士別を発車した列車は天塩川を渡ります。
ちょうどその頃、乗客にアンケートが配られました。
「国土交通省の委託を受け東急グループが実施しており」
JR北海道でないところを見ると、来年(2020年)北海道を走る「THE ROYAL EXPRESS」の参考にするのでしょうか?
回答するとポストカードをいただきました。
まもなく名寄につくという頃、車窓右側に「キマロキ編成」が見えるという放送がありました。
これがその「キマロキ編成」。
右側からキ=機関車、マ=マックレー車、ロ=ロータリー車、キ=機関車という編成で、ラッセル車で除雪が難しいときに運行される列車でした。
マックレー車はかき寄せ式雪かき車、ロータリー車は回転式雪かき車。マックレー車が線路脇の雪の壁から雪をかき寄せ、ロータリー車がその雪を遠くに飛ばすという仕組みで、実際は「キマ」編成に続けて「ロキ」編成が運行するという形が多かったようです。
ちなみにこの編成が展示されている線路は1989年(平成元年)廃線となった名寄本線(名寄~遠軽)の旧本線上ということで、一度で2つの鉄道遺産を見ることができますね。
風っこそうや通過に合わせて汽笛が鳴ったそうですが、よくわかりませんでした…
キマロキ編成を過ぎるとまもなく名寄に到着です。
2分停車なので降りることはできませんが、地元の方が集まっていて、名寄市訪問記念証を頂きました(車両側面開口部から手渡し)。
また帰りの4号で停車時間がありますので、そのとき降りてみたいと思います。
名寄駅を発車するとすぐ左に名寄オフレールステーションが。
貨物列車の発着はありませんが(自動車代行)、ここがJR貨物最北の駅です。
名寄川を渡った後、右側遠くにひまわり畑が見えてきました。
ここは北海道立サンピラーパーク。
風っこそうや4号車に掲げられているヘッドマークのひまわり畑はここをモチーフにしたものと思われます。
ここからひまわりと風っこそうやを絡めて撮る、という写真をどこかで見ましたが案外線路からは遠いんですね…
サンピラーパークを通過してすぐ。なにやら車両後部が騒がしいと思ったら…
車掌さん?が登場しました。
実はこの方車掌さんではなく、美深町地域おこし協力隊による「美深大サーカス」という企画だそう。
ジャグリングや皿回しといった見事な曲芸が披露されました。
走る列車の中で行うというのがすごい…
以下その様子を少し。
SNSでシェアしてね!!ということなので当ブログでもご紹介させていただきます(笑)
曲芸を楽しんでいると、次の停車駅美深に到着。8分停車です。
ここは「日本一の赤字路線」として有名だった美幸線(1985年廃止)との分岐駅でした。
さっそくご当地入場券を…
しかし、停車時間が短い上に多くの方が並ぶので危うく乗り遅れるのではないかと心配しました(笑)
まあ、ちゃんと買えて、乗り遅れもしませんでしたが…
発車すると、先ほどの美深大サーカスの方を始めとする地元の方々が見送ってくれました。
次は終点・音威子府です。
しかし…名寄あたりからだんだんと雲行きが怪しくなっていた空が…ついに雨を降らせてきました。
側面が大きく開口した風っこにとって雨は天敵。
雨が振り込まないようロールカーテンを下ろすという放送が流れ、なんと自動でロールカーテンが降りてきました。
これ、自動だったんですね…
しばらくすると雨が上がったのでまた自動でカーテンが上がりました。
私を含めその様子を記録する乗客の皆さん(笑)
風っこの秘密を覗いた気分です。
車窓には家畜の冬の飼料となる牧草ロールが白いかたまりとして見えます。
放送によると、ロールの中で乳酸発酵が起こり、より良い飼料となるのだとか…
その反対側、左手には士別を出た直後に渡った天塩川が今度は線路に寄り添うように流れているのが木々の間から見えます。
天塩川に沿って走ること数十分。再び「アルプスの牧場」のチャイムが流れ、終点・音威子府に到着する旨の放送が。
12:26、風っこそうや3号は5時間8分の長旅を終え、音威子府に到着しました。
到着後はゆっくりしていられません。折り返しの時間までに有名なアレを食べないといけないからです(笑)
それはまた次回。
★乗車データ
9343D 風っこそうや3号 音威子府行き 旭川(7:18)→音威子府(12:26) キハ40-1720(道北 流氷の恵み)+キハ48-547+キハ48-1541+キハ40-1780(道央 花の恵み)
※8月31日乗車