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           <strong>PHOTO:中部天竜駅で停車中の213系H5編成



 今年も冬の青春18キップのシーズンとなりました。
 例年、この時期は泊りがけでちょっと遠くまで「乗り鉄」に出かけているのですが、今年は仕事が忙しいこともあり「日帰り」での「乗り鉄」しかできないことから、さて「どこへ…」と考えた結果、今回は自宅への帰省を兼ねて久しぶりに飯田線の全線乗車にチャレンジしたのですが…。





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①名古屋(1146)→豊橋(1239) 5510F 新快速 313系8連
 午前中、少しだけ仕事をしてから名古屋駅に向かい、名古屋駅からは新快速で一気に豊橋駅に向かいました。 青春18キップ期間中は混雑する名古屋⇔豊橋間の快速列車ですが、なぜかさほど混雑をしておらず4人掛け座席にずっと1人で乗車していくことができました。



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                 PHOTO:豊川を渡ると間もなく豊橋駅到着です。








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②豊橋(1342)→天竜峡(1716) 527M 213系2連【H5編成】
 実際には…豊橋(1342)→平岡(1630-1845運転打切り)でした。
 豊橋駅に少し早く着きましたので、この駅で食料の調達をします(飯田線はこの豊橋駅で買い物をしておかないと、途中駅で下車しないと岡谷駅まで何も調達することができない可能性があります。)。そして、この駅で何よりも買っておかないといけないのは「壺屋さんの稲荷ずし」ですね。今回もしっかりと購入してから乗車口に並びました。

 反対側のホーム(1番線)から豊川行の列車が先発するのですが、なぜか乗客は天竜峡行きが入線する2番線に乗客の列が出来てしまいました。できれば313系ではなく213系が来てほしい…と思っていたところ、13時30分頃になって、その213系が豊橋駅の2番線ホームに入線してきました。列車を待つ長い人の列ができていましたが、早くから並んでいたこともあり、無事、座っていくことがてきました。



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          PHOTO:213系の車内、211系とは異なり転換クロスシートの車内です。



 飯田線には過去何度となく乗車はしているのですが、ここ最近は岡谷から入って飯田駅までとか豊橋駅から入って新城駅までの乗車ということで、自分の乗車記録を調べたところ、最後に全線乗車したのは平成23年が最後ということで、実に8年ぶりの全線乗車となります。
 天竜峡行きの普通列車は、満員の乗客を乗せ、定刻どおり豊橋駅を発車し、東海道線・名鉄線を左手に見ながら進み、しばらくすると大きく右に進行方向を変えて中央アルプスの麓を目指して北上していきます。




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               PHOTO:東海道線と別れて飯田線の旅がスタートします。



 豊川駅で少し混雑が解消するのかな…?と思っていたのですが、降りる人より乗る人のほうが多く、混雑は一段とひどくなりました。ただ、新城駅でだいぶ多くの乗客が下りましたが、それでも飯田線の普通列車としては「すごく混んでいる、」という感じで、車内を自由に行き来するのもちょっとためらいます。
 茶臼山駅では外国人数名が交通系カードのまま乗車していたようで、清算に時間がかかり列車は5分ほど遅れての発車となりました(こういうことがあるから交通系カードはあまり使いたくありません。)。
 本長篠駅を過ぎると列車は急峻な山間を縫いながら走るようになり、おのずと列車の速度もゆっくりとした速度で進んでいきます。




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                PHOTO:鳳来峡を眺めながらの乗車が続きます。



 三河河合駅を過ぎると、一気に山が迫ってくるというか、線路の幅だけが開けていて、あとは「山」という感じとなり、どちら側の窓を見ても木々だけが見えて、それ以外は何も見えないかトンネルという状況になり、いよいよ秘境駅の一帯に向かって進んでいく感じとなります。
 東栄駅でだいぶ乗客が降りたこともあり、ようやく飯田線の普通列車らしい車内となりましたので車内の移動も可能になりました。
 中部天竜駅では約8分ほどの停車時間がありましたので、約2時間ぶりに座席を立ってホームへと降りることができました。



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                   PHOTO:東栄駅は珍しい形の駅舎です。





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                    PHOTO:中部天竜駅に到着






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                 PHOTO:先に豊橋駅行が出発していきます。





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           PHOTO:佐久間電力所を見ながら中部天竜駅を発車していきます。



 中部天竜駅、佐久間駅と少し開けた場所を走ってきた天竜峡行き普通列車ですが、水窪駅を過ぎると再び山の裾野を縫うように走っていきます。



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                 PHOTO:対岸に渡らない鉄橋を進んでいきます。



 天竜峡駅まであと1時間、ここまで順調に進んできたのですが、大嵐駅停車中に「平岡駅~為栗駅間で倒木が発生!運転再開まで2時間ほどかかる予定です。」というアナウンスが…。まあここであわてても仕方ないので、ここはじっくりと構えることにします(列車は平岡駅まで進んで、平岡駅で停車となりました。)。
 ※平岡駅には宿泊施設が併設されている関係で駅には売店が併設されていましたので、ここまで列車を持ってきたのは大正解でした。



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                   PHOTO:秘境駅の小和田駅に停車





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                PHOTO:秘境駅中の秘境駅、中井侍駅に停車





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                      PHOTO:平岡駅に到着





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               PHOTO:夜の帳が次第に濃くなっていきます。

 
 平岡駅に到着したのがだいたい16時30分、約1時間経過しても全く動く気配のない天竜峡行き普通列車ですが、ここで新たな情報が入り、この列車の1時間後に豊橋駅を発車した岡谷行きの普通列車を平岡駅どまりとして、この列車を平岡駅発豊橋行きとするとのこと。長野向けて帰るか、それとも名古屋の単身赴任先に戻るかという究極の選択をせざるを得ない状況に…。
 結局、このまま長野を目指すことにしました(長野県内に入れば土地勘がありますので、どこで運転打ち切りになってもホテルくらい見つけることができますので…という判断が間違いでした。)。



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        PHOTO:到着した岡谷行き(右)は、平岡駅で運転を打ち切って豊橋行きとなりました。



 平岡駅に停車して1時間30分、運転再開見込みの18時になったところで車内放送があり、「ようやく運転再開か…」と思ったところ、倒木処理の作業が長引いているため運転再開は18時30分になる…とのことでした。



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           PHOTO:平岡駅で足止めとなって1時間30分、まだ、平岡駅に停車中!


 18時36分に車内放送が入り「倒木処理に相当時間がかかるため、現時点では、運転再開見込みが立たない。現在、平岡⇔温田駅間の運転不通区間を平岡⇔天竜峡間と拡大する。したがって、この列車も運転打ち切りとする可能性がある。」とのこと。

 待つこと2時間15分。ついに運転打ち切りが決定!我々乗客はバス代行により天竜峡駅へ…となりました。しかも、ここまで乗ってきた列車が豊橋行きの普通列車になるということで、乗客は列車を下ろされ平岡駅の待合室に移動となりました。

 待合室で待つこと30分、JR東海の社員が誰もいないため、こちらからテレフォンセンターに問い合わせたところ、「代行バスは平岡駅に向かっているが何時に平岡駅に到着するかわからない。バスは天竜峡の駅に向かうが、天竜峡までの途中駅で降りたい人はタクシーに乗ってほしい。」とのことでしたので、このままバスを待って天竜峡に向かったとしても、とうてい長野まではいけないと判断し、名古屋に戻ることにしました。
 タイミングよく平岡駅19分32着の普通列車が到着し、折り返し豊橋行きになるということなのでこの列車に乗車しました。

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             PHOTO:平岡駅の待合室は暖かく、広くてラッキーでした。






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③平岡(1948頃)→豊橋(予定2250) 211系2連 【H6編成】
 ここまで3時間かけて来た道のりを、そのまま逆戻りで豊橋駅に戻りました。






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④豊橋(2256)→金山(2344) 新快速 313系8連
 平岡駅から乗車した普通列車が、大きな遅れもなく豊橋駅に到着したたため、名古屋方面に向かう最終の新快速に乗車することができ、なんとか単身赴任先のアパートに戻ることができました。



 長いこと「乗り鉄」をしていますので、途中で列車が停まったり運転が打ち切られたことも何度となくありますが、これほど長時間、運転見合わせに遭遇したのは初めてですね。よく、このようなときに「情報が何もなかった!」と言って憤慨している人をTVで見かけますが、今回は15分に1回は現在の状況などを伝えてくれましたし、車掌さんも車内をこまめに回って乗客の声に耳を傾けてくれていましたので、非常に安心して車内にいることができました。また、列車を中途半端なところで停車させず、平岡駅という大きな駅まで運転したことはJR東海のファインプレーでした。おかげで車内だけで過ごさなければならない…という閉鎖的な状況ではなく、ホームに出て一息つくこともできました。

 ただ、その後が対応が悪かったですね…。ここまで乗車してきた列車を豊橋行きの普通列車とするため、車内に残っている乗客を平岡駅に下ろし列車は発車してしまったため、乗客は平岡駅の待合室でいつ来るともわからないバスを待つ羽目になってしまいました。
 せめてJR東海の社員さんが残っていてくれていれば、色々と情報が入手できたのですが、誰も責任者がいないため私がJR東海に問い合わせて代行バスの運転状況等などの情報を入手していました(私は途中で名古屋に戻ることにしましたが、皆さん、無事に天竜峡駅まで行けたのでしょうか?)。
 列車内で乗客全員に「最終目的地は?」と聞いておきながら、何のフォローもせずに立ち去ってしまったJR東海の責任はどうなるのでしょうか?

 結局、私は長野の自宅には戻ることができず、1日分の青春18キップを無駄にしてしまいましたが、これはこれで非常に貴重な体験をすることができた…と理解せざるを得ない「乗り鉄」でした(せっかく、飯田線の全線乗車ができると思っていたのですが…)。

【乗車日:令和 1年12月28日(土)】鉄道コム

◎過去の飯田線の乗車記はこちらから!
 ・飯田線乗車と佐久間レールパーク見学の旅(H19.6.16)
 ・平成20年度・冬の青春18キップ乗車記VOL.3(251系ホームライナーと飯田線の旅)(H20.12.22~23)
 ・平成22年・夏の青春18キップ乗車記VOL.3~そよかぜトレイン・飯田線の旅①
 ・平成22年・夏の青春18キップ乗車記VOL.3~そよかぜトレイン・飯田線の旅②
 ・平成23年・冬の青春18キップ乗車記PART.1【惜別119系乗車】(H23.12.31)
 ・急行[飯田線秘境駅号]乗車記【前編】(H24.11.25)
 ・急行[飯田線秘境駅号]乗車記【後編】(H24.11.25)
 ・快速[飯田線リレー号]乗車記(平成29年・夏の青春18キップ乗車記)(H29.8.26)
 ・快速[おいでん奥三河]乗車記(R1.10.26)