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2018.3/3-6 霧島の雄叫びに哭いた 第十七章 先立つものは

第十七章 先立つものは
折り返し新八代行き川内駅201803

 出水市の隣、阿久根市阿久根駅は、始発終着の列車こそないが、国鉄時代からの主要駅である。ここにも多良木駅の様にブルートレインが静態保存されている。これは2008年まで寝台特急なは号として走っていた客車そのもので、ブルートレインたらぎと同様に簡易宿泊施設だった。「だった」、というのは、運営していたNPO法人の資金繰りが悪化したことで、2014年に営業を終了しているからだ。内装は宿泊用に改装したものだったようだから、このまま朽ちてしまうのはあまりに勿体無いが、先立つものは金である。どうしようもない。

 阿久根駅を出たすぐ後、右窓に何かが斜めに落ちてきて、そのままこびりついた。白い固体と茶色い固体が混じった様なこの物体は鳥の糞だろうか。しばらく見ていると、二つ先の薩摩大川駅に着く頃には乾いた。

 薩摩大川駅からまた東シナ海沿いの高台に出る。先程のリアス式海岸と同様に、観光案内が入る。快晴なら素晴らしい海の眺めであったが、あいにくどんよりと曇っていて、何とも陰鬱な感じであった。
阿久根~川内車窓201803

 大河川内川を渡って13:09川内駅に到着し、長かった肥薩おれんじ鉄道の旅は終わった。山あり海あり歴史ありで、非常に変化に富む楽しい路線であった。是非再訪したい。川内駅の肥薩おれんじ鉄道ホームは、北側にあってJRのものとひと続きだが、線路が道床砂利で寸断されている。何とも手抜きな車止めだ。ホーム上に肥薩おれんじ鉄道用の駅舎があって、改札はそこで行われる。

 このまま次の13:23発鹿児島中央行き電車に乗り継ぐが、まだ電車の姿がない。駅名標と駅舎外観を撮りに行く。

 普通こうした主要駅では、駅名標を探すのに苦労しない。ホーム上に立てかけられる形態のものや、天井から吊り下がっているものが混在し、すぐに撮れてしまう。だがどういうわけか、川内駅は駅名標が非常に少なく、ホームの鹿児島方面に向かって歩き、屋根が途切れたところに一つだけあった、しかも文字が掠れて読むのに苦労するような代物だった。そう言えばこの旅の後、「レールファン」の『阪神電車』氏も川内駅は駅名標が少ない、と仰っていたような気がする。
川内JR駅名標201803

 続いて駅の外に出る。駅の通路からして非常に清潔感があって、さすがに新幹線駅は違うな、と思わせる。駅舎を含む建物の地階には土産物屋が埋め込まれていて、少しだけ物色したが、やはり買うのはやめておいた。
川内駅外観201803

 13:23発鹿児島中央行きは、昨日熊本駅から乗ったのと同じ817系であった。八代から川内は117kmも離れているのに、また同じ電車と出会うのは、どうもしっくりこない。座席は相変わらず高級感があるクロスシートで、誠にありがたい。

<<次回に続く>>
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こだま827号

Author:こだま827号
職業:初期研修医
趣味:鉄道旅行、旅行記執筆、音楽、写真撮影、動画制作、醫學研究
好きな作家:宮脇俊三、笹沢左保、上野正彦
愛読書:JTB時刻表

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