最強機 VS 大物車 -② | 安芸もみじ / Historys, Trains, Townbikes - Hiroshima JAPAN

最強機 VS 大物車 -②

EF200,大物車,京都鉄道博物館

京都鉄道博物館、EF200 & シキ800の特別展示初日の続きです。

今回はシキ800をメインにUPします。

まずはパネル写真から。


シキ800 最後の特大貨物輸送・桜島線安治川口駅から伯備線石蟹駅まで』のパネルですが、文字が見にくいので、ここに記してみます。

①海上輸送で安治川口駅へ海上クレーンで積替え
②安治川口駅の富士興業専用線で貨車へ積込み
③石蟹駅の取り降ろし場所へ到着
④石蟹駅の取り降ろし作業開始
⑤トレーラーへスライドさせて積替え
⑥トレーラーヘの積替え作業完了


続いては作業手順を説明したパネルですが、これも同じく文章を転記します。

①到着した貨車を2つに分割する
②外したビンは梁にチェーンでぶら下げている。
③分割後、脇こ回送時に使用する雄型用の継手が置かれている。
④積み込み終了。この後、到着駅まで輸送される。
⑤到着駅にて、積荷を貨車から切り離した姿。
⑥線路上から横に移動し、トレーラーヘの積み込みを待つ。


この写真もパネルからのものですが、2019(令和1)年4月に撮影された、特別重量荷物の積載状況です。

150tもある荷物のため、普通の台車だとその重さに耐えられず、台車や車輪だけでなくレールも破壊してしまうので、重量バランスを追求した特別な台車に、16軸32輪の車輪が装備されています。

その写真はまた後ほどとして、まずはパネルから説明文を転載したいと思います。


『戦後、各地で電源開発・発電所建設が進むと、大型変圧器の輸送のため、重電メーカーは盛んに大物車を製作しました。

昭和20年代後半、に吊り掛け式が初めて登場して大物車の主流となり、各重電メー力一によって荷受ヒンジの構造が異なるため、当初の多くの大物車はメーカーの私有貨車として製作されました。

しかし、そのヒンジの構造が異なったため他社の荷物を輸送することがてまきず、年数回程度の使用頻度となり、運用効率が悪かったのが課題とされていました。


昭和40年代になると大物車の運用効率を向上させるため、荷受梁に工夫を施し、各メ一力一の方式に対応可能な汎用車が開発され、これらは輸送を請け負う日本通運(株)の私有貨車として製作されました。

こうして、超大型大物車として235/240トン積のシキ610形が1971(昭和46)年に、150トン級の汎用車として1973(昭和48)年にシキ800形が登場し、現在に至ります。

現在、各メーカーでは大物車を所有しておらず、日本貨物鉄道(株)及び日本通運(株)所有の車両で輸送が行われています。』



展示されているシキ800を、上から撮ってみました。

8軸16輪 × 2の台車のため、荷物を積まない部分の車台が、驚くほど長いことが判ります。

また、見学者の方々と比べても、この貨車の大きさが実感できます。



上から俯瞰した貨車本体部分の、分離部分を地上から撮ってみました。

ちなみに150tと言われてもピンと来ないのですが、ガンダムがフル装備で60t・・・・と言うか、自衛隊の90式戦車が50tなので、戦車3台分なんですが。

あぁ、すっげぇ重いんだなぁ~とは想像できるものの、やはりピンと来ません。



ちなみにゼロロクことEF66も隣に居るEF200も、その総重量はともに100.8tです。

『あの電気機関車よりも重たい荷物を、ここに挟んで線路の上を走る』と言った方が、想像しやすいかも知れません。

1軸辺りにかかる負荷は約9.4tで、1車輪辺りは約4.7tまで軽減されますが、それだけの重量物を運ぶ訳ですから、シキ800自身の重さも相当なもので、自重は63tもあります。



なので、実際に1車輪辺りレールにかかる負荷は6.7tとなります。

1987(昭和62)年に国鉄が分割民営化されてから、初めて大物車が運転される折り、あるJR会社が線路の使用を拒否したという事件もありましたが。

これだけの超重量貨物ですから、国の設備ではなくなり、民間会社として自前で保守する以上、当時の『ちょっと待った!』との気持ちも解らない訳でもないですね。



日本国内のインフラ整備や既存設備の老朽化による機器交換は、これからも続くので大物車そのものが、これで無くなる訳ではないのですけど。

民間所有の貨車とは言え、これも広義では時代的に国鉄型と言える存在で、また1つ時代が終わることは確かでもあります。

昔は民有貨車もたくさんの形式がありましたが、国鉄末期に『今後、コンテナは民有とする』との発表の折りには、中小企業は急速にトラック輸送へシフトして行ったことも、遠い記憶になってしまいました。



運送業は流通の要であるので、貨車の歴史を見ると日本の近代史が見えて来るのも、面白いものなんですが。

シキ800はこの度の運用終了に伴って廃車となりますが、大物車もまだシキ1000などJR貨物が直接所有する車両もあり、インフラ整備に何しろらかの影響が出る訳ではありません。

鉄道ファン以外の方々に、何かニュースとか見て、大物車そのものが無くなるように思い違いをされている人もいるので、最後にちょっと言ってみました。

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ふっ。

男は黙ってカチカチ派ですぜ。

あんなどろどろ派やぐちゃぐちゃ派と一緒にされちゃ、かないやせんや。


この2人もある意味、最強 VS 大物なのか。

気になるところではある。

ちなみに私はガチガチ派よりも、もちもち派です。

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