武蔵小杉駅のホーム混雑も緩和!? 相鉄JR直通列車のJR区間利用実感

武蔵小杉4番線平日8:21時点での発車時刻案内

朝の新宿方面大増発!ホームに余裕ができた武蔵小杉駅

相鉄JR直通線の運転開始から早1週間が経過した。直通運転やそれに伴うダイヤ改正の影響は各所で出ているが、とりわけ相鉄とJRを直通する列車については「比較的空いている」という印象がある。また、朝ラッシュ時の武蔵小杉駅横須賀線ホームについては、利用実感として明らかに混雑解消に向かっている。

本記事では、筆者がこの1週間平日の朝夕ラッシュに相鉄JR直通列車を利用した上で気づいたことを、直接観察できた範囲かつ主観や推測込みで恐縮だが、列挙してみたい。

平日朝ラッシュ時 武蔵小杉駅横須賀線ホーム

以下、武蔵小杉駅8:20〜9:10頃の観察である。最ピーク時間帯は8:00前後と思われるが、下記の記述は最混雑時間帯の状態ではないということには注意されたい。

  • 武蔵小杉駅新南改札(横須賀線口)。以前は8:30前後だと上りエスカレーターに向かう列が滞留して行列となり、歩行速度を大幅に落とす必要があったが、ダイヤ改正後は改札口までスムーズに移動できるレベルとなっていた。少なくとも、先週など直近の同時間帯と比べても明らかに空いたという印象はある。
  • ホーム上の混雑も目に見えて緩和した。場所にもよるが、少なくともホーム横浜側半分ほどについては、横須賀線の列車待ちの行列こそ概ね反対側3番線付近まで伸びるものの、新宿方面の本数が増え乗車待ちの列が今までほど長くはならない分、ホーム全体の人口密度は下がり、ホーム上の移動がしやすくなっていた
  • 相鉄から直通してくる埼京線直通/新宿行きの列車については、武蔵小杉駅到着時点では席が概ね埋まっており、立ち客(または下車のためドア付近に集まった乗客)は各車両数人〜10人程度であった。列の先頭に並んでいれば武蔵小杉からの乗車でも着席できる可能性すらある状態である。発車時点でも、立ち客は出るものの比較的余裕がある。
    また、10両編成+女性専用車(最後尾)設置であることに伴い列車が到着してからホームを移動する乗客については、駅員配置などにより事前の案内もあるためか、多くて数人程度がスムーズに移動していく程度であった。
  • 横須賀線の列車、また同じ新宿方面でも湘南新宿ラインの列車は、ほぼ以前と変わらず満員近い乗車率であった(一部のドアがスムーズに閉まらない程度)。
  • タイトル画像とした「8:21発快速湘南新宿ライン高崎行き、8:23発埼京線直通川越行」のように、新宿方面の列車が連続して到着するタイミングがある。実はこの日、先の列車が詰まっていることにより8:21発の列車が数分程度武蔵小杉駅で抑止した。このため相鉄線から直通してきた8:23発の列車は、武蔵小杉駅に5分以上遅れて到着した。(この列車は、羽沢横浜国大-武蔵小杉間で20〜25分程度無停車だったことになる。)またこの時、横須賀線品川・東京方面の列車(前後は8:18発、8:26発予定)が長い間到着していないことになり、横須賀線待ちの乗客はかなり待たされていたことになる。

先日投稿した記事の中でも、武蔵小杉駅のホーム混雑については「解消・激化いずれに向かう要素もある」と言及をしたが、現時点においては「増発による混雑緩和効果」の方が大きく出た結果と言える。一方、列車本数増により列車が詰まりやすくなった分、遅延発生と新宿方面連続発車が重なった場合には品川・東京方面の列車が長時間来ず待たされるなど、新たに発生しやすいリスクも顕在化された。

平日朝ラッシュ時 相鉄からの直通列車「武蔵小杉→新宿」間利用

"平日ダイヤ初日の武蔵小杉9:07発の新宿行き。相鉄12000系。なおこの時間帯は最後尾が女性専用車であり、案内用の駅員も配置されている。

平日ダイヤ初日の武蔵小杉9:07発の新宿行き。相鉄12000系の運用。
なおこの時間帯は最後尾が女性専用車であり、案内用の駅員も配置されている。
  • 利用したのは武蔵小杉発8:23〜9:07の時間帯。
  • 先述の通り、武蔵小杉到着時点では「座席は概ね埋まっている」という程度であり、降車人員も加味すると武蔵小杉からでも着席できる可能性がある。
  • 武蔵小杉-大崎間は立ち客も発生するが、決してギュウギュウではなく体が動かせるレベルであった。少なくとも横須賀線湘南新宿ラインの混雑と比べれば明らかに空いており、今なら使える人は狙うべき列車と言えるかもしれない。
  • 時間帯や車両の位置次第とは思われるが、大崎以降では空席も発生しやすい。
  • 本数が増えた影響なのか列車の渋滞が今まで以上に起こりやすく、大崎や新宿の手前では入線待ちの停車をする頻度が増えた。特に埼京線の遅延と重なった初日・2日目は顕著だったようである。

平日夕ラッシュ時 相鉄線への直通列車「新宿→武蔵小杉」間利用

新宿駅2番線で折り返す相鉄線直通海老名行き。新宿時点では前側の車両が比較的空いている。

新宿駅2番線で折り返す相鉄線直通海老名行き。
新宿時点では前側の車両が比較的空いている。
  • 新宿2番線始発の相鉄線直通海老名行きの混雑度は、18時前後は「発車直前でなければ確実に着席可能」、22時前後は「発車時点で半分程度が空席」程度である。車両位置による差も大きい(階段に近い車両が混みやすい)が、いずれにしても同時間帯の湘南新宿ライン(15両)に比べれば着席を狙いやすい状態ではある。
  • 新宿駅1・2番線ホームは、埼京線2番線始発列車待ちの行列が解消した分、ホームの移動がしやすくなったように感じられる。ただしその分、池袋・赤羽・大宮方面の列車をほぼ全て担うようになった3・4番線ホームの混雑が激化したように見える(特にホーム池袋寄り)。(※1/7追記)→2020/1/6(月)より、17時台以降の始発ホーム2・3番線の入れ替え措置が取られた。
  • 相鉄直通列車は渋谷・恵比寿で着々と乗客を積み、さらに大崎での乗車が比較的多い。18時台なら「ドア付近に加え車内中程にも立ち客が見られる」ほどの混雑、22時台なら「席は全て埋まり立ち客もいる」という程度だろうか。ただし乗客の半数以上は(西大井や)武蔵小杉で下車し、武蔵小杉出発時点では空席も発生する。新宿-大崎→西大井・武蔵小杉間の需要がより具体的に見えるようになったとも言える。
  • なお下り10両編成は新宿・渋谷・恵比寿・大崎では比較的ホーム後ろ寄りに停車する。そのため前3〜5両への乗車が15両編成の湘南新宿ラインに比べて構造的に集中しやすい。一方で武蔵小杉駅下りホームは全列車ホーム前側の横浜寄りに停車するので、武蔵小杉下車後に前の車両から7両目付近の階段・エスカレータに向けて移動する降車客が非常に多く感じられた
  • 18時台の湘南新宿ラインは、以前と同程度の混雑であった。22時台の湘南新宿ラインは少々混雑が緩和された気もするが、気のせいだろうか。
  • 時間帯が遅くなるにつれ「相鉄線直通の直後(2〜7分後)に湘南新宿ライン」というダイヤパターンが多くなる。その影響か、22時台頃は相鉄線直通列車を武蔵小杉で下車する乗客が一定数いる一方、湘南新宿ラインを武蔵小杉で下車する乗客は明らかに減っていた。
  • 空いている列車だということが発見されつつあるのか、日を追うごとに空席が減っている印象がある。

おまけ 全体を通して

渋谷駅に停車する相鉄12000系。遅めの時間帯ならここからでも着席可能。

渋谷駅に停車する相鉄12000系。遅めの時間帯ならここからでも着席可能。

今週1週間、新宿-武蔵小杉間において、特に相鉄12000系の列車が来ると、周辺の乗客が珍しそうに車両を眺めたり行き先の「海老名」に言及したり、というシーンに必ず遭遇した。私鉄との直通、また非銀色ボディの車両が走るようになったことによるインパクトは単純に強い。

まとめ

以上、少ない・偏ったサンプルではあるが、相鉄JR直通列車を利用して気づいたことを簡単に列挙してみた。 直通列車は今の所ラッシュ時でも比較的空いており、年度の変わり目で定期券経路を変更する通勤・通学客が発生したところで、直通列車がどの程度の混雑になるか、また湘南新宿ラインの混雑がどの程度緩和されるかが焦点になるだろう。一方、増発やホーム運用変更に伴い、遅延の発生しやすさ・回復しにくさや新宿駅3・4番線ホームの混雑激化などの新たな問題も見えており、それらの緩和・解決も望まれる。