今回は「環境への配慮」を掲げて設計して、その省エネ性能が高く評価された東京メトロ16000系について取り上げます。
9年前の2010年11月4日に東京メトロ千代田線で16000系が営業運転を開始しました。
16000系は、1971年から千代田線で使用していた6000系(上写真)の代替車両として、2010年から2017年にかけて、10両編成37本が製造され、車両デザインはフェラーリのカーデザインで知られる奥山清行が担当し、「環境への配慮」を掲げて設計・製造されました。

1次車となる第1~5編成の前面にある非常用貫通扉を中央に設置しましたが、運転士側から右側の前方視界が見づらいとの指摘があったことから、2次車となる第6編成以降では非常用貫通扉を350mm車掌台側にズラしたデザインとなりました。
第1~5編成の非常用貫通扉は中央に設置
第6編成以降の非常用貫通扉は左側にズレた
第17編成からは、帯色が若干変更となり白色が消えて黄緑色が強調されたデザインに

主電動機には東芝製の永久磁石同期電動機を採用、PMSMを採用することで従来の三相誘導電動機よりもエネルギー効率を高くすることができ(従来の92%を96%まで向上)、さらには全密閉構造とすることで低騒音も実現させました。
PMSM を採用することで、従来の三相誘導電動機を使用する東京メトロ副都心線10000系と比較して消費電力を10%削減
16000系は、川崎重工業兵庫工場(1・2・5次車)と日立製作所笠戸事業所(3・4次車)で製造
各工場から東海道線・武蔵野貨物線・武蔵野線・常磐線を経由して綾瀬まで甲種輸送された
2011年には「鉄道友の会ローレル賞」を受賞
在籍する16000系全編成に特製ステッカーが貼られていた
JR東日本の常磐緩行線、小田急線との相互直通運転にも使用され、茨城県取手市から神奈川県伊勢原市までと運用範囲は幅広い
2018年3月17日ダイヤ改正で小田急多摩線への乗り入れは廃止となった
2018年11月11日で6000系が引退し、16000系に統一された
千代田線の主力車両として6000系よりも長く活躍して欲しいと思います。

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