先日、ホビーセンターカトー東京で見つけた100円のオハ12ボディは、ボディが破損した状態のKATO製オハ12を修復するために購入しました。ボディ交換するだけで簡単に修復出来る筈だったのですが、思わぬ加工を強いられることになりました。

 

左側がボディが破損しているオハ12(品番5015)、右側が先日入手したオハ12のボディです。


ボディが破損しているオハ12です。貫通路上部でボディが割れ、貫通ホロも無くなっています。

 

乗降扉上部が裂断、客室窓ガラス1箇所がひび割れて湾曲しています。サッシの外枠下辺には打撲痕もあります。この車両は、過去にオークションでジャンク品として入手した物ですが、前所有者がかなりの高さから墜落させてしまったものと思われる事故車両です。

 

ボディ交換をすべく、破損した車両を分解しました。

窓ガラスの破損状況です。サッシ窓1個が完全に陥没しており修復不能なため、この部分は別パーツから移植するしかなさそうです。

 

手前が破損したボディ、奥側が購入して来た代替えボディです。分解してみて初めて気が付いたのは、屋根板の取付穴の構造が全く異なっており、無加工では元々の屋根板は代替えボディに取り付けることができません。

 

トイレ側の妻板(右端)を揃えて置いてみると、代替えボディの方は全長が1mmほど長めです。

 

当然のことながら、代替えボディに対して元の屋根板は寸足らずになります。

 

次に、元の窓ガラスを代替えボディに嵌めてみると、両端の乗降扉の窓部分が全く嵌りません。

 

代替えボディでは、乗降扉と客室窓間の寸法が異なっており、これが嵌らない理由でした。

 

反対側のデッキも、同じ個所の寸法が異なっていました。

 

破損した側の妻板は同等形状ですが、貫通扉があります。貫通ホロの固定方法が異なっており、貫通ホロ自体が別パーツになります。

 

破損したデッキ側の天井部分の形状も異なります。

 

トイレ側の天井部分の形状も異なります。

 

代替えボディは従来製品とは明らかに異なっています。車番のオハ12-349をキーワードに、KATOのHPから今年の8月に「12系急行形客車 国鉄仕様 6両セット」(品番10-1550)と共に発売になったオハ12の単品製品(品番5302)と判明。後期形をプロトタイプとし、前位側貫通扉ありの形態で再現と記載されていました。

 

以上の相違点を勘案の上、旧ボディをベースとし、破損した部分だけを代替えボディから切り取って移植することに決定しました。

破損ボディの妻板で、乗降扉の厚さ分を残して縦に切断。

 

破損ボディの側板で、乗降扉の右内側を縦に切断。これで破損部分を切り離すことができました。

 

次は、代替えボディです。

代替えボディの妻板も、破損ボディと同じ箇所で切断。

 

妻板に沿って裏面側を枕木方向に切断し、乗降扉の右外側で縦に切断。これで移植用の代替えパーツの準備ができました。

 

下段の窓ガラスで破損した窓部分を外周より少し大きめに切り離しました。上段はスハフ12用窓ガラスのストックパーツで、窓部分を1箇所切り出してから下段の撤去箇所に嵌め込みます。これで、窓ガラスの準備も出来ました。

 

破損していたボディに代替えパーツをプラ用接着剤で接合。なお、妻板を切り出した際に斜めに切ってしまい、0.5mm厚のプラ板で隙間を埋めています。このプラ板部分は、青色20号で塗装する予定です。貫通ホロは、14系客車用が適合しました。

 

乗降扉側の接合箇所は、比較的目立たない状態で仕上がりました。扉の接合部分に下地が露出して白く見える部分も、妻板のプラ板を塗る際にタッチアップしておきます。窓ガラスの切り継ぎも上手くいきました。

 

タッチアップが未完ですが、遠目には墜落事故の復旧車には見えないのではないでしょうか。(自己満足)

 

思いの外、修復に手間が掛かりましたが、これで12系編成の列車運用に投入できます。