北海道ボールパーク新駅は島式1面2線に、通過線と引き上げ線。2027年度開業へ

北広島駅も改修

JR北海道が、北海道ボールパーク新駅の検討状況を発表しました。島式1面2線ホームに、通過線と引き上げ線を設けます。

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上野幌~北広島間に新駅

北海道ボールパーク(仮称)は、プロ野球北海道日本ハムが北広島市内に建設中です。そのアクセスとして、北広島市はJR千歳線・北広島~上野幌間に新駅の設置を求めてきました。これに対し、JR北海道が新駅の検討状況を発表しました。

JR北海道によると、ボールパーク新駅は、ナイター終了時など一時的に乗客が集中しても安全に利用できる設備が必要としたうえで、快速「エアポート」など列車通過時の乗客の安全を考慮した構内配線とします。具体的には、島式1面2線ホームの外側に、通過線を上下線それぞれに設けます。

また、新駅始発の臨時列車の運転を想定し、千歳方に6両対応の引き上げ線1本を配置します。引き上げ線を使って、札幌方面から来た列車が折り返せる構造です。試合終了前に列車を待機させ、終了後に運行させるといった運用が可能になります。

北海道ボールパーク新駅
画像:JR北海道プレスリリース

2027年度末開業

総工費は80億~90億円を見込み、工事費は北広島市など請願者に求めます。工期は約7年で、2020年度中に意志決定した場合、2027年度末に開業できます。

ただ、JR北海道は、北海道新幹線の開業準備もあるため、工期が伸びる可能性もあるとしています。いずれにしろ、2023年に予定されている北海道ボールパークの開業には間に合いません。

北海道ボールパーク新駅
画像:JR北海道プレスリリース
北海道ボールパーク新駅
画像:JR北海道プレスリリース

北広島駅も改修

新駅開業までの対応として、JR北海道では北広島駅の改修を行います。具体的には下りホーム(札幌方面)を4両分延伸し、ゲーム終了時の旅客集中に備えます。また、自動改札機の移設・増設など改札口付近のレイアウトを変更します。エレベーター改札口も新設します。

こちらは2020年9月から工事に取りかかり、2022年12月に終了します。2023年のボールパーク開業までに改修を終える予定です。

北広島駅改修
画像:JR北海道プレスリリース

二つの駅で輸送分担

北広島市の資料によりますと、北海道ボールパークの試合終了後の観客35,000人のうち、JR利用者は39%の約13,500人と想定しています。このうち60%の約8,100人が新駅、40%の約5,400人が北広島駅を利用すると見込んでいます。

全体13,500人のうち、85%の11,500人が札幌方面の利用者で、千歳方面は15%の2,000人と想定しています。6両編成の列車に1,000人が乗車できるとして、札幌方面へ11,500人を運ぶのに約11本の列車が必要です。

今回のJR北海道の発表で、列車の運行形態などは示されていませんが、快速「エアポート」は新駅を通過する想定であることが明らかになりました。千歳空港方面に向かう利用者は快速「エアポート」の停まる北広島駅へ誘導し、新駅は普通列車で札幌に向かう利用者を中心に使ってもらう方針とみられます。

実際の利用者が想定通りになるかはわかりませんが、二つの駅でボールパークの観客輸送をうまく分担するのでしょう。北海道新幹線の開業とあいまって、これから千歳線の役割はさらに重要になりそうです。

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