昭和47年(1972年) 4月1日
三江線が未だ全通する前のことで、江津から南下する路線は三江北線と呼ばれ、浜原が終着駅となっていました。
これは浜原駅の一つ江津寄りにある粕淵駅の
ある春雪が降った日の普段の風景です。
浜原から持って来た貨車を本線上に置き去りにして
粕淵駅で貨物列車の組成作業が始まります。
浜田区のC56は積雪量の少ない地域の運用なのでスノープローは装着されていません。
バックで構内に留置されている貨車に連結
一旦 本線まで引き上げ
後退して置き去りにしてきた貨車に連結されます。
17時46分 定刻 駅長さんに見送られ粕淵駅を後にします。
粕淵駅構内を出たすぐの所に江の川第一橋梁があり
この鉄道橋は対岸の住民の生活道路も兼ねていました。
朝早く浜原まで391レで来たC56は、夕方の17時過ぎまで動かないので写真撮影にはすこぶる効率が悪く、三江北線の浜原や粕淵周辺で鉄道ファンに合うことは一度もありませんでした。また1972年7月に梅雨末期の集中豪雨で、上に写っている江の川第一橋梁が流失し、以来 浜田区のC56はこの地を踏むことなく秘っそりと引退してしまいました。
前述のように雪の少ない地方で、鉄道ファンが訪れることも稀だったので、雪景色の粕淵を走るC56の写真は貴重な記録になったと思っています。
最後まで御覧戴いて ありがとうございました。