【あずさ・かいじ再編】中央線特急また大規模改正・2020年3月

スポンサーリンク

2020年3月のダイヤ改正詳細が発表されて注目されていますが、昨年に大規模ダイヤ改正を実施済だった中央線特急に再度メスが入ることとなりました。

富士回遊号の増発のほか、千葉発南小谷駅行きの運行終了、付番法則の再編などが目立つポイントとなりますが、変更点を詳しく見ていきます。

あずさ・かいじ号の付番が変更

全列車を通じての大きな変更点は、あずさ号・かいじ号の列車名が新宿駅発着時刻を基準に通し番号となっていることが挙げられます。

2019年3月改正までは、あずさ号が1〜36号・かいじ号が101〜124号と桁数で分離されており、同改正にてそれぞれ1号からの付番に改められたばかりでした。

同じくビジネス特急路線である常磐線特急では、スーパーひたち号・フレッシュひたち号時代からひたち号・ときわ号に再編された現在まで、速達列車は1号〜・停車駅が多い列車は51号〜という非常にわかりやすい付番を採用しています。

あずさ号・かいじ号のこれらの付番分けも従来のかいじ号を101号〜に戻すor常磐線のような51号〜とすれば単純明快なところを、またややこしい付番法則に変えたな……と感じる方も多いのではないでしょうか。

少なくとも、1度大変更をしてやっと定着していた列車番号をまたイチから変更するという今回の内容、新宿駅・甲府駅基準では分かりやすいですが、他の駅の利用者からは反感もありそうです。

誤乗は減りそうですが、いよいよ列車名で分けている意味が薄れているようにも感じます。

富士回遊が連結相手の番号を名乗ること、今回改正で初めてあずさ号に連結するパターンが登場していることを考えると、富士回遊号の番号が重複(増発列車を現行ダイヤで当てはめると連結相手があずさ3号・かいじ1号・かいじ3号となってしまう)することが背景にありそうです。

富士回遊号が1往復増発

運転開始以来大盛況で、臨時列車がほぼ毎日走るという異例の体制となっている富士回遊号。

今回のダイヤ改正により、上下各1本が追加されています。

新たに連結相手となるのは現在のあずさ3号・26号となり、南小谷アクセス列車から富士山アクセスの列車に生まれ変わることとなります。

既存列車2往復のダイヤも変えられていないため、下り列車については新宿駅基準で1時間間隔のスッキリしたダイヤですが、上り列車では2時間・40分とアンバランスな運転間隔となっています。

千葉発の富士回遊号の設定は定期・臨時ともに初めてのこととなります。

南小谷発着の時刻が変更

長年に渡り運行されていたあずさ3号・26号による南小谷駅発着の列車ですが、今回の改正により対象列車が変更されています。

どちらも富士回遊号の連結相手に選ばれたゆえに移動されたものと推測できますね。

直通需要がある列車を大月以西9両で運転することを避けたものと思われます。

新たに南小谷発着に選ばれたのは旧あずさ5号・あずさ28号の1往復となっています。

まず、あずさ5号ですが、現在も週末にリゾートビューふるさとの接続列車となっています。

このリゾートビューふるさとの松本駅→穂高駅のダイヤをもらう形となっていますが、そもそもこのダイヤはあずさ号が使っていたものです。

2004年3月改正以前のダイヤでは、千葉駅始発・新宿駅7:30発のあずさ51号が松本止まり、新宿駅8:00発のスーパーあずさ3号となっていました。

この2004年3月改正で名称の変更・大糸線直通列車再編でスーパーあずさ・あずさの通し番号化がされており、千葉発のあずさ3号が南小谷行きに、新宿初のスーパーあずさ5号が松本止まりという現在まで続くダイヤに改められています。

よって、新あずさ5号の南小谷行きは16年ぶりのダイヤ復活と言えますね。

なお、スーパーあずさ5号白馬行きが運転されていたことを思い出す方もいらっしゃるかと思いますが、こちらは東京駅10時発のダイヤで、同改正によりスーパーあずさ11号に列車名変更した歴史があり、直接的な関係がありません。

リゾートビューふるさとの接続列車・運行ダイヤについては春の臨時列車の発表を待つ形となりそうです。

特に本来閑散期となる冬場の下り列車については、あずさ3号のみ満席・それ以外の前後列車は空いているという傾向が長年続いていました。

白馬・南小谷方面のアクセス列車と千葉発着の通勤需要を分離することは非常に合理的なダイヤと言えそうです。

上り列車についても、南小谷駅基準で30分程度遅くなり、連結相手が現在のあずさ28号に変更されています。

こちらについても、2005年12月ダイヤ改正までE351系が南小谷駅まで乗り入れていた際にスーパーあずさ28号が白馬始発とされており、同改正で多客期のみ延長運転の臨時列車とされた歴史があります。

ただし、2004年3月改正以降、2008年3月改正で現在のあずさ34号新設と運転間隔の調整により、午後の上り列車の運転時刻が大きく変更されていますので、上り列車については旧来のダイヤとは直接的な因果はなさそうです。

あずさ全列車通過体制の峡東3駅が一部復活

塩山・山梨市・石和温泉のあずさ号全列車通過化と、富士見駅・下諏訪駅の停車が上下各2本と大幅に削られた前回改正。

地元の反発も多かったのか、これらの停車駅にテコ入れが行われています。

まず、富士回遊号連結便となる旧あずさ3,26号が塩山・山梨市・石和温泉に停車しています。

旧あずさ3号については、かつての停車列車でもあり、通過化後も所要時間が縮まっていませんでした。

朝のビジネスユースの多い時間帯でしたので、至極妥当な再設定となります。

週末臨時列車としてかいじ73号が設定されてこの通過化の救済をしていましたが、今後は繁忙期のみ運転の臨時列車となることでしょう。

毎週末運行とされていたかいじ73号と58号。臨時列車については未発表ながら、今後の扱いは大きく変化していきそうですね。

あずさ26号については、松本方面からの遠距離需要も多かった列車ですが、甲府駅以東で見るとかいじ号の乗車率が高い18号・20号の間というピークの時間帯にポッカリ空いてしまった時間帯を埋める設定となっています。

前回のダイヤ改正でこの間隔が広がってしまってましたので、妥当な修正でしょう。

プレスリリースに記載はありませんが、2019年度は塩山・山梨市・石和温泉停車便=かいじ号を徹底するためか信州かいじ55号・54号という矛盾したような臨時列車が運転されてきましたが、これらについてもあずさ号を名乗ることと見て間違いなさそうです。

松本行きのかいじ号の表示は短命に終わりそうですね。

富士見駅・下諏訪駅も若干の本数増加

同じく大幅な削減で話題となった富士見駅・下諏訪駅についても、停車本数が少し増えています。

下諏訪駅・富士見駅ともに下り5列車・上り4列車となり、朝の上り・夜の下りを中心に停車列車が増加しています。

現在、下りは両端の3号・35号、上りも始発の2号と千葉行きの30号が特急停車駅全駅停車となっていますが、このグループに下りの27・31号と上りの6・10・26号が再び加わることによる解消です。

おうめ号も需要の多い時間帯に再設定

青梅線ユーザーからは、2019年3月の青梅ライナーの特急化に合わせて下り列車が深夜の下り1本となっていた点で批判の声も多く上がっていました。

今回のダイヤ改正では、新宿駅18:45発のはちおうじ3号を青梅行きのおうめ1号とすることでこの課題に対処しています。

はちおうじ号がそのまま純減となっていますので、新宿→立川駅間の特急運転本数については変化なしとなっています。

おうめ号は有効長の都合上9両編成ですので、着席数で見れば微減です。

車両繰りがまた大きく変わるかと思いますが、富士回遊連結の都合で車両運用も白紙改正となりますで、さほど問題にはならなかったのでしょうか。

なお、ライナー時代は青梅ライナー1号が18:15発・中央ライナー1号が18:45発となっていましたので、ダイヤ上はそっくり入れ替わる形となっています。

やっぱり失敗だった?2019年改正

大幅なスピードアップの代償として中間駅利用者に不便を強いることとなっていた2019年度改正。

改正前から地元の反発を招くなど、阿鼻叫喚のスタートだったことは記憶に新しいところですね。

今回の改正は、前回の攻めすぎた点をある程度元に戻しつつ、富士回遊号も需要に沿った運行本数にするなど、極めて妥当な修正点が目立ちます

一方で、甲府以東停車パターンのあずさ号は富士回遊号連結の列車にするなど、車掌1名化の夢自体はまだ捨てる気はなさそうですね。

山梨県内を中心にまだまだ改善の余地もありそうですので、ダイヤ改正以降の利用動向に引き続き注目していきたいですね。

2018年度→2019年3月改正の列車別解説記事

大幅な速度アップ・停車駅削減で大きな波紋を呼んだ現在のダイヤ。

2018年→2019年のダイヤ改正での変更点を過去記事で詳しく解説しています。

2018年・2019年の車両運用表はこちら

現在と、E257系運用時代の車両運用についても過去記事で公開しています。

その他の中央線関係記事はこちら

2020年3月改正関連のその他の記事

コメント

  1. 飛山勢子 より:

    中央線特急白馬行の本数があまりにも少ない。自由席と回数券の廃止は都会で慌ただしく働く生活をしばし離れて週末を過ごすためにやっと建てた暖炉のある小屋に家族でもう行かれない‼️ それと座席の上の空席を知らせる赤黄緑のランプは高齢で弱視の友人が何か対策を望んでおられました。