【東海道新幹線】最新型N700S系が7月1日にデビュー!ダイヤ・今後の展開

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日本の大動脈、東海道新幹線。

2020年3月に第四世代の700系が姿を消しますが、既に第六世代「N700S系」の営業運転開始が7月1日スタートと明らかになっています。

既に報じられているN700S系の魅力をお伝えするとともに、今後の東海道新幹線の進化の展望を考察します。

2020年7月1日の運用は下記の2往復です。翌日以降の運用は前日に公式発表です。

・下り のぞみ1号・3号

・上り のぞみ26号・46号

見た目は似ているがしっかり進化!N700S系の特徴

N700Sは、従来のN700系シリーズとして最高の新幹線車両を意味する「Supreme」(スプリーム)の頭文字「S」が付与された、N700系開発以来のフルモデルチェンジ車両です。

外見はN700系にそっくりの車両となっていますが、車内サービスなどの利用者への配慮が嬉しい車両となっています。

700系では車端部、N700系では車端部に加えて窓側座席に整備されてきたコンセントが、N700S系では遂に全座席に設置されています。

今や優等列車で活躍する鉄道車両の標準的な設備でもありますが、高速走行する新幹線ではなかなか全席分の電源確保が難しい状態でした。

JR東日本の東北新幹線用のE5系が窓側のみのコンセント設置となり、北陸・上越新幹線用のE7・W7系が全席設置となったのも、速度差が背景の給電の都合がありました。

北海道新幹線用のH5系で照明のLED化が行われたことにより浮いた分で全席コンセントが設置されたことも知られていますね。

今回のN700S系の見えないところながら最大の特徴は、走行機器類が最新技術のものに一新された点で、小形軽量化・省エネルギー化・騒音の低減が実現されています。

全席コンセント設置についても、この“見えない改良”の副産物でしょう。

また、座席についても更なる改良が施されています。

座面も連動して沈み込む構造とされており、長時間の乗車となる新幹線車内で快適に過ごす工夫がされています。

各車端部にある案内表示器についても、フルカラーLEDの現行車両に対し、液晶ディスプレイに変更されたうえで大きさも約1.5倍と見やすさ・情報量が向上しています。

液晶ディスプレイ導入と同時に多言語対応する事業者が多いなか、日本語・英語の2ヶ国語対応に留まっていますが、長年のJR東海の強い拘りなので現行通り変更されていません。

車両の揺れについても更なる工夫がされています。

油圧ポンプの力で揺れを軽減するフルアクティブサスペンション(制振制御装置)が新たに設置され、揺れが強い両先頭車両のほか、パンタグラフ設置車両、グリーン車に設置されています(従来形式はダンパーに依るセミアクティブ〜方式)。

JR東海の営業上の設計変更として、将来的な需要変化・派生形式・国内外の標準車両という機器構成が挙げられます。

従来の新幹線では「第三世代」300系のぞみ号以来、一貫して16両1323人構成を貫いてきました。

JR西日本単独開発の500系新幹線が、最大限構成を寄せる工夫をしたものの、微妙に異なる構成から追い出されてしまったことは有名なエピソードですね。

今回の試験車・量産車ともにこの仕様を踏襲しているものの、試運転では既に8両編成での走行も実現しています。

営業運転初列車はどのダイヤ?

2020年3月改正の明細な時刻を待たなければならない現段階では、どの列車が1番列車になるかを推測することは難しいでしょう。

過去の傾向では、看板列車に充当する例が多くみられています。

前回のN700系デビュー時には、それと同時に運転を開始した品川6:00発ののぞみ99号と、東京駅6:00発ののぞみ1号などが1番列車となりました。上り列車についても同様です。

各駅から同時に新型車両が動き始めることで、ファンを各地に分散、本来の顧客であるビジネス層・行楽需要の利用者に配慮した……のかは定かではありませんが、このスタートが最も合理的でしょうか。

少なくとも、三島発のこだま号が1番列車……みたいな運用は過去の傾向から考えにくいですね。

全席禁煙(喫煙ルーム設置)とされたため、一般利用者へのアナウンスが大々的にされたN700系ほど告知に力は入れないかもしれませんが、看板路線の新型車両デビューですので、今後何かしらのアナウンス・イベントなどが行われるでしょう。

次の大きな転機は2027年?

半世紀以上もの間、様々な進化を続けてきて、既に申し分がないくらい成熟した路線……というイメージの強い東海道新幹線。

2020年からしばらくの間、車両面では引き続き世代交代が続けられることとなります。

一方、ここ数年は700系淘汰とともにのぞみ号のダイヤ修正が続けられてきましたが、700系の置き換え完遂・新型車両デビューと大きなイベントを終え、今後7年間は新大阪以東についてはダイヤの大きな変化がない安定期になると考えて間違いないでしょう

次の大規模改正のタイミングとして、2027年には東海道新幹線開業以来の一大イベントとなる、リニア中央新幹線の品川~名古屋間開業が待っています

JR東海にとっては、新しく出来たリニア中央新幹線を推したいところかと思いますが、大きなキャリーケースを持ったインバウンド層や、新横浜駅利用層などは引き続き東海道新幹線を選択することでしょう。

どれくらいの利用者がリニアに移行するか、部分開業ということで需要の見極めが難しそうですね。

開業後のダイヤについては明らかにされていませんが、東名間完結の移動需要の多くがリニアにシフトすること、乗り換えの手間があっても早さを重視する層が一定数出てくることを考えると、2020年3月改正の特徴であったのぞみ号12本ダイヤが維持される可能性は低そうです。

また、長年の「のぞみダイヤ」のしわ寄せを受け続けていた静岡県内通過駅のユーザー・沿線住民からは、こだま号・ひかり号の大幅な増加に期待が集まっています。

博多方面直通便を中心にのぞみ号の体系を維持しつつ、空いた分で停車便を増強する……といった展開が無難でしょうか。

JR東海は、鉄道事業について無謀なチャレンジをしない堅実な会社ですので、初年度から挑戦的なダイヤとせず、利用動向をみて調整するのではないでしょうか

2027年時点ではN700系として製造されたX80編成までの淘汰、N700A系として製造されたG編成の維持あたりが妥当な年数ですので、N700S系の短編成化がされることはあっても、短編成化想定ではない機器構成となっている在来車・N700A系はのぞみ号の第一線で16両のまま運用される可能性が高そうです

ファンからは、短編成化にあわせて九州新幹線直通便の登場に期待もありそうですが、N700S系の座席配列・直通需要の少なさを考えると可能性はあまり高くなさそうです。

しばらくは単純な編成単位の置き換えが続けられるかと思いますが、0系・100系以来の東海道新幹線の大規模な編成組み換えがどういったものになるのかを想像しつつ、N700S系のデビューを見守りたいですね。

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コメント

  1. ハピタス より:

    新型車両で
    スーパー新幹線を作ってほしいです。
    のぞみ99号とのぞみ1号で。
    東京‐名古屋‐新大阪‐広島‐博多

  2. RYU より:

    N700S系の8両編成なら、JR西日本とJR九州が作りそうですけどね。
    西:500系と700系の8両編成を置き換え用かつ九州新幹線用の車両と共通運用を出来るようにするため。16両編成はN700A系に統一し、N700S系16両編成は足りない分のみ最小限の製造。
    九州:検測車も兼ねている800系の置き換え用かつ、N700系と同じ8両編成にすることで全列車が共通運用を出来るようにするため。
    鉄道趣味的にはつまらないでしょうけど、運用効率的にはこうなるんしゃないですかね。

  3. RYU より:

    書き忘れたので追記。
    現行のN700系8両編成の座席配列が東海とは関係なく西日本・九州の独自配列なので、N700S系で作ってもこれに追従する形になるはずなので、問題にはならないでしょう。