夜行寝台列車がほぼ消滅した今、唯一定期運行されている寝台特急が「サンライズ瀬戸・出雲」号。東京と出雲市・高松を結ぶこの寝台特急はとても貴重なものとなっています。そのサンライズに充てられている285系電車ですが、この285系の方向幕がとても面白いです。

 サンライズ285系の幕は、103系や105系などにみられる、種別と行き先とが同時に表示されるタイプです。そして、このサンライズ285系の幕には、ダイヤ乱れ時に使われる「特急|岡山」や、「関空快速・和歌山行き」的な「サンライズ出雲|高松」などの幕が用意されています。これだけでももう面白いのですが、極めつけはとうの昔になくなったブルートレインの「特急あさかぜ|下関」、そして「普通」「快速」の単体幕までが用意されています。

 はじめの2つは上に述べたとおりダイヤ乱れ時に使うということは容易に想像がつくのですが、あとの3つはなんでしょう。

 まずは「特急あさかぜ」幕。これについては全くわからないというわけでもなくて、今でこそあさかぜは無くなってしまいましたが、サンライズの登場時にはまだまだ現役。おそらくあさかぜの客車や貨車が何らかのトラブルで使えなくなったときに285系で代走する可能性を考慮するために作られたのでしょう。行き先の「下関」も、晩年の行き先と一致しますし、直流電車の285系が乗り入れられるのも下関が限界。おそらくこれは間違いないでしょう。

 問題なのは「普通」「快速」幕。これは全く意味がわかりません。しかし、サンダーバードなどの681系電車にも「普通」「快速」「新快速」幕があるところを見ると、もしかしたら方向幕には「普通」「快速」幕を用意するという内規がJRにあるのやもしれません。しかし、急行券不要の寝台普通や寝台快速など、一度乗ってみたいですね(笑)