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JR西日本などJRグループ各社は2019年12月13日、公式プレスリリースを相次いで発表し2020年3月14日に実施されるダイヤ改正の概要を一斉に発表した。近畿地方のJR線では、大阪環状線の全列車8両編成化、JR宝塚線昼間時間帯における運転形態の大幅変更、和歌山線・きのくに線ICOCAエリア拡大の3点が中心となる。

【改正ポイント1:大阪環状線「大和路快速」が全列車8連化、大阪環状線の全列車が8両編成に】
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 大阪環状線では、323系「普通」や223・225系「関空・紀州路快速」は全列車が8両編成で運転されている一方で奈良方面からら入線してくる「大和路快速」は8両編成で入線する列車と6両編成で入線する列車が混在して存在している。今回のダイヤ改正では大阪環状線に直通する「大和路快速」の全列車が8両編成(221系NB編成もしくはNC編成2編成の併結)での運転となる。この運用変更に伴い大阪環状線内を走行するすべての普通列車(普通・快速)はすべて8両編成での運転となり乗車位置が全列車で統一される。

【改正ポイント2:大和路線〜和歌山線直通列車、昼間時間帯の運転取りやめ】
大和路線と和歌山線では、大和路線JR難波駅〜和歌山線高田駅間を結ぶ直通の快速列車が運転されている。今回のダイヤ改正では昼間時間帯(平日10時台〜17時台、休日11時台〜17時台)のJR難波〜高田間直通列車の運転を取りやめ、王寺駅で大和路線(特に大和路快速)と和歌山線を接続するダイヤとなる。

【改正ポイント3:奈良線では休日ダイヤに増結を実施、休日日中の「みやこ路快速」は6両に】
奈良線では、休日ダイヤの「みやこ路快速」12列車で6両編成での運転を行っている。今回のダイヤ改正では新たに「みやこ路快速」23列車で6両編成の運転を開始、休日ダイヤで設定されるすべての「みやこ路快速」が6両編成で運転されるようになる。

【改正ポイント4:嵯峨野線休日ダイヤの一部普通列車で8連化、嵐山方面への観光利用促進へ】
嵯峨野線では、現在4両編成で運転されている一部の普通に増結を実施、嵯峨嵐山駅(嵯峨・嵐山方面への観光利用)や梅小路京都西駅(京都水族館・京都鉄道博物館への観光利用)などのお出掛けがより快適になる。

【改正ポイント5:JR宝塚線「区間快速」新設、日中の「快速」は『区間快速』に】
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関西エリアで最も大きな運転形態変更が行われるのはJR宝塚線、日中に運転される「快速」・「丹波路快速」の運転を中止し新設される「区間快速」に種別を統一する。
※この部分については後述

【改正ポイント6:和歌山線・きのくに線でICOCAエリア拡大、113系2000番台は引退へ・・・】
和歌山線ときのくに線では「ICOCA」の利用範囲(ならびに和歌山では「PiTaPa」ポストペイエリア)の拡大を実施、和歌山線五条駅〜和歌山駅間ときのくに線海南駅〜紀伊田辺駅間のICOCA未整備駅全駅でICOCA・交通系ICカード乗車券(和歌山線ではPiTaPaのポストペイ利用)が利用可能となる。
また、きのくに線ではワンマン運転用車両の運用変更も同時に実施される予定であり御坊駅〜紀伊田辺駅間の113系2000番台の運用が227系1000番台による運用に変更される。これによりきのくに線の普通列車(普通・快速)は105系・223系・225系・227系の全列車が半自動ドア(ドアボタン式)装備車両による運用に統一される。
ICカード乗車券利用範囲拡大エリアに関する記事
 
JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正公式プレスリリース
JR西日本和歌山支社ダイヤ改正公式プレスリリース
JR西日本福知山支社ダイヤ改正公式プレスリリース

[画像:221系「大和路快速」、207系「JR宝塚線〜JR東西線直通区間快速」]

2020年3月ダイヤ改正記事一覧:http://blog.livedoor.jp/uppi_natettyan/daiya_2020SPRING 

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【解説:JR宝塚線「区間快速」】
今回のダイヤ改正ではJR宝塚線の運転形態が大きく変更され、昼間時間帯の運転形態が根本から変わる。

現在のダイヤ(日中時間帯)では、
・普通:JR京都線高槻駅方面から直通し新三田駅〜大阪方面を結ぶ、毎時4列車運転
・快速:大阪駅〜宝塚駅を結ぶ、 毎時2列車運転
・丹波路快速:大阪駅〜篠山口駅を結ぶ、毎時2列車運転で「丹波路快速」と「快速」は交互に発着する
の3本立てで運転されており、原則として上下線共に川西池田駅で緩急接続を実施している。
(ちなみに、同時間帯に宝塚駅〜阪急大阪梅田駅間を結ぶ阪急宝塚線では、急行(宝塚〜大阪梅田)と普通(雲雀丘花屋敷〜大阪梅田)がそれぞれ毎時6列車(「普通」と「急行」は雲雀丘花屋敷駅で接続)運転されている)
そこに、
・快速/区間快速:JR東西線・学研都市線方面へ直通する快速列車、毎時4列車運転
が塚口駅〜尼崎駅間(尼崎駅は駅の構造上JR東西線の折り返し運転できない)が設定、「塚口駅より宝塚方の駅を始発着駅とするJR東西線直通の快速・普通」や「塚本駅を通過する普通」、「篠山口駅より福知山方面を始発着駅とする快速・丹波路快速」などが設定される。

改正では日中時間帯に「区間快速」が新設され、
・普通:大阪方面〜宝塚駅を結ぶ、毎時4列車運転
・区間快速:大阪駅〜宝塚以遠を結ぶ、新三田駅発着と篠山口駅発着がそれぞれ毎時2列車づつ運転
に変更される。
 
運転系統略図を用いて説明すると、
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快速・丹波路快速(大阪発着):朝・夕時間帯に運転、塚本・塚口・猪名寺・北伊丹・生瀬・武田尾・道場を通過、宝塚・新三田・篠山口・福知山発着
区間快速(大阪発着):昼時間帯に運転、塚本・塚口・猪名寺・北伊丹を通過、新三田・福知山発着
快速(JR東西経由・宝塚〜篠山口発着):朝・夕時間帯に運転、JR宝塚線内の通過駅は「快速(大阪発着)」に準じる、宝塚・新三田・篠山口発着
区間快速快速(JR東西経由・塚口発着):昼時間帯に運転、塚口折返で塚口に停車、基本的にJR東西線京橋方面へ直通する
普通:終日運転、昼時間帯は宝塚発着、朝晩を中心に塚口・新三田・篠山口・福知山発着の列車もあり、大阪駅3・4番のりば、9・10番のりば始発着便(JR神戸線列車線区間)は塚本を通過する列車がある

といった感じになる。