いろんな踊り子号を振り返る〜ダイヤ改正プレスを前に〜

東京から伊豆方面への特急は今まで251系スーパービュー踊り子号・185系踊り子が活躍していたが、スーパービュー踊り子は今年度限りで、185系の踊り子も早くて来年度末頃には引退となる。代わりにE257系リニューアル車両が投入されると正式に発表され*1、またスーパービュー踊り子の後継のような形で全車グリーン車のE261系サフィール踊り子号も来春デビューする*2

これにより来春から1〜2年ほどかけて、踊り子号、あるいは251系や185系も使用されている湘南ライナー関係の運転本数や料金制度が変化していく可能性も高い。

本記事では、おそらく本日発表されるであろう来春のダイヤ改正プレスリリースを前に、この10年ほどに見られた「踊り子号」の一部を、簡単ではあるがいくつか振り返ってみたい。

 

河津駅に停車する251系スーパービュー踊り子2号(2019/2/24)

河津駅に停車する251系スーパービュー踊り子2号(2019/2/24)

伊豆方面の特急の顔とも言えるスーパービュー踊り子号。全体的に窓が大きく開放感のある車両で、1号車と10号車の展望席は特に人気が高い。また1・2号車(グリーン車)および10号車(普通車指定席)は今では珍しい2階建て車両である。階上は座席になっており、階下にはサロン(1号車)、グリーン個室(2号車)、こども室(10号車)がある。

終着駅以外では2・3・5・7・10号車の5箇所のみドアが開き、乗務員に指定券を見せてから乗車する。

新宿駅5番線を発車する251系スーパービュー踊り子10号(2014/5/3)

新宿駅5番線を発車する251系スーパービュー踊り子10号(2014/5/3)

スーパービュー踊り子号の定期運用は、東京発着の列車の他に新宿発/池袋(大宮)着の列車が設定されている。新宿方面への踊り子号は、臨時列車を含めてもスーパービュー踊り子号の方が多く、185系等の方が珍しかった。

後継となるサフィール踊り子号も、新宿まで乗り入れる予定となっている。

三島駅から修善寺方面へ出発する踊り子117号(2015/8/1)

三島駅から修善寺方面へ出発する踊り子117号(2015/8/1)

踊り子号の多くは伊豆急下田行きだが、1日2〜4往復が修善寺方面へ運行している。修善寺系統は5両編成で、いずれも東京-熱海間で10両または7両の伊豆急下田方面の車両と連結し、熱海駅で増解結を行なっている。

修善寺系統は三島駅JR東海のホームに入線するが、そこから伊豆箱根鉄道に転線するため、写真のようにホーム途中からカーブするという珍しい光景が見られる。

踊り子号がE257系に置き換わるにあたり5両編成も用意されるとはいえ、現時点で修善寺方面への乗り入れは明記されていない。来年度および再来年度のダイヤ改正では、その去就も気になるところである。

東京駅10番線に停車中の湘南ブロック色185系踊り子107号(2015/1/17)

東京駅10番線に停車中の湘南ブロック色185系踊り子107号(2015/1/17)

185系踊り子といえば緑のストライプが基本だが、一時期は田町電車区所属の車両がオレンジ色を取り入れた「湘南ブロック」等と呼ばれる塗装に変わった。1999年頃〜2017年頃と長く存在していたため、踊り子号といえばこちらの柄の方が馴染みがある人も多いかもしれない。

終点我孫子駅に到着した185系踊り子162号(2015/3/28)

終点我孫子駅に到着した185系踊り子162号(2015/3/28)

踊り子号には定期列車の他に臨時列車の設定も多く、その一部は東京・新宿(池袋・大宮)-伊豆急下田修善寺間に限らずいろんな方面へと乗り入れていた。

上野東京ライン開業直後の2015年3月、東京より北に直通する踊り子号として、我孫子発着の踊り子161・162号が臨時列車として設定された。以降、我孫子発着の踊り子号は毎シーズンのように臨時列車として設定されている。これにより、上野、北千住、松戸、柏、我孫子185系踊り子号が停車する姿が見られるようになった。

多くの場合は7両編成で運転され、号数や運転時間帯は若干のバリエーションがあるが、この冬は131・132号として運転される。下りは土曜日(連休初日)、上りは日曜日(連休最終日)の運転であることが多いが、連休の中日など同日に上下線両方運転される場合には、伊豆急下田を10数分で折り返す。

E259系マリンエクスプレス踊り子号前面
伊東駅に停車中のE259系マリンエクスプレス踊り子号
伊東駅に停車するE259系マリンエクスプレス踊り子号(2019/8/17)

成田エクスプレスに使用されているE259系が臨時列車「マリンエクスプレス踊り子」として運転されることがある。踊り子号の臨時列車としては珍しく、多客時(2月の河津桜の時期など)の平日に運転されることも多い。

東海道線伊豆急線内にNEXが走っているとなかなかビックリするが、マリンエクスプレス踊り子号運転時のNEXとの違いとして、専用のロゴが車体前面や座席カバーなどに施されていたりもする。

JR南武線向河原駅付近を通過する黒船電車、立川始発のリゾート踊り子91号(2010/5/16)

JR南武線向河原駅付近を通過する黒船電車
立川始発のリゾート踊り子91号(2010/5/16)

伊豆急行2100系を用いた特急「リゾート踊り子」が2016年頃まで運転されていた。「リゾート21」「アルファ・リゾート21」などの塗装と共に、写真の黒船電車も使用されたことがある。

2009・2010年には立川発着のリゾート踊り子号が設定され、この列車は南武線南武支線東海道貨物線経由で横浜以西へと運転されていた。浜川崎で方向転換が行われ、また大幅に迂回することから、武蔵小杉から横浜まで40分近くかかっていた。

武蔵小杉駅に停車する、あまぎ色185系はちおうじ踊り子82号高尾行き(2015/2/22)

武蔵小杉駅に停車する、あまぎ色185系はちおうじ踊り子82号高尾行き(2015/2/22)

2015年頃まで何回か「はちおうじ踊り子」が新宿経由中央線高尾まで運転されたことがある。2015年2〜3月には、塗装変更直前のあまぎ色(国鉄色)が運用に就くことも多く、話題になっていた。

 

 

251系・185系が引退し、伊豆方面への特急列車がE261系・E257系を主体としたものに変わっていく中、どんな踊り子号が走ることになるのだろうか。まずは来春改正のプレスリリースを楽しみにしたい。