【秋田の珍車】4両の小所帯!719系が2年半で営業運転終了か

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年度末が近づいてきて、JR東日本では各地で車両転属を含む大きな動きが続いています。

2017年に突然登場して大きな話題を集めた秋田車両センター所属の719系ですが、わずか2年強の活躍で引退となる模様です。

複雑な背景から生まれた秋田の719系の登場背景から、今後の展開を考えます。

突然生まれた秋田の719系

719系は、国鉄急行型電車の走行機器と、当時製造が続いていた211系などと似たボディを組み合わせて新造されたJR東日本が製造した交流近郊型電車です。

仙台を拠点に活躍していましたが、E721系1000番台による置き換えが進んで徐々に活動範囲が縮小しています。

フルーティアふくしま関連運用や訓練車などの一部車両を除いて全廃かと思われていた矢先、磐越西線用あかべえカラーとなっていたH-10編成とH-13編成が突如秋田へ回送。

側面の帯を秋田色に貼り替えた上で奥羽本線の定期列車に充当されることとなりました。

装備が大きく異なる異端車だったため、運用・編成も固定されて朝夕の活躍となっていたものの、秋田の車両不足解決に大きく貢献していました。

導入目的について明らかにされてはいませんが、701系にATS-P車上子を設置する動きがあり、その予備車両確保が背景に考えられます

このほか、踏切事故で長期離脱しているN5編成の補填の色合いもありそうですね。

また、秋田地区の701系には2両編成と3両編成が混在していましたが、一部の編成が2両化される動きも。

ワンマン運転も可能な2両編成列車を増やす狙いもありそうですが、719系充当列車を701系3両編成に+3両運用を1運用2両に置き換えると仮定しても、捻出出来るのは2両のみとなります。

11月20日朝の泊まり明け運用を最後に、719系4両から701系3両に置き換えられることが車内アナウンスなどで明らかになっています。

昨年春の組替えを最後に701系には大きな動きが出ていませんので、719系置き換えが進められる場合、新造車投入や他線区からの車両捻出、または車両やダイヤの修正が必要になります。

現在のところ代替車両の確保は行われていないため、一時的な予備車削減での対応とみて差し支えなさそうです。

今後、719系に代わる何らかの代替車両が用意される可能性が高そうです。

719系が朝に担当していた秋田駅〜追分駅では男鹿線向けのEV-E801系も使用できますが、相変わらず量産の動きはありません。

EV-E801系の定期運用が日中の秋田〜男鹿 3往復のみとなっているため、一部運用の置き換え自体はできますが、車両数削減は望めないでしょう。

また、秋田地区に導入予定のGV-E400系は2020年度に投入ですので間に合いませんね。

仙台と秋田の車両融通は以前にも

仙台車両センターから秋田車両センターに転属して話題となった719系ですが、弟分の701系は以前から秋田と仙台を行ったり来たりしています。

まずは1999年の山形新幹線新庄駅延伸・標準軌化で余剰となった100番台5編成=N102〜N106編成が仙台に転出、F2-102〜106編成と仙台流の編成番号に改められて塗色も仙台色になりました。

仙台生え抜きの1000番台・1500番台とは前面貫通扉が銀色のまま(生え抜きは緑色)という違いがあります。

その後は秋田地区の701系機器更新に合わせて2010年に3編成が秋田に再転入した後、2013年には仙台地区の701系も機器更新時期となったため、仙台に1編成を転出させています。

結果として、このF2-105編成・F2-106編成が仙台に残留しています。

その後も2016年夏にF2-105編成が秋田に配給輸送されたものの、貸し出し扱いで仙台色のまま活躍、同年秋に返却しています。

今後、もし719系置き換えで再び秋田に車両が必要となれば彼らを転属させるでしょう。

残念ながら仙台地区についても、E721系1000番台の製造数の少なさから719系が常磐線を中心に一部残留しており、仙台地区から701系を捻出できないどころか仙台地区も車両が足りていない状勢です。

そもそも、仙台地区に車両の余裕があれば719系2編成ではなく、701系のF2-105編成・F2-106編成を秋田に転出するのが両支社にとって都合が良かったのは過去事例からも容易に推測ができますね。

必要数より少ない新造車両で旧来の車両が残留してしまうという動きは、最近のJR東日本の得意技となっています。趣味としては話題が多くてありがたいですが、車両保守や運転取扱の観点を考えると厄介な存在であることは間違いありません。

銀色の貫通扉が異彩を放つ仙台残留の100番台2編成たちが同僚の活躍する秋田へ戻る機会は訪れるのでしょうか。

秋田車両センター(狭軌)701系・719系の車両配置数変遷

主な動き配置編成
1993年0番台製造3両 13編成
N1-N13
2両 25編成
N14-N38
1994年
〜95年
100番台製造
前面形状小変化
3両 14編成
N1-N13
N101
2両 30編成
N14-N38
N102-N106
1999年山形〜新庄 標準軌化
余剰編成が仙台へ転属
3両 14編成
N1-N13
N101
2両 25編成
N14-N38
2007年F2-102編成が里帰り3両 14編成
N1-N13
N101
2両 26編成
N14-N38
N102
2010年F2-103〜105編成が里帰り
秋田地区701系機器更新工事開始
3両 14編成
N1-N13
N101
2両 29編成
N14-N38
N102-N105
2013年N105編成が再度仙台へ
仙台地区701系機器更新工事開始
3両 14編成
N1-N13
N101
2両 28編成
N14-N38
N102-N104
2016年
1/17
N5編成が踏切事故で長期運用離脱3両 13編成
N1-N4,N6-N13
N101
2両 28編成
N14-N38
N102-N104
休車 3両
N5
2016年
6月ごろ

2016年
10月

2017年
9月ごろ
サハ701-5をN29編成に組み込み3両化3両 14編成
N1-N4,N6-N13,N29
N101
2両 27編成
N14-N28,N30-N38
N102-N104
休車 2両
N5 Mc-Tc
2016年
7月〜9月
N5編成代替でF2-105編成を借入3両 14編成
N1-N4,N6-N13,N29
N101
2両 27編成+借入1
N14-N28,N30-N38
N102-N104
F2-105(所属は仙台)
休車 2両
N5
2017年
4月ごろ
719系H-10,H-13編成が秋田に転入
→7月に営業運転開始
3両 14編成
N1-N4,N6-N13,N29
N101
2両 27+2編成
N14-N28,N30-N38
N102-N104
H-10,H-13
休車 2両
N5 Mc-Tc
2017年
9月ごろ
N29編成2両に復元3両 13編成
N1-N4,N6-N13
N101
2両 28+2編成
N14-N38
N102-N104
H-10,H-13
休車 3両
N5
2018年
4月ごろ
N11-N13編成の2両化が進行3両 10編成
N1-N4,N6-N10
N101
2両 31+2編成
N11-N38
N102-N104
H-10,H-13
休車 6両
N5 Mc-T-Tc
N11-N13 T
2019年
3月
一部中間車が用途廃車3両 10編成
N1-N4,N6-N10
N101
2両 31+2編成
N11-N38
N102-N104
H-10,H-13
休車 4両
N5 Mc-T-Tc
N13 T
廃車 2両
N11,N12 T

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画像元ツイート紹介

今回の画像は、フォロワーの秋アキEV-E801様(@EV801akita)より許可を頂いて掲載させて頂きました。

画像元のツイートを末筆ながら紹介させていただきます。

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