香深港で再びバスに乗り換えます。
礼文島でも乗るのは宗谷バス。
香深港を出たバスは島の東岸を通る道道40号線を走ります。
赤い鳥居の建物が見えてきました。
「見内神社」という名前で、その特徴は本殿が海の方を向いていること。
参道も写真のように神社を回り込む形になっていて珍しいですね。
少し進んだところで金環日食観測記念碑。
こちらは1948年5月9日、日米の観測隊によりここで金環日食が観測されたことを記念して建てられた碑。
幅1kmしかない金環帯(金環日食が見られる範囲)がここを通ったことにより賑わったらしいです。
観測隊の輸送のために東京~稚内間直通の臨時寝台列車が走ったという記録も残っているそうです。
(未確認情報。当時日本は占領下だったことからGHQによる設定だった模様)
個人的にはかなり気になる話なんですが…
もし、この臨時寝台列車についてご存じの方がいればお知らせください。
礼文島唯一の発電所「礼文発電所」
道が内陸に入ると今度は礼文島で一番高い山、標高490mの礼文岳が見えてきました。
標高は低くとも天候が急変することがあり、安易な登攀は厳禁なようです。
さらに進むと湖が現れました。
久種湖です。
海、山、湖と移り変わっていく景色を眺めていると、最初の目的地・澄海岬の駐車場に到着しました。
バスを降りたすぐ近くには売店があって、そこには
(タレ付)トド串なる文字が。
トドといえば思い出すのが大分市の「うみたまご」(水族館)。
そこで芸をする巨体のトドを見たことあります。
トド=食というイメージが結びつかない私ですが、ガイドさんによるとこの店のトド串、実はかなり有名だとか。
「ぜひチャレンジしてくださいね」ということですが…さてどうしましょうか(笑)
とりあえず先に澄海岬へ向かうことに。
この道を登っていきます。
話によると、ここは強風が吹き付けることが多いそうで…こんなに穏やかなのは珍しいそうです。
道端を見れば、いろいろな花が咲いています。
コガネギク(ミヤマアキノキリンソウ)。
レブントウヒレン。
キタノコギリソウ。
この面白い形の植物はレブンイワレンゲ。
あちこちに自生していました。
このように高山植物をあちこちで見ることができます。
礼文島は夏~秋にかけて高山植物が花を咲かせ、それを目的に多くの観光客が訪れます。
「花の浮島」と言われる所以ですね。
そうこうするうちに、だいぶ高いところに登ってきました。
頂上には「澄海岬」の標柱が。
ここが澄海岬と名付けられた理由はここから見る景色にあります。
このように澄んで底まで見える入り江。
その美しさを堪能できることからつけられた名前みたいです。
一度見たら忘れられない風景ですね。
外海のほうの眺め。
しばらく景色を眺めて、再び階段を降りていきます。
帰りにはエゾオグルマも見ることができました。
さて、先ほどの売店の前に戻ってきました。
せっかくなのでさっきのトド串、買ってみます。
買うとトドのぬいぐるみと一緒に撮影できます。
こちらがそのトド串。
食べた感想ですが、独特の磯臭さ、そして肉質はパサパサとした感じ。
…まあ、話のタネにはなりましたね(笑)
礼文島へ行かれた際は試してみてはいかがでしょうか?
バスに戻り、続いて向かうのはスコトン岬です。
途中レブンアツモリソウ群生地を通過します。
レブンアツモリソウは礼文島の固有種の野生ラン。
5~6月に淡いクリーム色の花をつけるそうです。
海を見下ろす細い道を進み、バスはスコトン岬に到着しました。
最北限の地・スコトン岬。
緯度的には宗谷岬のほうが北にありますが、北の果てというイメージはこちらのほうが強いです。
バスを降りて岬へと歩いてきます。
途中、民宿を発見。その名も「スコトン岬」です。
歩くこと数分で岬の突端に到着しました。
天気によってはサハリンまで見えるらしいですが、この日は見えず。
それより気になるのがこの標柱に突き刺さった数多くの1円玉…
しかも風化していますし…
岬の向こうに見える島はトド島(海驢島)。
スコトン岬の北方1kmにある無人島で、毎年11~4月にかけてトドがやってくるそうです。
それではバスに戻りましょう。
ちょうど宗谷バス礼文線の路線バスが発車して行きました。
駐車場からは利尻富士(左)、礼文岳(右)を一度に眺めることができました。
それでは、今回はここまで。
続きは次回です。