今日は2008年10月19日にデビューした京阪3000系が11年目を迎えた記念すべく日ですが、今回は2012年10月19日に京王電鉄が、大手私鉄で初めてVVVFインバータ制御化100%を達成した話題について触れたいと思います。
コンフォートサルーンの愛称で親しまれる京阪3000系は早くて座り心地良いシートの快適な車両なんですよ。

では本題に入ります。

2012年10月19日に、大手私鉄で初めて京王電鉄の営業車両全車がVVVFインバータ制御化されました。※「京王の電車・バス100年のあゆみ」(ネコパブリッシング刊)より
新宿から京王八王子や高尾山口などを結ぶ京王線(相模原線など含む)、渋谷から吉祥寺を走る京王井の頭線を運行する京王電鉄が、VVVFインバータ制御という省電力車両に統一された事は、当時京王沿線民であり京王グループ社員だった私にとっては誇れる出来事でした。
VVVFインバータ制御電車は、従来制御の電車よりも効率よくモーターを動かすことで電車の走行用電力を削減、京王電鉄で全車両に採用していた「回生ブレーキ」とあわせて、電車の走行用消費電力を約45%削減(1980年比)しました。(写真は1980年代の主力車両6000系)
当時裏方で活躍していたデワ600形はVVVFインバータ制御車両ではありませんでした
京王電鉄で1992年に初めて導入したVVVFインバータ制御車両8000系
京王井の頭線で1995年から導入した1000系もVVVFインバータ制御車両です
VVVFインバータ制御車両は、ランニングコストが安いほか小型軽量化が可能だったり、高回転にも絶えるなどのメリットがあります。
既に北大阪急行電鉄で、全車両VVVFインバータ化を達成してましたが、大手私鉄では京王電鉄が初めてでした
路線別で言えば東急池上線などでは1990年代から全車VVVFインバータ化を達成してました
従来の界磁チョッパ車は、モーターの界磁(モーター周囲のコイル部分)の回路の一部にチョッパ制御装置を追加し、制動時(減速)にモーターで発生した電気を架線に戻す「回生ブレーキ」を使えるようにした制御方式です(写真は西武新2000系)

界磁チョッパ車だった京王6000系と3000系の引退によって全車VVVF化の波に勢いがつきました。
2011年3月11日に引退した京王6000系
2011年11月13日にラストラン、12月に引退した京王井の頭線3000系
車両の新造時などに順次VVVF制御車両の導入を進め、20年以上かけて京王線・井の頭線の合計843両がVVVFインバーター制御車両化されることになりました。
2012年9月6日に、京王電鉄最後の界磁チョッパ車だった7000系7703編成のVVVFインバータ化改造工事が始まり、VVVFインバータ制御化100%を達成しました(7705編成の写真で代用)
京王線の「7000系」の10両編成にVVVF制御装置を搭載する際の費用に約2億5000万円を投じましたが、投資負担などを考えた長期的な戦略によって、この省エネ対策をトップで実現できたんだそうです。
京王電鉄に次いでVVVF化率が高い小田急電鉄
2018年4月時点でVVVF化率77.8%だった東急電鉄は、2020系・3020系・6020系の導入を進め着実に省電力車両が増えている状況
京王電鉄がVVVF100%達成後、愛知環状鉄道や新京成電鉄などでも全車VVVF化を達成しており、今後もさらに環境に優しい鉄道会社が増えていく事でしょう。

今回も最後までご覧下さり、ありがとうございました。


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