槇木沢橋梁961

 


淡路駅定点が終わって、夏の旅に戻ります。
今回は旅記録183号車の途中で立ち寄った槇木沢(まきさわ)橋梁です。

三陸鉄道リアス線岩泉小本~島越間にあって準用河川槇木沢川を跨ぐ橋梁です。
槇木沢橋梁943槇木沢橋梁966
2径間連続下路PCワーレントラス橋で、長さは72.0mです。
槇木沢橋梁946槇木沢橋梁964

数少ないPC(プレストレスコンクリート)トラス橋の一つ。
先に紹介した安家川橋梁と、太田名部橋梁は上路式でしたが、
こちらは山陽新幹線広島車両基地入出庫線にある岩鼻架道橋と同じ下路式で、

岩鼻架道橋から遅れること3年後に完成しています。

意外にも河口までは直線距離で約800m。
安家川橋梁同様に塩害を考慮してPC橋を採用したものと思われます。
河口には小さな漁港があり工事に伴って道路は整備されたものの、
砂利道が続くアクセスしにくい場所。
省メンテナンスも要素の一つかもしれません。
槇木沢橋梁952槇木沢橋梁951

左右は標高150mほどの海岸段丘に挟まれています。
槇木沢橋梁941
リアス線は岩泉小本~島越間を小本トンネル、切牛トンネル、浜考トンネルで段丘の地下を抜けてゆきますが、

段丘面を深く刻んだ槇木沢川は避けきれなかったようです。
槇木沢橋梁456槇木沢橋梁457

本来は橋長に含めるべきですが、左岸側に道路を跨ぐ長さ10mほどのコンクリートガーダー橋が1基あります。
槇木沢橋梁954槇木沢橋梁962

長大化が期待されたPCトラス橋でしたが、鉄道橋として確認される限り4例にとどまっていて、
コスト面、施工面などで何かしらのデメリットがあったのかもしれません。
時代は下って、PC斜張橋、エクストラドーズド橋など、
鉄道におけるコンクリート橋はさらに進化を遂げてゆくことになります。

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