JRとの相互直通運転開始を前にした2019年10月、相鉄7000系は引退した。最後の1編成である7710Fは、10月14日に相模大野駅の撮影イベントで展示され、その直前の時期まで相鉄線内を走行していた。
相鉄7000系は、晩年は8両編成(2019年GW期のみ10両)となっており、原則として8両編成専用の運用に就いていた。そのため、各駅停車や湘南台方面へ行くことが多かった印象がある。
本記事では、ここ数年で筆者が撮影した相鉄7000系の写真とともに、簡単に7000系の活躍の一部を振り返りたい。
8両編成となった7000系は各駅停車の運用に就くことが多く、それゆえ横浜駅では1番線に入線することが多かった。JR直通のダイヤ改正前、特急湘南台行きが走っていた頃には、いずみ野や星川で特急を待避するケースも多かった。
特急の運転開始時には、いずみ野線系統の特急に8両編成が充当されることも多く、7000系が特急として走る姿も話題になった。
特急運転開始から1年経っていずみ野線系統の特急が1時間毎に減便となった際、いずみ野線の特急は星川で各停を通過追い越し・いずみ野駅で緩急接続を行うようになった。この写真は湘南台行き特急も8両編成の時代だが、JR直通の直前の日中ダイヤでは10両編成の比率が多くなった。そのダイヤ下では特急は原則10両だったものの、主にいずみ野駅下りホームで特急を待避する列車が8両編成であった。
なお現在いずみ野線区間では、平日朝上りのみ運転する通勤特急が唯一の速達列車となっており、現在はいずみ野駅の下りホームで緩急接続を見ることはできない。
7000系登場時(1975年)はそもそもいずみ野線開業(1976年・二俣川-いずみ野間)よりも前であったが、いずみ野線はその後1990年にいずみ中央まで、1999年に湘南台まで開業して現在に至る。
7000系の車両側面には種別のみの幕があり、行先は表示されていなかった。ただし下りいずみ野線方面に向かう列車の場合、本線系統との誤乗防止のため、下部に「いずみ野線」と表記された幕となっていた。
なお、新7000系にも同様の幕が付いている。
4号車または5号車が先頭車のままとなっており、運転台付きではあるが貫通扉を通して通り抜けができるようになっていた。
短い8両編成運用を混雑時間帯で使用するのを避けるためなのか、土休日に日中時間帯のダイヤが終わる17時ごろに営業運転を終える運用があった。このあと西横浜に留置される7000系の姿もよく見られた。
また8両編成は平日であれば、夕ラッシュ時間帯に各停大和行きとして運転した後にかしわ台へ回送となる運用も多かった。
JR直通開始直前のダイヤで8両編成が優等列車の運用に就くことは稀であったが、平日海老名23:00発の急行横浜行きは8両編成が充当される数少ない運用の一つであった。
GW期に一旦10両編成化されていた頃を除くと、晩年の7000系優等列車に乗車できる機会は非常にレアであったと言える。
7000系(7710F)の引退後、新7000系の8両編成(7715F)も運用から外れるなど、相鉄の車両は着々と新しくなっている。今後も東急直通などを見据えて20000系の増備と共に新7000系の去就などが気になっていくところである。
相鉄の数々の車両が配色をイメージカラーの青系統に変えていく中、7000系は赤を基本とした配色から変わらなかった。多様性のある相鉄の車両の一つの顔として7000系の記憶を大事にしたい。