KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2019.12.09

京成3050形、装いを新たに。

D33226.jpg

京成3050形 3053編成
2019.12.6/品 川

▲車体のデザインがオレンジ色となり、装いを新たにした3050形。初代アクセス色と言うべき3050形オリジナルのカラーリングは9年で見納めとなった

10月26日ダイヤ改正におけるスカイライナーの大増発や3100形(3150形)の運行開始で、開業以来の大変革が訪れている成田スカイアクセス線。同線の開業時より一般型車両として使用されてきた3050形についても、3100形の登場に伴って大きな変化が訪れることになった。車体のデザインを、従来の青色から3100形と同じオレンジ色の新アクセス色に変更した編成が出現。3100形のデビューにタイミングを合わせる格好で、同改正日より営業運転に入っている。

デザインの変更は10月中旬より3052編成を皮切りに順次進められ、既に3052〜3056の5編成が新アクセス色となって営業運転を行っている。各編成の青色での運行終了日とオレンジ色での運行開始日は以下のとおり。(青色終了日/オレンジ色開始日の順に表記)

  • 3052編成:10月17日/10月26日
  • 3053編成:11月7日/11月17日
  • 3054編成:10月26日/11月8日
  • 3055編成:11月16日/11月29日
  • 3056編成:11月26日/12月8日

また、デザイン変更に合わせて防犯カメラの設置も実施されている。通勤型車両への防犯カメラの設置は今年度の鉄道設備投資計画に盛り込まれていたものだが、新造時より設置されている3100形を除くと3050形が初めての施工例になった。防犯カメラはJR東日本で実績のある蛍光灯一体型が採用されており、各車両6箇所への設置となっている。

X77848.jpg

京成3050形 3052-1号車
2019.12.6/**

▲新アクセス色に変更された3050形。基本的には3150形に準じたデザインとなっているが、細かなところは3000形・3050形オリジナルに合わせた処理がなされており、違和感のない仕上がりになっている
A11316.jpg

京成3050形 車内
2019.12.6/**

▲蛍光灯一体型の防犯カメラと新しくなった弱冷房車の表記
最後の青色3051編成も運行終了。京成本線に転用へ
D32314.jpg

京成3050形 3051編成
2019.6.28/大 町

▲9年で見納めとなった青色の3050形。写真の3051編成は京成本線に転用される予定

そして、最後の青色の3050形となっていた3051編成も、8日の01K運行をもって運用を離脱した模様。2010年7月の成田スカイアクセス線開業より走ってきた青色の3050形が見納めになった。

6本が在籍している3050形のうち、今年度の3100形の導入に伴って1本が京成本線に転用となることが報道等で明らかになっていることから、3051編成はこれより京成本線転用のための作業が行われるものとみられる。外観においては赤と青の京成一般カラーへのデザイン変更が見込まれるが、前面の車番表記や飛行機柄のシートモケットなど京成本線仕様の3000形とは異なっていた部分がはたしてどうなるか、運用復帰が待たれるところ。

7本体制となった成田スカイアクセス線の一般車

3100形が2本導入されたのに対して京成本線に転属する3050形は1本にとどまることから、成田スカイアクセス線用の一般車(アクセス車)は従来より1本が増えて7本となった。運用数は6のままであることから、成田スカイアクセス線開業以来初めてとなる専用の予備車が新設されたということになる。3100形運行開始の記事でも記したように、これはアクセス特急を運用する上で大きなポイントであるように思われる。

これまでのアクセス車は3050形6本のみで予備車がなかったため、3050形の検査時や3050形が何らかの理由で所定の運用から外れた時は、3000形あるいは3700形が代走せざるを得なかったが、アクセス車が7本となったことからそういった代走も解消されるものとみられる。専用車を増やして3000形や3700形が代走する機会を減らすことで、3100形と3050形をオレンジ色とした誤乗車防止策を担保させるということのよう。

アクセス車をオレンジ色とする誤乗車防止策はこれまでの運用実績から懐疑的な見方が多かったように思われるが、これに対して編成数を増やして対応するというのが京成の答えと言える。アクセス車の運用はこれまで以上に厳格化されるものとみられ、一時期は当たり前のように見られていたアクセス車の京成本線運用やその逆の3000形と3700形のアクセス運用は、よほどのことがない限り発生しなくなる可能性が高い。

なお、3100形は今後少なくとも5編成が導入されることが明らかになっており、成田スカイアクセス線仕様の3050形を順次置き換えるものとみられる。したがって、せっかくデザインの変更が行われた3050形も今後2〜3年で全て再変更となる可能性が高く、オレンジ色の3050形は青色以上に短命な装いとなりそうだ。

関連記事

55K:3152編成 京成3100形が京成本線を走る

京成3100形が京成本線を走る。6月12日に京成本線青砥駅構内で発生した列車脱線事故。押上線八広〜青砥が終日運休になり、ダイヤが大幅に乱れるなど各線に大きな影響を及ぼした。翌13日7時40分ごろ...

55K:3152編成 京成3100形が京成本線を走る
京成3050形3051編成 赤と青の一般色に変更

京成3050形3051編成、赤と青の京成カラーに変更。京成本線に転用へ。12月上旬より京成本線への転用のためのデザイン変更が実施されていた3051編成だが、このほど赤と青の京成カラーになって...

京成3050形3051編成 赤と青の一般色に変更
京成3100形(3150形) 営業運転開始 1 - デビューまでの動きと今後について

10月26日ダイヤ改正でデビューした京成電鉄の新型車両3100形(3150形)。ようやくあれこれ観察することができたので、今さらながら営業運転の様子とデビューまでの動きをまとめてみた。さらに...

京成3100形(3150形) 営業運転開始 1 - デビューまでの動きと今後について
成田スカイアクセス線9周年 京成3050形の今後

祝・成田スカイアクセス線9周年。2019年7月17日に、成田スカイアクセス線は開業から9周年を迎えることとなった。都心〜成田空港の最速ルートとなる成田スカイアクセス線の利用者数は、2011年3月...

成田スカイアクセス線9周年 京成3050形の今後
新型車両 京成3100形(3150形)を考察する

ついにベールを脱いだ京成電鉄の新型車両、3100形(3150形)。京成電鉄では、かねてより2019年度中における新形式通勤型車両の導入を明らかにしていたが、このほどその新型車両が3100形として...

新型車両 京成3100形(3150形)を考察する

最新記事

京成グループ 車両の動き(2023年度)

京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...

京成グループ 車両の動き(2023年度)
北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク

北総線開業45周年記念。北総鉄道では、3月上旬より7500形おいて「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。表題のとおり北総1期線(新鎌ヶ谷〜小室)の開業45周年を記念した...

北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク
タイ国鉄 フアランポーン駅の現在

クルンテープ・アピワット中央駅に続いて、かつての中央駅、フワランポーン駅も訪ねてみた。2023年1月にバンコクの中央駅の地位をクルンテープ・アピワット中央駅に譲ったフアランポーン駅。中央駅の移転...

タイ国鉄 フアランポーン駅の現在
京成3400形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2024年)

今年も桜に染まるまち、佐倉。京成電鉄では、3月上旬より3400形3448編成において「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマークの掲出を行っている。佐倉市において毎年この時期に実施している観光キャン...

京成3400形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2024年)
新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正

新京成線、久しぶりにダイヤ改正を実施。新京成電鉄では、3月23日にダイヤ改正を実施した。平日朝における列車増発と夜間時間帯の運転間隔見直しが主な内容となっている。それぞれについて内容を見てみよう...

新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正