にモハ510らしさを醸し出している部分です。


ボディ側板
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どうでしょうこのリベット表現!
繊細かつ適切なサイズ感で嫌味の無い仕上がりとなりました。
ヘッダー部分も3450形に更新される前の2段形状になっているのがわかりますでしょうか?

客窓も、更新後の3450形と比べ100mm天地寸法が短い形状をもちろん再現。
客用扉のノスタルジックな形状がたまらないですね^^


排障器&ジャンパ栓と床下機器
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排障器やジャンパ栓周りも再現。
開放てこ受けもモールドしてあります。

床下機器は、トミーテック鉄道コレクション TM-05R動力ユニットの組込を考慮し、機器裏側を欠き取ってあります。
動力化の際もこちらの床下機器部品をそのまま動力ユニットに貼り付けていただければOKです。

主制御器やCP形状など、わかる範囲でがっつりと設計しています。


屋根板
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なんといっても特徴なのがこの予備パンタ台。
モハ510時代はランボードが2本並列だったようで、そのあたりも発売中のデハ3450最晩年タイプと作り分けています。

屋根リベットも実に美しく表現されており、3Dプリントの性能の良さを感じます。

この試作品では一点修正点があり、半ガラの位置が端部に寄りすぎていたため、製品版では少し内側(車体中心側)によせる設計変更を行っております。


完成例
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一気に完成例まで飛んでしまいましたが、まあ後は組み立てて塗装するだけですので……

先のOER5000形と違いスナップフィットは採用していないため、従来通り糊代に接着剤を塗布して組み立ててください。
ただ、ボディが16m級と短く、1両分しか造形しないため、反りや歪みは比較的気にならないと思います。ということは修正も容易です、


少し寄って
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前面の折妻部分に積層痕が見えますが、いつも通り#400~#1200あたりで平滑処理すればよくなるでしょう。
行先や"ドアーエンジン装置車"といった物珍しい表記も全て自作プリント品です。
しかしナンバーはどうしましょうか……?

パンタ後ろの避雷器も古めかし木製の避雷器を再現しています。
庇も微妙な庇上部の円弧ラインをいい塩梅で描けたと思っていますが、いかがでしょう?

幼少期から高津時代のモハ510を見てきて、宮崎台に移ってからもよく目にしてきたあの保存車が、こうしてリアルな形で模型化できることはこの上なく喜ばしいことです。

最後に、昨年発売したTKK旧型車並びを。
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Twitterにも上げましたが、こうしてみると意外とカラフルですね(笑)
しかし3Dプリントでこれらの車両が簡単に生み出せてしまえるとは……

昨年は、新たな潮流が鉄道模型という世界で大きなうねりとなっていることを身をもって感じさせられた1年でした。

一昔前、というかほんの数年前まで、切継ぎに次ぐ切継ぎでフルスクラッチする勢いで造らなければ手に入らなかった模型たちが、今こうして1年の間に3種も生まれてしまうのですから。

もちろん、3DCADが今後1・2年で末端ユーザーまで広まるとは考えにくいですが、細かい形態差が多い・気になる鉄道模型にぴったりの製法といえますし、3DCAD&3Dプリントのハードル自体も年々と下がってきている現状、そう遠くない未来に一定のシェアを獲得できるのでは?なんて思ったり思わなかったり……(笑)


それでは、次回は新製品発表でお会いしましょう!
さらにその次はデワ3043! お楽しみに!