前回の続きです。
旭川からは13:46発の富良野線731Dで折り返すのですが、そのまま富良野へ折り返してもフララベン4号まで時間が空くだけなので、美馬牛駅で下車して美瑛行き富良野・美瑛ノロッコ4号で美瑛へ戻り、そこから折返しのノロッコ5号で富良野に向かう事にします。
731Dは先程乗車した730Dの折返し運用。
今度はキハ150のほうに乗車するつもりで席を確保していたのですが、結局転換クロスのキハ54のほうに移動しました。
14:27、美馬牛駅に到着。
美馬牛駅で下車するのは今回が初めて。
美瑛駅で下車しても待ち時間が長くなるだけなので、当駅で下車して美瑛行きのノロッコ4号に乗車し、そのまま折り返しのノロッコ5号で富良野に戻るというプランにしたのです。
14:51、ノロッコ4号が到着します。
前週に引き続き、昨年までの牽引機だったDE15 1534が再登板しています。本来の牽引機で新塗装のDE15 1535は相変わらず不調のようで、修理に時間が掛かっているようです。
今回は2号車自由席のオハテフ510-2に乗車します。
元々、くしろ湿原ノロッコ号用として誕生した車両で、富良野・美瑛ノロッコ号に転用されてからも緑塗装のままでしたが、昨年になって茶色塗装に塗り替えられています。
夏の観光シーズンも終わったため車内はガラガラ。
大半の乗客は十勝岳連峰が見える側の窓に向いたベンチシート席に着席しています。
美馬牛駅(富良野行きは美瑛駅)を出ると『美瑛町観光ポスターに使われた赤い屋根の家が見えます』という録音による観光アナウンスが流れますが、美馬牛峠を越えた後に見える赤い屋根の家がコチラ。
美瑛駅には15:01に到着。9分後の15:10にノロッコ5号として富良野へ折り返します。
思わぬ形で再登板となった1534号機ですが、今後どうなるのだろう…?
今回はクリスタルエクスプレスがメインの記事なのでノロッコ号の乗車記は省略。
そのクリスタル車両が待機している富良野駅に進入します。
16:02、富良野駅に到着。
ラストランではノロッコ号は既に運転を終えているので、この並びが見られるのもあと2日…。
客車側からの2ショットも撮らせて頂きました。
クリスタルの後継であるキハ261系5000番台車は来年の10月頃に登場予定との事で、結局来シーズンのフララベンの運転期間には間に合わないのですが、2往復体制を維持するなら一般のキハ183系も『ふらの・びえい号』の運用と兼ねて登板されるのでしょうか。
常時改札ではないので、一旦改札口を出て改めてフララベン4号の改札を待つべく並ぶのですが、いい歳したオヤジが撮影のため強引に改札を通るという暴挙に出るのを目撃してしまいました。まぁ、このような輩はアタマの構造が一般人とは異なるので何を言っても無駄なのでしょうが、そういったマナーやモラルに欠けたのが少しでもいるだけで、全ての『テツ』の印象が非常に悪くなってしまうんですね。全く、腹立たしい限りです!!
通常、富良野駅では発車時刻の15分前に改札が開始となるのですが、フララベン4号は30分位前からの改札となりました。
但し、クリスタル車両はまだ入線しておらず、何故か2番線のホーム手前で待機しております。
今回、私としては最後の乗車となるので、まだ座席としては乗った事がなかった3号車のダブルデッカー・キサロハ182-5101に乗る事にしました。その3号車ボックスシートは自由席となるので、クリスタル車両の到着まで乗車口札の前で並びます。
クリスタル車両は発車時刻の10分程前に入線します。
今回、ようやく座席利用となるキサロハ182-5101です。
クリスタル車両のデッキ壁には、北海道の風景写真が飾られていましたが、その後登場したキハ283系や261系などの特急列車にも踏襲されています。
残念ながらキサロハのグリーン個室(後に普通個室化)の1階席は多目的室扱いで座席販売されていませんが、2階BOX席は自由席なのでどなたでも利用できます。基本BOX席は複数名利用が前提なので、今まで利用を躊躇していましたが、今回は最後という事もあり、また観光シーズンも一段落して利用客も『テツ分多め』なので、相席になっても良いのでBOX席に座らせて頂きました。
ただ…残念な事に2階席の窓は曇りガラスの如く視界が悪いです。窓ガラス保護のためにクリスタル車両も例に漏れず、透明ポリカーボネートが貼りつけられたのですが、1階は平面ガラスで交換が容易なため透明度を保っているのに対し、2階席は曲面ガラスなので交換コストの関係か、スリ傷だらけのまま放置されていました。せっかく眺望の良いハズの2階席なのに残念でなりません。まぁ、日没も近いし景色を楽しむつもりではなかったので私としては良いのですが…。
16:51、富良野駅を発車します。
私が乗った3号車のBOX席は、家族連れが2組程の他は1~2名での利用で、お陰で私のBOXも1人でゆったり座る事ができました。
非リクライニングではありますが、リゾート列車だけに座り心地も良く、付随車に付きエンジン音がない分、乗り心地も快適でした。
そういえば、BOX席の腰の部分に把手が付いていたので、何なのかなぁ?と思って引いてみると、ハンドバッグなどの小物が収納できるスペースとなっていました。側天井に荷棚を設けられないので、4人フル乗車する際には便利な装備だと思いますが、忘れ物には要注意です。
指定席はほぼ満席のようでしたが、自由席、特に2号車ドームカーに至っては、本当に来週がラストラン?と思える程ガラガラという有様。
天窓の煤汚れがあまりにも哀しい…。
側窓がスリ傷だらけで視界が利かず、また日没という事もあってほとんど景色を楽しむ事はできませんでしたが、その分自席でまったりと、クリスタル車両の快適な乗り心地を楽しんでおりました。
最後の停車駅・岩見沢を出たあたりで、夕食用として買っておいた旭川駅弁『美瑛・富良野ノロッコ弁当』(※ノロッコ号運転期間の限定発売)を食します。お肉メインの食材というのが北海道の駅弁としては異彩を放っています。
クリスタル車両との時間もあとわずか…。
18:46、フララベン4号は札幌駅に到着。私としてのクリスタルエクスプレスの旅は終わりました。
もっと長く乗っていたかった…。
クリスタル車両はそのまま車両基地の苗穂には向かわず、一旦桑園方の引上げ線に入った後、回送線の11番線に入線して待機してから苗穂に向けて回送されていきました。
そして…9月28・29の両日の運転でついにラストランとなってしまったのですが、切符を取る事ができなかった私は敢えてラストランの見送りや出迎えをする事はしませんでした。
そのラストランの翌日9月30日の朝、仕事で苗穂運転所のそばを通る事があったのですが、新型一般形気動車H100の隣にクリスタル車両が留置されているのが見えたのです(写真はなし)。去り行く者と来る者の両者が顔を合わせるという光景に私は胸がアツくなりましたね。
クリスタル車両の処遇は未定との事ですが、できればこのまま廃車になどせず、一般の183系よりは遥かに走行距離が少ないためリニューアルして新たな観光列車への改造を期待してしまうのですが、今のJR北海道にそれを望むのは酷なハナシであって、せめて先頭車1両だけでも保存してその姿を留めてくれたらな…というのがレールファンとしての願いです。
最後になりましたが、クリスタルエクスプレス30年間の活躍、お疲れ様でした。
おわり