今回は、JR北海道が2018年6月に国交省と道と協議し「単独で維持困難な線区」のひとつに指定され、廃線の危機に瀕している留萌本線について取り上げます。
今から98年前の1921年11月5日にJR留萌本線が全線開通しました。
全線開通した時の留萌本線は、深川駅から増毛駅を結ぶ66.8Kmの路線でした。
現在は留萌駅~増毛駅が廃止となったが、留萌駅近くの鉄橋など今も残っている
留萌駅~増毛駅までは海岸沿いを走る風光明媚な景色が広がる区間だった
現在の路線図
留萌本線で主に使用されるキハ54形気動車
車体上に赤帯がある車両は、0系新幹線で使用していた転換クロスシートが設置されている
起点となる深川駅
留萌本線には難読駅名で有名な「北一已駅」(きたいちやん)などがある
ちっぷべつは「秩父別」と書く
1972年まで札沼線の終着駅だった「石狩沼田駅」
真布駅はまっぷえきと読む
連続テレビ小説「すずらん」の舞台となった恵比島駅は、真岡鐵道から借りてきたC12-66を使用してロケが行われた
峠下駅が唯一の列車交換駅となる
藤山駅や大和田駅の駅舎は車掌車を改造したもの
留萌本線の終着駅「留萌駅」
留萌駅から先はレールが途切れている
留萌港への石炭や木材、ニシンなどの海産物等の輸送のため、1910年11月11日に深川駅~留萌駅で開業、1921年11月の全線開通後は、1927年に留萌駅~大椴駅、1928年10月には大椴駅~鬼鹿駅、1931年8月15日には鬼鹿駅~古丹別駅が留萌線として延伸開業しましたが、延伸区間は1931年10月10日に留萌線から分離、羽幌線に編入されました。
留萌駅には巨大数の子のオブジェがある
1960年代から1980年代初頭にかけては、札幌駅から準急列車も運転されていた(イメージ写真:キハ22を使用していたらしい)
1999年には恵比島駅がNHK連続テレビ小説「すずらん」の舞台となった影響で、SL「すずらん」が運行されるなど沿線が賑わっていた時期もある
1975年には2,245人だった留萌本線利用者は、1987年には435人まで減少、2014年には142人まで落ち込みました。
2016年12月5日に、留萌駅~増毛駅が廃止となり、現在の深川駅~留萌駅までの12駅50.1Kmを結ぶ日本一短い「本線」留萌本線として、1日8.5往復運行しています。深川駅と留萌駅以外は無人駅(石狩沼田駅のみ簡易委託駅7:20~13:40まで営業)
100年以上の歴史のある路線ですが、JR北海道が「単独で維持困難な線区」に指定し、廃止の危機に瀕しています。
峠下駅から終点の留萌駅まで併走する国道233号線、建設が進む深川留萌道によって周辺道路が整備された事も利用者減少に繋がったか
2018年11月下旬には、JR北海道が深川駅~留萌駅を存続させる場合、沿線4市町の負担額は約9億円に上るとされたほか、深川駅~石狩沼田駅を存続させる場合でも、年間で3億円の損失が見込まれるという試算を示し、路線存続の厳しい現状が明るみになりました。
数年以内には留萌駅から先の線路も消滅してしまうのか・・・
2020年度内の廃止とも言われている留萌本線ですが、1日でも長く存続されるように願っています。

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