【延伸なるか】長年の夢!?南北線・埼玉高速鉄道岩槻,蓮田延伸計画

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埼玉県知事・さいたま市長が本腰を入れて実現を目指すことが報道されて話題となっている、埼玉高速鉄道の岩槻・蓮田への延伸計画。

この計画の歴史は長く、高度経済成長期に現在の南北線建設を検討した「地下鉄7号線計画」に遡ります。

鉄道趣味観点からこの計画の歴史・実現可能性を考えます。

計画から着工までが長かった「7号線」

東京圏の地下鉄建設では、地下鉄○号線という計画段階の名称が存在します。

近年の開業路線では、都営大江戸線が12号線、東京メトロ副都心線が13号線という仮称で工事が進められていたことが記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。

この7号線は現在の東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線の総称です。

最初の開業は駒込〜赤羽岩淵間の1991年、目黒までの南北線全通は2000年、埼玉高速鉄道線の開業は2001年と、いずれも比較的近年に開業した路線であるにも関わらず、「7号線」という計画の古さがこの路線の苦労の歴史を垣間見れます。

運輸政策委員会・交通政策委員会でたびたび議論に上がるこの計画ですが、初出となる東京7号線計画は前回の東京オリンピックより古い1962年。

この時点で検討されていたのは目黒〜赤羽町=現在の南北線に該当する部分のみですが、将来的な検討対象として埼玉県方面への延伸がありました。

1972年には埼玉県方面への延伸として、川口市中央部〜浦和市東部という現在の埼玉高速鉄道線の基本形が出来上がっています。

1985年に鳩ヶ谷市中央・東川口を通る現在のルートが選定、翌年1986年から南北線区間が、1995年から埼玉高速鉄道区間が着工されています。

浦和美園以北の延伸は2000年から検討

利用者数が期待されていた浦和美園駅までの開業を前にして、2000年には運輸政策審議会により浦和美園駅〜県営サッカースタジアム駅〜岩槻駅〜蓮田駅の約13kmの延伸が「2015年までの開業が適当な路線」とされており、この時点で現在も検討がされているルートの原形が登場しています。

2005年には埼玉高速鉄道延伸検討委員会により、岩槻駅からの東武鉄道野田線への乗り入れも検討されましたが、大宮駅直通・春日部駅方面直通ともに東武鉄道の岩槻駅への直接乗り入れは不可能……ということで、現駅の地下部に駅舎を建設する方向で結論付けられています。

最終答申としては、岩槻駅以降の延伸については資金の目処がついてからとされていました。

その後もこのルートを支持する声も多く、埼玉高速鉄道延伸検討委員会・地下鉄7号線延伸検討委員会・地下鉄7号線延伸実現方策検討会……とメンバー・管轄が異なる複数の検討会により議論が続けられていました。

最終的な判断は埼玉県・さいたま市に委ねる……という結論が出ており、そのため、知事選・市長選の争点の1つとなるなど、現在まで続く政治的な動きにシフトする結果になっています。

政治状勢次第では延伸実現濃厚?

今回、ニュース等で報じられているように、政治的な面としては建設にかなり前向きな路線となっています。

以前より計画があり、利用者数についても優等列車の設定などで黒字化が出来るとされている路線計画です。

埼玉高速鉄道側についても、既存の開業区間が建設時の見込みに比べて利用者が少ないという課題があります。

JRが担っている大宮以北対都心部の混雑緩和・利便性向上が図られることはもちろんですが、埼玉高速鉄道としては盲腸線的な存在から都市間輸送路線に変化することで、既存開業区間の利用者増加も期待できます。

つくばエクスプレスが大成功して増発・増結を進めているように、埼玉高速鉄道も延伸で利用者数を急増させるかもしれませんね。

のびしろは他にも?南北線の今後

現在、南北線系統については東急新横浜線・相鉄新横浜線に向けた直通運転・増結の準備が始まろうとしています。

既存の修繕車両については乗り入れ対象外の6両編成維持としつつ、今後修繕対象となる南北線第二期開業以降の増備編成15編成が8両化の対象とみられています。

今後は相鉄のネイビーブルーが自慢の20000系についても南北線方面に乗り入れてきますので、南北線の雰囲気は更に変化していきそうです。

このほか、再開発・リニアの始発駅として注目されている品川駅への延伸計画も存在します。

都営三田線との合流・折り返し列車が多数存在する白金高輪駅から品川駅を結ぶもので、延伸距離は短いものの、その効果はかなり大きいとされています。

都心部の地下の工事という費用面・再開発計画の再編がネックとなっているほか、帝都高速度交通営団の民営化時点で、副都心線以降の新線建設を担わないことが前提とされていた点が苦しいところですが、東京メトロも国や都から依頼があれば協力はする……ともコメントしています。

リニアの玄関口・品川駅に1本で行けるという利便性は南北線・埼玉高速鉄道線の利用価値を高めてくれることでしょう。

不遇な歴史で大幅に開業が遅れた南北線。

東急・都営が編成単位の新造車両を導入する力の入れようですが、東京メトロ・埼玉高速の2社が積極的な投資に乗り出さないのも、利用者数の問題のほか、これらの延伸計画次第で……という面もありそうです。

品川・岩槻延伸が両方実現すると、東武アーバンパークライン〜岩槻〜埼玉高速鉄道〜東京メトロ南北線〜品川、東急目黒線〜東急,相鉄新横浜線〜相鉄海老名駅までの長大路線ネットワークが誕生します。

ファンにとっても、相鉄20000系が東武アーバンパークラインを走り、東武60000系がフルスクリーンホームドアの南北線を経由して新横浜・相鉄線に乗り入れ……と考えるとなかなか面白い計画です。

関東圏の交通状況を一変させる交通機関となる大動脈になるかもしれませんね。

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