KATO製のEF65-1000番台は、Nゲージの黎明期に登場して以来、改良を重ね品番を変えながら進化を遂げてきました。現行製品( 品番3061・3089)にリニューアルされる直前の、品番3019シリーズ(→こちら)について取り上げたことがありますが、3019シリーズには思わぬ弱点がありました。

 

品番3019シリーズのEF65-1000。左側から①3019-1後期形、②3019-3後期形、③3019-5前期形、④3019-6前期形・JR貨物更新色、⑤3019-7レインボー1019号機、⑥3019-8前期形・JR貨物2次更新車色、⑦3019-9レインボー1118号で、写真にない3019-2レインボー1019号機と3019-4(欠番?)は所有していません。

 

国鉄色PF機のKATO製品を発売順に並べてみました。左から①3019-1後期形、②3035-1後期形、③3019-3後期形、④3019-5前期形です。なお、黒色屋根にクーラーを搭載した車両は、3019-3後期形に私が加工(→こちら)を施しています。此処で注目して頂きたいのが前面ヒサシの色です。ヒサシ上面が、①②は青色、③④はクリーム色に塗られています。下面は何れもクリーム色です。実車を上方から撮影された画像が少なく、最近撮影されたものにクリーム色に塗られた写真が見つかりましたが、どちらの色が正しいのか、または両方存在したのかは判別できません。

 

今回は、この色の是非ではなく、ボディの色とヒサシの色合いが少し異なることに着目して下さい。ヒサシがボディと一体成形ではなく、別パーツだからこそ生じた色合の違いだと思われます。

 

 

先程の4両に、更に右側に2両加えました。新たに加わった⑤⑥は④と同じ3019-5前期形ですが、ヒサシが付いていません。

 

⑤⑥の車両は、ヒサシが抜け落ちてしまっているのです。このヒサシは、ライトの部分の切欠きも再現され、厚さも薄くてシャープで非常に実感的な素晴らしい出来映えです。ヒサシの抜けた⑤⑥の車両はオークションで入手した中古品で、オークションに出品されている中古品を見ていると、このヒサシが抜けてしまった物が数多く見受けられます。走行性能が良いだけに、これは最大の弱点なのではないでしょうか?

 

先日、十数年振りにホビーセンターカトー東京を訪れた際に、修理カウンターの方にこのパーツの分売はないのでしょうか?と尋ねてみました。「3019の初期製品(3019-1,2と3035-1を指す模様)では接着していたが、ヒサシを折った(破損した)方の修理に際してボディごと交換対応する必要があり、部品代が高額となってしまうことが問題となった。そこで、3019の途中(3019-3以降)から、接着せずに挿し込むだけの仕様に変更し、破損した際の修理もヒサシのみの対応で部品代も150円程度にすることが出来た。然しながら、抜け落ちて紛失してしまうケースが増え、改善策が裏目に出てしまった。製品生産時にヒサシを多めに作って修理保守パーツとして確保してきたが、現行製品に移行した際に寸法変更もあり、3019は生産されなくなった。3019用ヒサシも在庫が底をついてしまい、今は修理対応も出来ない状況なので、このパーツの再生産をするよう依頼してあります。」と言った趣旨のお話を伺いました。

 

左側が左窓用のヒサシで表面、右側は右窓用のヒサシを裏返して裏面を撮影。一見、左右とも同一パーツの様に見えますが、表面と裏面での作り分けがなされ、車側面末端で下方への曲げ(水切りの再現)もあって左右は別パーツです。何処かのサードパーティで、エッチングによる金属製パーツを販売して頂ければ、かなりの需要はあるのではないかと思うのですが、如何でしょうか。

 

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